キーマンインタビュー
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大連好侍食品有限公司(大連ハウス食品)
総経理 蛯原 武弘氏
安心・安全の日本品質を掲げ
家庭用、外食まるごと巻き込み
カレーを13億人民食へ!
中国ではカレールーはあくまでも「調味料のひとつ」という認識が強く、カレーライス以外に、カレー味のスープ、カレー味の煮物といった使われ方をしています。中国のバーモントカレーは、中国の調味料・八角を入れることで、そういった中華レシピに対応した製品であり、もちろんカレーライスとしても利用いただける弊社の看板商品です。黄色よりは黒味がかったいわゆる日本人が好むカレールーは「咖王(ジャワカレー)として国内でも生産、販売しています。ほか業務用の大容量カレールーやフレークカレー、濃縮カレーソースなども生産。家庭用、業務用、OEM(レトルト製品)という形で生産展開しています。
20年前、既に受け入れられた48元カレー
「13億の胃袋を持つ食人口」。ハウスグループにおいても重きを置く中国市場。近年に見る内陸部の都市化による、ターゲットとなる中間層の拡大、「米のあるところにカレーは受け入れられる」という当時の社長の格言の下、中国のみならずアジア全域を攻める姿勢です。
中国市場進出前の1997年、ハウス食品は実験店舗として上海花園飯店前の茂名南路にカレーレストランを出店。ダメなら早々に店をたたむ覚悟の中、カレー1皿48元という高価さにも関わらず、我々の心配をよそにお客様の入りも上々で、中国でのカレー事業に手ごたえを感じた瞬間でもありました。
弊社直営のカレーチェーンCoCo壱番屋は、04年の上海一号店オープン以来、現在中国全土54店舗を展開。大連工場はセントラルキッチンとしての機能も持ちあわせます。しかしながら華北・東北エリアにおいてはカレー専門店としての運営は厳しい状態で、上海の27店舗に対し、北京でも現在3店舗のみ。饅頭(マントウ)などの小麦製品文化の強さや消費平均単価50元という価格設定など見直すべき点は多々ありますが、おかげさまで周囲から多くのお声をいただき、いずれ大連にも出店を考えるところです。
子供、大人へのカレープロモーション
おかげさまでバーモントカレーの販売は前年比120%と推移しています。さらに伸び率を増やすためにも、同製品の認知度向上は、我が社にとって最大の使命です。
かつて勤務していた上海工場は、建設段階から対外向けプロモーション活動を意識し、スペースや設備を充実させています。パンダなどかわいいキャラクターカレーをつくり、保護者の方と一緒にカレーを食す、お子様向けカレー教室の開催や、年間約20回、1,500名のお子様を受け入れる工場見学会を実施。大人向けには、アイさん(お手伝いさん)を対象に、カレーレシピ学習会、大型スーパーでの店頭試食販売スタッフ(マネキンさん)へ接客のマナーを含めた養成講座をも行ってきました。一般消費者に対しては市場、屋外イベントにて製品プロモーション・無料配布、ゆるキャラショー、TVCM、料理番組とのタイアップ、食品フェス参加、微博、微信等SNSでの情報発信など数々の施策を経てまいりました。実際に大連でも日系企業様の食堂向け業務用販売をスタートさせています。
この春より正式にハウス食品大連工場としての稼動開始をきっかけに、東北エリアにおいても前述の上海のようなプロモーション活動ほか、シチュー、ハヤシライスのルー生産、栄養ドリンク「ウコンの力」やコラーゲンドリンク「若丝」といった健康補助飲料生産等、総合食品企業としての事業展開を計画しています。また内部に向け人材育成に注力し、社員教育、モチベーション向上、就業規則の見直しなど、よりよい環境と組織作りにも息巻くところです。
今もなお中国において食の安全が問われる中、食品企業としてお客様へ「安心・安全」を届けることが、信頼ある日本企業としての大きな役割です。社の合言葉「カレーを人民食に!」を念頭に、新たな気持ちで社員一丸となり、取り組んでいきたいと考えます。
えびはら たけひろ
1966年生まれ、宮崎県出身。1984年ハウス食品入社。以降生産技術部にて設備投資、生産設備の保全業務を担う。2009年に初転勤で海外・上海に赴任。工場移転と初期流動、会社運営に携わる。2015年3月に大連へ着任。資本編制、企業名称変更など行い、体制を整え2016年5月よりハウス食品大連工場として本格始動。趣味は(昔は)車。
鈍った身体を鍛える手始め
上海駐在時代、バレーボールでケガをしてから堕落した生活を送っていました(笑)。大連生活が1年を過ぎ、鈍った体を動かそうと自転車を購入しました。脱3日坊主!
記憶を飛ばしても続く友情
上海駐在時の職場仲間です。私が大連へ赴任となった今も、公私共に交流を図っています。上海出張時には食事に呼び出され、白酒で記憶が無くなる事もよくある話で……
二人一緒に行かなくても(笑)
私事になりますが、今年二人の娘が共に結婚する事になり、いよいよ身を以って送り出す親の気持ちを体験する事になりました。とても感慨深いものがあります。
大連好侍食品有限公司
大連経済技術開発区淮海中路93号
℡(0411)8740-7007
www.housefoods.com.cn
家庭用、外食まるごと巻き込み
カレーを13億人民食へ!
