キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社

  • エリア:その他

董事 総経理 臼井 宏之氏 2024年3月号

空から始まる
驚きと感動を創り

ワクワクで世界を満たす


創立72周年×中国就航37周年
中日友好の空の架け橋となる

 ANAは今年で創業から72周年を迎えました。大連への就航は、ANA初の国際定期便としてグアムへ就航後、ロサンゼルス、ワシントンD.C.に続く4番目の国際定期便として、1987年に東京~大連‐北京線を開設したことに始まります。大連は、ANAの国際定期便が中国で最初に降り立った都市であり、また大連周水子国際空港における初の定期国際線の就航でもあったことから、ANAにおける非常に意義深い路線となっています。1992年には、東京線に加えて福岡~大連~北京線を開設し、大連からの日本路線を拡大しました。その後、1994年には、関西国際空港開港と共に関西~福岡~大連~北京線という複数の都市を経由する運航形態を経たのちに、東京~大連、関西~大連の運航形態に集約されました。
 ANAとしての中国国内での就航都市は、2020年には、中国国内12都市21路線、貨物便においては8都市8空港にまで拡大し、日本と中国の人的交流や物流の拡大を支えてきました。コロナ以降、残念ながら感染拡大に伴う国家間の運航枠数の大幅な制限により、大連線においても一時的に旅客便を運休せざるを得ない状況となり、全社的にも事業規模を一時的に大幅に縮小する状況に至りました。しかしながら、物流だけは守りきるとの意気込みで、大連線においては、貨物便の運航を継続することで、コロナ禍における日中間の物流を支えてきました。


空港をステージに日々努力
地上から安全運航を支援 


 
実際の航空機の運航には、多くの人員が必要になります。お客様の搭乗手続き、手荷物の運搬、貨物やケータリングの積み込み、機内清掃、燃料給油、機体周辺での地上支援などを含めると、一つの便が折り返すだけでも、のべ50名以上の人員が必要になり、海外空港で自社スタッフのみで全ての業務を行う事は、ほぼ不可能です。この為、大連空港所においては、空港運営会社である大連国際空港集団有限公司にフロントラインの多くの業務を委託し、弊社スタッフはANAの顔としての役割に加え、各部署でのスーパーバイズ(委託管理)業務を主な職務としています。業務を委託するとはいえ、航空機を運航する上で安全性の確保は絶対であり、全ての業務は、国土交通省航空局(JCAB)と中国民用航空局(CAAC)の安全基準に合格したものでなければなりません。この為、大連空港に所属する弊社社員も日本に勤務する社員と同じ基準での訓練を必須としています。また、日中の関係当局からの定期的な監査に合格した上で、全てのお客様に安心してご利用いただける安全性と快適性を確保する為に、委託先業務のスーパーバイズにあたっています。しかしながら、私たちは、一方的な委託管理では、本当の意味での品質確保は難しいと考えます。ANAが求める安全水準や品質水準について、丁寧かつ根気よく委託先に伝え、社員一人一人が相互に信頼関係を築くことが不可欠だと考えた行動をしています。例ですが、2023年12月に、ANAの空港サービスにおける接客スキルを競う社内コンテストが開催されました。日本国内と海外の空港から多数の社員が参加する中、ANA大連空港所代表として、委託先である大連国際空港集団有限公司からANAのハンドリングを担当している社員が参加しました。結果は、見事全世界からの空港参加者の中から、11名のファイナリストの一人として東京で開催された最終選考にまで進むことが出来ました。ANAの自社員が、委託先社員の挑戦をサポートし結果を残せたことは、業務委託という関係を超えた日頃からの連携と信頼があってこその成果であり、この様な信頼関係を全ての部門で維持していくことが、ANAの安全性や快適性を維持する原動力になっていると確信しています。
 一方で、大連空港所では、パイロットに天候や空港の情報を提供する運航支援業務や、機体の健全性を保証する整備業務については、自社員が直接的に業務に従事しています。多くの者が国土交通省航空局が管轄する運航管理者や一等航空整備士といった国家ライセンスを取得して業務にあたっています。日本人でも合格が難しいライセンスを、現地スタッフが母国語でない日本語での試験に合格し業務にあたっている姿には、本当に尊敬の念に絶えないです。そのような現地スタッフと共に、日本と中国を結ぶ青い翼を高い品質で提供していることに大変な誇りを感じています。


