キーマンインタビュー

佳能医療系統研究開発(大連)有限公司
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

佳能医療系統研究開発(大連)有限公司

総経理 新野 俊之氏

世界中のいのちと向き合い
進化する画像診断機器開発と
新しい医療ソリューション


開発から製造、販売までを手がける


 親会社となるキヤノンメディカルシステムズ株式会社(栃木県大田原市)は、画像診断システム・治療システム・ヘルスケアITなどの医用システムを全世界の医療機関にお届けしています。機器やシステム導入のため、病院にあわせビルを設計する部門もあるほどで、一貫した医療ソリューションサービスを行っています。
 ここ大連の開発拠点は03年に設立。病院やクリニック、イメージングセンターで使用するCT、MRI、エックス線装置、超音波装置といった画像診断機器、検体検査装置の研究開発を行っています。機器においては大病院で使われる上級機から、一般の病院や健診クリニックで使われる普及機と呼ばれるものがあります。日本を含め世界9カ所に開発専門拠点を構えますが、大連では主に普及機の開発を手がけ、開発区に生産工場を有し、北京の会社で販売を行っています。近隣のグループ会社と連携し、製品に近いところまでを担う点で、他の研究開発拠点と異なり、大連はグループ内においても非常に特殊な主要開発拠点となっています。


患者さんと医師に寄り添う開発


 CTやエックス線検査は、受診することで病気を早期発見できるメリットもありますが、被ばくというリスクも負います。アメリカでのある事件をきっかけに、10年ほど前から医療機器による被ばくに対する意識が急激に高まり、被ばく量を下げる技術も大きく進歩しました。上級機種に付加価値をつけることで装置を高く売るという考えもあるかもしれませんが、上級機種だから被ばく量が少ないというような付加価値は一切取っ払い、2012年頃に上位機種向けに製品化された被ばく低減技術を、すでに普及機クラスまで展開を終えました。キヤノンメディカルシステムズが生産する機器は、すべてにおいて患者さんが安心して受診できるものにするというポリシーには、私自身も大きく共感するところです。
 一方で医療機器の進化に伴い、医師の負担も増えています。例えば患者さん一人を診断するにも、CTやMRIなど過去や現在のものを含め画像は保管されます。さらには行われた治療や投薬などの情報も合わせ、それが何百何千の患者さんともなると、膨大なビッグデータになります。こういったカルテは現在主に病院で管理され、医師の判断材料となっていますが、すべてを活かすには大きな負荷がかかります。そこでわれわれが病院に代わりビッグデータの管理ほか、画像をわかりやすく加工し医師の判断がスムーズに行えるような技術開発が進んでいます。
 新しいところではAI(診断支援)を搭載した画像診断機器も開発が進んでいます。基本は医師が画像を読影し、特徴を捉え患者さんへ説明がなされます。しかし前述の通り機器の発達に伴い、最速0・275秒で300枚以上が撮影されるCT画像などデータ量は膨れるばかり。しかし見落としはできないので、医師のプレッシャーも大きいものになっています。こういった医師への負担を軽減するためにも症例や特徴などを人工知能に学ばせていく診断支援は、これから大きく期待されている技術です。


中国ならではの利点を活かして


 機器生産に当たり、部品ひとつを例えると、日本では均等に高品質なものが手に入りますがコストが高い。それに対し中国での低コストは大きなメリットです。品質が問題視されることもありますが、こちら側でしっかり対策しておくことで、中国で十分な合格品を手に入れることは可能です。現地メーカーのポテンシャルを上げながら上手くやりとりを行い、コスト面で競争力の強い開発ができるようになりました。そして改めて強く感じる中国のスピード感。メーカーも弊社の社員もそうですが、できた技術をいち早く展開させるという弊社のミッションにおいて、この中国のスピード感は、大きな強みになっています。
 拠点発足からちょうど今年で15年。私が着任して一年余りとなりますが、体制も確立され、私が改めて改革を行う部分がないほど非常に頼もしい組織となっています。一方でどんどん成長していく社員たちに対し、例えば日本側で行っている高度な製品開発をこちらに任せるなど、新しい課題や難易度の高い仕事に挑戦してもらい、さらに大きく成長できるような環境づくりを進めたいと考えています。優秀な学生、人材が豊富な大連。この会社で彼らが能力を発揮し、アップできるチャンスを与えていきたい。まだ思い通りではないですが、理想に近づけるよう尽力してまいります。



初参加した昨年の社の忘年会にて。規模の大きさ、社員の気合の入り方、出し物のクオリティの高さに圧倒され、日本での忘年会は足元にもおよばないほど盛大なものでした。次回は私も気合を入れ臨む予定です(笑)。


PROFILE
しんの としゆき

1969年生まれ、兵庫県出身。1994年立命館大学大学院理工学研究科卒業後、㈱東芝入社。那須工場を経て分社化により東芝メディカルシステムズ㈱へ。入社以来20年にわたりCT開発に携わり、CT開発部担当部長を経て、2017年6月に大連へ赴任。キヤノングループへの事業売却に伴い2018年1月キヤノンメディカルシステムズに社名変更、現在に至る。趣味はドライブ。


<新野さんを知るキーワード>


かつての愛車GT-R


とにかく車の運転が大好きで、本社のある栃木県から実家のある兵庫県まで寄り道しながら17時間かけて帰ったことも(笑)。家族の意見もあり数年前に手放しましたが……


根っからの阪神ファン!


忘れもしない1985年10月16日(阪神タイガース21年ぶりのリーグ優勝、球団初の日本一)。ある日の球場観戦で応援で声をつぶし、翌日上司に「カゼひいたの?」と心配されたことも。


痺れる「麻」の虜に


赴任してから日本にはないあの「麻」の味わいにすっかりハマった麻婆豆腐。これは行きつけのお店「蜀香情」の麻婆豆腐。醤油チャーハンとの組み合わせでいただきます。



佳能医療系統研究開発(大連)有限公司 

大連市高新技術産業園区匯賢園7号3階(アセンダス2号棟)
℡(0411)3952-0128

佳能医療系統研究開発(大連)有限公司

住所 辽宁省高新技术产业园区汇贤园7号3楼(腾飞园区2期) MAP
電話 0411-3952-0128

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:ConciergeDL