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高新天龍製鋸(大連)有限公司
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高新天龍製鋸(大連)有限公司

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高新天龍製鋸(大連)有限公司 副総経理 竹中 哲也氏 2025年1/2月号

感謝の心をもって
従業員と株主の幸せを追求し
社会の幸せに結びつけます


会社の中国進出に伴い
私と中国とのご縁が始まった


 1913年、天龍製鋸株式会社(以下、天龍製鋸)は静岡県浜松市に設立されました。その後グローバル化推進の一歩として1994年に初めての中国進出を果たし、河北省廊坊市に天龍製鋸(中国)有限公司(以下、天龍中国)(チップソー等の製造・販売)を設立しました。その後、2002年に河北省廊坊市に龍蓮工具(廊坊)有限公司(カッター類の製造・販売)を設立し、2011年に江蘇省蘇州市に天龍製鋸(中国)有限公司蘇州分公司(チップソー等の製造・販売)を設立し、2018年には遼寧省大連市に高新天龍製鋸(大連)有限公司(以下、天龍大連)(チップソー等の製造・販売)を設立しました。
 私は28年前の1996年のまだ若かりし頃に、天龍中国へ技術指導のため3カ月の短期出張に来ました。当時はまだ改革開放を推進して10年足らずで、田舎では車も少なく、馬車が多いことに驚きました。食べ物も特に果物など、日本との違いもよく感じました。一番驚いたのは、ヒマワリの種をおやつとして食べる文化です。最初に試した時には上手く噛めなくて笑われたことを覚えています。3カ月の苦闘を経て上手に食べられるようになり、一つの技を習得した思いで、帰国してからは家族と親友に自慢していたほどです。これが私の初めての中国体験でした。
 2008年の2回目の中国出張も天龍中国でした。12年ぶりの訪問で、中国も従業員も懐かしかったです。お陰様で会社の業務は順調で、従業員たちも随分と増えました。創業当初から在籍していた現場の従業員は管理職となり、家も車も子供も持つようになりました。皆頑張っているなと感心しました。
 そして2022年、中国との縁がある私に突如、天龍大連へ出向するようにとの人事異動が発令され、大連での駐在生活が始まりました。大連は初めてでしたが、中日友好文化が深いですし、海鮮や気候も日本と近しいため特に違和感はありませんでした。工場の事務所からは港が見え、波と船を見るたびに故郷を思い出します。街中を歩く際にも日本語が聞こえてくることがありますし、会社の従業員やホテル、料理店のスタッフも日本語が堪能なので、仕事と生活には不自由することはありません。そのせいか3年経っても中国語を話せませんが、中華料理は好きになってきました。

私たちの歴史は
日本の「鋸」の歴史です


 天龍製鋸は設立以来、日本の機械鋸産業界のパイオニアかつリーディングカンパニーとして、国内はもとより海外のマーケットで事業を展開してきました。この111年の歴史の中で、蓄積した技術と独自の豊富な製造設備をもとに、日々高度化・多様化する市場ニーズに対応する優れた製品をさまざまな業界に提供してきました。近年では、省資源・省力化に繋がる鋸刃設計に加え、最新のコーティング技術を駆使し高精度・高効率・耐久性の向上を実現した製品開発を行っています。また、全世界のユーザーニーズに応えるべく、生産拠点を日本に2カ所、中国に3カ所、タイに1カ所設けるとともに、国内はもとより北米・中米・欧州・東南アジア等世界各地に販売網を広げています。当社は企業経営を通じて社会に貢献することを最大の目的とし、社是である「誠実と和」を以って、全社一丸となり社業発展に邁進して参ります。私たちの歴史は「鋸」の歴史であり、限りない切削課題への挑戦の歴史でもあります。