ワクワクで未来を飛躍
ワクワクで満たされる世界を回る

 
 訪日外客数は、2023年11月単月で約240万人を超え、2019年同月比でコロナ前を超える水準まで回復したとのことです。一方で、国・地域別で中国からの訪日客数は、約25.8万人(2019年度同月比▲65.6%)とまだ回復途上です。但し、ペースは遅いものの中国からの旅客数が増加傾向にあることには変わりなく、国・地域別で見ると、韓国、台湾に次ぐ3番目の訪日客数を維持しています。今後、中国からの個人旅客に加え、訪日団体旅客の需要回復、また日本国籍旅客の中国への入国要件の緩和等の可能性も踏まえ、来るべき需要回復に向け、後れを取ることの無いよう準備を進めていきます。
 2022年10月末に漸く東京線の運航の再開に至りましたが、今度は、全世界的な旅客需要の急回復等への生産対応の必要から、関西~大連線の復便を始め他の中国路線においても、一部路線や便数の回復が遅れているのは周知のとおりです。この点で多くのお客様にご不便をおかけしていることについては、大変心苦しく思っていますが、準備が整い次第、復便に努めて参りますので、もうしばらくお待ち願います。
 私たちは、大連という地で、空への驚きと感動をお客様に感じて頂けるようにサポートしていきたいと考えます。大連空港から日本、そして世界をつなぐことで、全てのお客様にワクワクを感じて頂ける航空会社となることを目指していきます。

写真は、2023年12月に実施したボーリング大会です。久しぶりのボーリングに全日空大連支店の社員全員が熱くなりました。幅広い社員同士のコミュニケーション強化の為に、定期的にES活動を実施しています。


写真は、2023年12月に実施したボーリング大会です。久しぶりのボーリングに全日空大連支店の社員全員が熱くなりました。幅広い社員同士のコミュニケーション強化の為に、定期的にES活動を実施しています。


プロフィール

あさい いちろう

1969年香川県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。1992年ANAに入社し、福岡空港、成田空港にて空港現場と客室乗務員の労務管理を担当。2004年から、客室本部、空港本部にて企画管理、品質管理業務に従事。2012年にグループ内LCCへ出向し、空港部長として空港部門の事業立ち上げ、国内外の新規路線開設、航空局調整等にあたる。2022年4月より現職。



<浅井さんをさらに知る>

初めての海外出張

1996年、初めての海外出張がここ大連で、約1ヵ月過ごしました。写真は中山広場ですが、まだ周囲に高層ビルは少なく、空の広いゆったりとした広場で解放感を楽しむことが出来ました。

出発便のお見送り

飛行機が出発する際、空港のスタッフ皆の協力で確実に飛行機を送り出せたことに安心すると共に、到着までの安全運航を願うお見送り。お客様から手を振り返して頂けることもあり、本当に嬉しい瞬間です。

ランニングで体力維持


10年ほど前からハーフやフルマラソンにも挑戦していますが、目標は常に記録よりも完走です(笑)。写真はマラソンではなく大黒山に登った時のものですが、機会があれば、大連マラソンにも挑戦してみたいです。


全日本空輸株式会社(ANA航空)
大連市西崗区中山路申貿大厦1階(旧森ビル)
大連空港所(大連周水子国際空港)
℡(0411)8665-3600


全日本空輸株式会社

住所 辽宁省大连市西岗区中山路申贸大厦1楼 MAP
電話 0411-8665-3600

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:ConciergeDL