キーマンインタビュー
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ANA 大連空港所
所長 麻田博之氏
フライトサービスに向け
地上から支援する
もう一人のパイロットとして
今年、2017年はANAが中国線に初就航してちょうど30周年。中国の地に初めて降り立ったのがここ大連です。
現在は成田線、関西線を毎日1便の週14便、貨物便は成田=大連=関西の運航で週6便を運航しています。当初は日本人のお客様を中心にご利用いただいておりましたが、近年の訪日旅行ブームもあいまって、中国のお客様も年々増加し、現在では日により6~7割近くが中国のお客様となっています。
私自身、「地上のパイロット」的な存在であるフライトディスパッチャーという業務に長年にわたり携わってきました。フライト前に天候、高度計画、燃料、イレギュラー時の他空港への着陸可否状況等を検討し、パイロットにブリーフィング(説明)します。パイロットはそれを承認し、飛行計画が成立します。
実際のフライトでは天候は時々刻々と変化していきます。その気象の変化傾向を分析し、会社無線を通じてアドバイスを行います。これらのパイロットとの連携により目的地空港への「安全」なフライトを目指し、業務に当たります。
大連へ着任して半年。天候不良が原因で飛行機が着陸できず、1時間にわたり上空待機し、あわや青島空港か瀋陽空港へ臨時着陸か?!というようなこともありましたが、パイロットに会社無線を通じて情報提供とアドバイスを丁寧に行い、ギリギリのところで大連空港に着陸できた時には心の底からホッとしました。
空港をステージに日々指揮を執り
ANAのサービスはお客様がウェブサイトやカウンターでチケットを購入されるところからスタートします。その後空港でのチェックイン、手荷物の受託、搭乗のお見送り、機内サービス、到着までの一連のシーンにおいてシームレスなサービスを提供していくことも「安心」のひとつ。特にイレギュラー時にはお客様に適切なタイミングでの状況説明をしていくことを心掛けています。これも「安心」のひとつといえます。
空港には航空機を運航するための専門知識を持った部門スタッフ(運航、旅客ハンドリング、整備、貨物運送等)が配置され、連携を取っていくことが不可欠です。空港所長の業務はまさにオーケストラの指揮者のようであり、各奏者(各部門スタッフ)の織り成す音(専門的な業務知識)を調和し、美しいメロディ(シームレスなサービス)を奏でることだと思っています。彼らの持つパフォーマンスを最大限に活かしながら、連携を取っていくことが重要な任務であると捉えています。ANAグループの経営ビジョンである、「あんしん、あったか、あかるく元気!」を、自分にも問いかけ、さらなるサービス品質の向上に向け取り組んで行きたいです。
日本では裏方に徹する業務でしたが、大連で初めて直接接客する業務に就くことで、お客様を身近に感じられる良い機会をいただいたと感じています。お客様の立場になり、親身に対応し、「また、ANAに乗りたいなぁ~」と感じていただき、ANAファンを作り続ける。「チーム大連」スタッフ一丸となり、今後もさらに努めていく所存です。
PROFILE
あさだ ひろゆき
1967年生まれ、東京都出身。立教大学理学部化学科卒業後、1992年ANAに入社。国家ライセンスのフライトディスパッチャー(運航管理者資格)を取得し、羽田、那覇、成田空港にて空港統括業務に携わる。2017年4月に大連へ赴任。趣味はゴルフ。大学時代は航空部(グライダー操縦)所属。関東大会にて個人準優勝の実績を持つ。
ANA 大連支店
大連市甘井子区大連国際空港
www.ana.co.jp/cn/j/
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