八角が決め手の中国バーモントカレー
弊社の前身となる堀江大和屋は1998年に設立。以来ハウス食品グループとして、塩蔵、乾燥、レトルト、半固体調料などを生産。そして16年春より正式に大連好侍(ハウス)食品工場としてスタートいたしました。
中国ではカレールーはあくまでも「調味料のひとつ」という認識が強く、カレーライス以外に、カレー味のスープ、カレー味の煮物といった使われ方をしています。中国のバーモントカレーは、中国の調味料・八角を入れることで、そういった中華レシピに対応した製品であり、もちろんカレーライスとしても利用いただける弊社の看板商品です。黄色よりは黒味がかったいわゆる日本人が好むカレールーは「咖王(ジャワカレー)として国内でも生産、販売しています。ほか業務用の大容量カレールーやフレークカレー、濃縮カレーソースなども生産。家庭用、業務用、OEM(レトルト製品)という形で生産展開しています。
20年前、既に受け入れられた48元カレー
「13億の胃袋を持つ食人口」。ハウスグループにおいても重きを置く中国市場。近年に見る内陸部の都市化による、ターゲットとなる中間層の拡大、「米のあるところにカレーは受け入れられる」という当時の社長の格言の下、中国のみならずアジア全域を攻める姿勢です。
中国市場進出前の1997年、ハウス食品は実験店舗として上海花園飯店前の茂名南路にカレーレストランを出店。ダメなら早々に店をたたむ覚悟の中、カレー1皿48元という高価さにも関わらず、我々の心配をよそにお客様の入りも上々で、中国でのカレー事業に手ごたえを感じた瞬間でもありました。
弊社直営のカレーチェーンCoCo壱番屋は、04年の上海一号店オープン以来、現在中国全土54店舗を展開。大連工場はセントラルキッチンとしての機能も持ちあわせます。しかしながら華北・東北エリアにおいてはカレー専門店としての運営は厳しい状態で、上海の27店舗に対し、北京でも現在3店舗のみ。饅頭(マントウ)などの小麦製品文化の強さや消費平均単価50元という価格設定など見直すべき点は多々ありますが、おかげさまで周囲から多くのお声をいただき、いずれ大連にも出店を考えるところです。
子供、大人へのカレープロモーション
おかげさまでバーモントカレーの販売は前年比120%と推移しています。さらに伸び率を増やすためにも、同製品の認知度向上は、我が社にとって最大の使命です。
かつて勤務していた上海工場は、建設段階から対外向けプロモーション活動を意識し、スペースや設備を充実させています。パンダなどかわいいキャラクターカレーをつくり、保護者の方と一緒にカレーを食す、お子様向けカレー教室の開催や、年間約20回、1,500名のお子様を受け入れる工場見学会を実施。大人向けには、アイさん(お手伝いさん)を対象に、カレーレシピ学習会、大型スーパーでの店頭試食販売スタッフ(マネキンさん)へ接客のマナーを含めた養成講座をも行ってきました。一般消費者に対しては市場、屋外イベントにて製品プロモーション・無料配布、ゆるキャラショー、TVCM、料理番組とのタイアップ、食品フェス参加、微博、微信等SNSでの情報発信など数々の施策を経てまいりました。実際に大連でも日系企業様の食堂向け業務用販売をスタートさせています。
この春より正式にハウス食品大連工場としての稼動開始をきっかけに、東北エリアにおいても前述の上海のようなプロモーション活動ほか、シチュー、ハヤシライスのルー生産、栄養ドリンク「ウコンの力」やコラーゲンドリンク「若丝」といった健康補助飲料生産等、総合食品企業としての事業展開を計画しています。また内部に向け人材育成に注力し、社員教育、モチベーション向上、就業規則の見直しなど、よりよい環境と組織作りにも息巻くところです。
今もなお中国において食の安全が問われる中、食品企業としてお客様へ「安心・安全」を届けることが、信頼ある日本企業としての大きな役割です。社の合言葉「カレーを人民食に!」を念頭に、新たな気持ちで社員一丸となり、取り組んでいきたいと考えます。
5月に3泊4日で蘇州、杭州、上海に社内旅行へ。社員の要望を聞き過ぎて(笑)、ハードスケジュールとなりましたが、飛行機に乗った事の無い社員もいたようで、楽しく記念に残るものとなりました。
えびはら たけひろ
1966年生まれ、宮崎県出身。1984年ハウス食品入社。以降生産技術部にて設備投資、生産設備の保全業務を担う。2009年に初転勤で海外・上海に赴任。工場移転と初期流動、会社運営に携わる。2015年3月に大連へ着任。資本編制、企業名称変更など行い、体制を整え2016年5月よりハウス食品大連工場として本格始動。趣味は(昔は)車。
<蛯原さんを知るキーワード>
鈍った身体を鍛える手始め
上海駐在時代、バレーボールでケガをしてから堕落した生活を送っていました(笑)。大連生活が1年を過ぎ、鈍った体を動かそうと自転車を購入しました。脱3日坊主!
記憶を飛ばしても続く友情
上海駐在時の職場仲間です。私が大連へ赴任となった今も、公私共に交流を図っています。上海出張時には食事に呼び出され、白酒で記憶が無くなる事もよくある話で……
二人一緒に行かなくても(笑)
私事になりますが、今年二人の娘が共に結婚する事になり、いよいよ身を以って送り出す親の気持ちを体験する事になりました。とても感慨深いものがあります。
大連好侍食品有限公司
大連経済技術開発区淮海中路93号
℡(0411)8740-7007
www.housefoods.com.cn
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