キーマンインタビュー

一処(大連)科技発展有限公司
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一処(大連)科技発展有限公司

代表取締役社長 来 永樂氏 2023年6月号

時代のトレンドを読み
顧客ニーズを的確に把握し
EC業務を幅広く展開する


情熱こそ起業の出発点


 私は大連生まれ大連育ちの生粋の大連っ子です。大連は日本との繋がりが大変深い都市で、改革開放後における日本との協力の歴史は長いです。大連は長きに亘って中国の東北地方、ひいては中国の対日交流・協力における重要な門戸であり、日本企業も非常に重要視しています。私は高校生の時から日本語を勉強しており、日本語を勉強しているうちに日本の文化に大変興味を持つようになりました。大学3年次、九州工業大学の教授が講演で「日本語ができ、且つIT開発能力を持っている人材が日本では引っ張りだことなっている」と語っていたのを聞いたことがきっかけとなり、日本留学を決意しました。大卒後、2014年から九州工業大学院情報工学府で情報システムを専攻しました。大学院修了後は、大阪の日立造船株式会社に入社し、電子エンジニアとして制御盤や操作盤の設計などの業務に携わりました。大手企業で、且つ専攻のITも活かせるため、色々と勉強できました。
 2016年、祖父が入院したことを両親から聞いて、いても立ってもいられなくなりました。というのも、祖父は小さい時から目の中に入れても痛くないほど私を可愛いがってくれたのにも関わらず、卒業後何一つ恩返しできなかったため、万が一のことを考えて悔いが残らないよう、せっかく大手企業に入社してやり甲斐のある仕事を見つけることができましたが、苦渋の決断の結果、大連へ戻ることにしました。同年、東軟信息学院継続教育学院の教育センターにて教育プログラムの企画・作成・実施に関する業務を担当しました。教育関連の仕事にはもともと興味を持っており、業務内容もそれなりに面白かったのですが、思うようにならないことも幾つかあったことに加え、卒業後はずっと「日本と関連性の高い仕事がしたい」、「日本での留学や業務経験を活かした起業をしたい」という思いを抱き続けていました。


逆張り思考が成功をもたらす

 起業するにあたり、どんなビジネスを始めるのか、自分の好きなことや強み、これまで培ってきたこと、世の中のニーズや不満をヒントにして考えました。そして、自分の弱みも考慮に入れ、上手くいっている状況だけではなく、最悪の事態も想定していました。2016年、再び日本へ渡り、ホープ日光商事株式会社を設立しました。当時は、多くの企業が日本から中国へ商品を販売しようと考えていました。しかし、他社と同じことをしていては競争力がないので、その逆を考えて、中国から日本への越境ECを始めました。もちろん起業前には、どのような商品が日本でニーズがあるのかや、日本で売れている中国商品のほか、ヒットの可能性のある新商品などを模索しながらスタートしました。この判断は見事に当たり、幾つかの商品がAmazon.co.jpの売れ筋または人気度ランキングにおいてトップ3に入り、対日越境ECで大きな成功を得ました。
 その後、大連で一処大連科技発展有限公司と大連竹洲国際貿易有限公司を立ち上げ、中国企業の日本でのEC店舗の運営代行などの業務を展開しています。そして、嘗て大学での教育プログラム関連の業務経験を活かして、ECの人材教育、ECの実践講座、コンサルティングなど、ECを軸に幅広い活躍を続けてきました。現在は日本では複数の会社と取引を展開しています。中国では東軟教育科技集団、深圳市跨境電子商務協会と協力関係を築きました。また、大連外国語大学、大連大学、遼寧師範大学、福建省の陽光学院、福岡県の香蘭女子短期大学と産学連携を試みています。今年には、長興島政府と弊社とで電子商務産業園区(連祥産業園)を設立しました。長興島はコストも安く、優遇政策も検討されており、多くの方に長興島での取り組みを知って頂きたいと思っています。   
 起業5年目の頃、かつて勤めた東軟信息学院から「対日越境ECについての実践知識についてぜひ講義を行ってほしい」とのお声掛けを頂き、全国の大学教師に対してEC通販の教育講座を行いました。「大学での仕事を辞め、起業したことは間違っていなかった」、「今までの経験全てが糧になる」と思えた瞬間でした。その後、大学生に限らず社会人に対しても越境ECに関する知識&ノウハウなどをボランティアとして講義しています。今どきの学生は勉強には興味がない人が多くなっているようですが、抖音や小紅書などのライブコマースに詳しく、彼らからもビジネスに必要な様々なヒントやアイデアを頂きました。


常にアンテナを張り環境の変化などを敏感に察知


 弊社の経営理念は「責任」「笑顔」「楽」の三つです。責任を持って、明るく積極的な態度で対応すれば、相手からも笑顔を受け取れます。そして、楽しみも生まれます。私は日本の茶道が好きで、プライベートもビジネスも「一期一会」を座右の銘としています。未来より今を重視し、目の前のことにしっかり取り組み、目の前の人としっかり付き合っています。こうして、相手との信頼を一つ一つ築き上げてきました。
 今はECの時代です。若い人に限らず、買物の習慣が変わってきています。ビジネスを展開する時、常にこういったトレンドを敏感に察知する必要があります。従来のビジネスにECを付け加えたり、または従来のビジネスをECで行ったりすることによって相乗効果が期待できるのと、フィードバックに基づいた社内の改善・改革・進歩にも繋がると思います。SNSの魅力の一つに、最新のトレンドをタイムラグなく察知出来ることが挙げられます。今後も、より多くの中日両国の文化やトレンドを取り入れた製品を取り揃えようと考えています。また、AIがビジネスの明暗を分け、競争に勝ち残っていく上で重要な鍵になっていると前から判断していましたので、AIを駆使することで、一部のプロセスを属人的な作業から脱却させ、データに基づいた客観的な視点で生産性を上げて、効率化や省人化をも進めています。



2019年の夏季ダボス会議に参加した大連の8名の代表との記念写真。若手のベンチャー企業の経営者が多いのが特徴です。真新しい発想と過去にない技術で事業を展開している彼らから学ぶことも多々ありました。



プロフィール
Lai Yongle

1988年4月生まれ、大連市出身。大連外国語大学 計算機科学技術専攻を卒業。日本の九州工業大学大学院  情報システム専攻を修了。2014年、日立造船株式会社へ入社し、電気エンジニアの業務に従事。2016年に帰国し、大連東軟信息学院にて教員として務める。同年、起業熱に駆られて東京へ戻り、対日越境ECビジネスを始める。


<来さんをさらに知る>


ダボス会議


2019年、大連市で開催された夏季ダボス会議にて、大連代表としてKlaus Schwab会長にハグをしました! 世界の政治や経済のリーダー、さらに有識者が経済フォーラムに一堂に集まった盛会でした。


越境ECフォーラム


2019年、中国国際ソフトウエア・情報サービス交易会に参加した際の写真です。越境ECフォーラムにおいて、唯一の企業代表として基調講演をしました。そしてゲストたちと越境ECについて意見交換をしました。


アカシアウォーキング大会


2019年5月、大連のアカシア祭りのイベントの一つである「中日十都市千人アカシアウォーキング大会」の際に撮影した写真です。私は大連市中日友好協会の駐東京代表として毎年必ず参与しています。


一処(大連)科技発展有限公司

高新園区七賢嶺億陽路6号三豊大厦B座4階
℡139-4266-8211


一処(大連)科技発展有限公司

住所 辽宁省大连市高新园区七贤岭三丰大厦B座4楼
電話 139-4266-8211

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