 当社は創業以来、鋼材の焼入れ等の原材料の加工から製品の完成にいたるまで、一貫した生産を行う鋸の専門メーカーとして歩み続けてきました。素材環境の変化を見つめ、常に新たな開発技術と生産技術を製品に結集し、製造部門が価値ある製品をカタチにしてきました。当社が独自に開発した製造技術はもちろん、世界の情勢をいちはやく把握しながら、最新の技術を積極的に導入し、ユーザーニーズお応えして参ります。信頼される製品は、たゆまぬ技術の研鑽と、厳しい品質管理体制があって生まれるものです。切削加工分野においては、被削材の多様化や切断品質の高級化をはじめとして、切削に対するニーズがますます高度化しています。天龍製鋸の研究開発部門では、専門スタッフが機械力学・電子計測・制御技術・金属材料・熱処理技術、機械加工技術などのそれぞれの専門性に応じて製品開発と生産技術に関するプロジェクトテーマを担当し、皆様のご要望にお応えしています。天龍製鋸の製造設備は独自の開発による「全自動熱処理プラント」をはじめとして、世界レベルの鋸製造専用機が導入されています。これらの生産設備と徹底した製造工程管理、生産技術の研鑽によって「パスブランド製品」は作られています。天龍製鋸の全製品に刻印される「パス印」は高品質の象徴です。このパスは我が社の創業当時に鋸を正確に加工する為に使用したコンパスをかたどったもので、高品質の鋸づくりが商標として折り込まれています。「パス印」製品は、「品質は加工工程で作り込め」をスローガンにしています。


持続可能な社会の実現に向けた
今後の取り組み方針


 技術面の取り組みは、新素材・高度な切削条件にお応えする製品開発です。長年に亘るテクノロジーの蓄積をベースに、独自に開発した最新の製造機械設備のもと、大気や海洋などの地球環境への負荷低減のため、被削材の省資源化、切断加工時の負荷削減・省エネ化や刃物の長寿命化等のニーズが数多くあり、これに応えるべく環境負荷低減製品の開発を努力していきたいと考えています。労働環境の取り組みは、従業員が「健康で、能力を十分に発揮し、働き続けられる」会社であることが重要だと考えており、働きやすい環境づくりを進めて参ります。私も大連の従業員に対し、心身の健康を大事にするように心掛けています。私自身も運動とサークル活動を通じて、元気よく大連での仕事と生活を楽しみながら、私達の111年の技術を中国人エンジニアに継承していきたいと思います。


2024年7月に天龍製鋸(中国)有限公司の設立30周年を記念して、「河北承德避暑山庄」にて2泊3日の有志メンバーによる社員旅行を行った時の写真です。中国の雄大で豊かな景色を感じられる素晴らしい旅行でした。


プロフィール

たけなか てつや

1968年生まれ、静岡県磐田市出身。1987年天龍製鋸株式会社入社、購買管理課所属。1995年生産部主任、2001年生産部係長、2009年生産部課長、2011年品質管理課長を歴任。2015年生産部次長を経て、2022年1月より初の海外駐在として高新天龍製鋸(大連)有限公司へ出向し、副総経理に就任。


大連工場の常駐日本人として、責任をもち、製品の技術と品質を向上する同時に、社内の福利厚生も向上するつもりです。お客様の幸せと従業員たちの幸せを追求していくように、努力していきたいと考えています。


竹中さんをさらに知る

バトミントン


2024年春頃より、友人に誘われてバトミントンを始めました。小、中学校とサッカーをしていたので大きな球を扱う球技は得意でしたが、小さなシャトルを的確に相手に返すところに苦労をしています。


ペットの猫


動物、植物が大好きです。日本に一時帰国した時は、この猫たち(左:マロン、右:オレオ)と一緒に戯れて癒されています。他にも熱帯魚や観葉植物なども育てています。


静岡県人会


静岡県にゆかりがある方や富士山が好きな方が集まる静岡県人会です。この会に参加するようになってから大連の友人の輪が増えました。楽しく親睦を深めています。


高新天龍製鋸(大連)有限公司
大連開発区港興大街39-17号-18号
℡(0411)6591-9100

高新天龍製鋸(大連)有限公司

住所 辽宁省大连市开发区港兴大街39-17号-18号 MAP
電話 0411-6591-9100

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