キーマンインタビュー

愛爾希(大連)科技有限公司
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愛爾希(大連)科技有限公司

董事長 兼 総経理 土居 公司氏 2023年3月号

組込み技術をコアとして
あらゆるマイコンの組込&
システムソリューションを提供


組込み技術をコアに


 愛爾希(大連)科技有限公司(ILC大連)は、株式会社 アイ・エル・シーの開発コストの効率的な低減を計るべく、下流工程開発の生産拠点として活用することを目的として2007年に大連に設立されました。設立当初から、アイ・エル・シー商品開発の支援だけでなく、アイ・エル・シーが顧客から受注したソフトウェア開発・検証業務を当社に委託、実行しています。中国ソフトウェア開発者の人材育成と中国国内外市場でのソフトウェア・マーケティングの展開を経営目的としています。拡大が期待されている中国市場における開発・事業拠点の性格も保有しています。2016年に私が赴任してからは、日本本社からの業務受託だけでなく、中国での日系企業の開発拠点からソフトウェア開発やソフトウェアやシステムの評価を積極的に受注、実行しています。
 ILC大連は、設立当初から組み込みソフトの開発、検証関係の業務を得意分野としています。特にアイ・エル・シーの持つ、GUIビルダ(GENWARE)、ソフトPLC(INTALOGIC)などの優れた製品群を核としたソフト開発を得意としていますが、近年のIoT化のトレンドにあわせ、携帯アプリの開発や、クラウドとの繋ぎも開発実績を持ちます。検証分野においては、顧客製品の第三者検証として、製品仕様書・マニュアルからテスト仕様書を作成し、テスト仕様書に基づいたテストケースの設計、実行まで対応します。顧客の新製品開発プロセスに同期して開発プロセスの上流でテスト仕様書を作成することができ、新商品開発での品質創り込みに貢献した事例も多くあります。開発プロセスは、アイ・エル・シーの保有する品質管理基準をILC大連でもベースにしており、アイ・エル・シーの品質管理部門の指導も受け、プロセス遵守の徹底とプロセスの改善を行っています。顧客指定の開発プロセスを公開頂ければ、そのプロセスに従った開発・検証業務を実行します。従来のオフショアでは、オフショア企業に対して顧客側で業務管理や上流工程を実行することが要求され、顧客側の業務負担が残ることも多くありました。当社では、アイ・エル・シーと連携することで、業務管理や上流工程をアイ・エル・シーで実行することも可能です。さらに案件によっては、業務管理のみアイ・エル・シー担当とする、業務管理含めて当社で実行するケースも増えています。


ILC大連のコンピタンス

 当社では、組み込みソフトウェア分野の開発・検証を専門分野として、コンピタンスを設定、強化しています。アイ・エル・シーで制定、実績のある開発プロセス(ID-Standards)を採用し、高品質のソフトウェアを適正工数で開発します。開発分野では、アイ・エル・シーの組み込みソフト商品を核としたソフト開発を得意としますが、一般組み込みソフト開発、ドライバソフト開発も実績があります。また、FAコンポーネントを活用したFAシステム構築にも実績があります。アイ・エル・シーの自社製品開発にも適用している独自の品質基準により、要求される品質達成を約束します。
 検証分野では、中国でのテストエンジニア認定資格であるCSTQC資格認定者を多く保有し、顧客製品の第三者検証に対して上流工程から参加できます。また、リスクベース検証手法を用いた効率的かつ効果的な検証業務を実行します。顧客機器に要求される品質特性をISO9126などから分析し、テスト条件を抽出、テスト条件ごとのリスクを明確に定義することで、効果的、効率的なテストを実行できます。テスト工程を細分化することでテストケースの抜け漏れを削減し、品質向上を図っています。また、リスク分析シートを活用し、品質要求と仕様(機能)から各機能項目に対して重要度と発現頻度を想定し、リスクを見極めます。
 情報セキュリティ意識の社員への徹底を図っています。一例として、入退室においては顔認識と指紋認識の2つの方法で個人認証をしているほか、社員は情報セキュリティハンドブックを常時携帯しています。また、社員は携帯電話を職場に持ち込むことはできず、休憩時間以外は個人ロッカーに保管します。顧客要望に応じて、セキュリティ対応したクリーンルームも設置できます。
 日系ソフトウェア企業として、アイ・エル・シーの仕組みを参考とし、日々のマネジメントを実践しています。顧客とは、毎日のプロジェクト進捗状況をメールで報告し、週次でTV会議、Web会議により進捗や課題を確認していますが、要望に応じて、毎日Web会議を開催することも実施しています。毎週月曜日の朝礼では、総経理、各部長から経営状況、プロジェクト状況、重要課題の取り組みなどを全員に報告、共有化しています。また、「目標による管理」の仕組みを導入し、経営目標に向けて部課長、さらには一般の目標を連鎖、実行させ、成果については客観的な評価を可能としています


更なる成長を目指して


 現在、本社経由でのソフトウェア開発業務が売上全体の70%、中国では30%となっています。特に大連市では金州に多く存在する日系企業の生産拠点に対して、生産現場の品質・生産性改善につながるようなシステム・ソフトウェア開発も重点的に実施しています。さらに、上海にある日系コンサルタント会社と連携して、改善自体を支援することも可能です。また、日本語1級、2級の取得者が半分以上であることから、日本語と中国語の相互翻訳業務も実行しています。創業以来200万文字の技術文書の翻訳経験を持っており、機械翻訳のみに頼らない、きめの細かい翻訳が特徴です。先述のように現状では日本本社からの売上が全体の70%を占めるため、本社事業に依存することが多く、本社から独り立ちして歩き出すためにも、売上の50%を中国市場でカバーしたいという目標を掲げて、社員一同目標達成に向けて邁進しています。



コロナ直前に行った忘年会です。社員100名のうちほぼ全員が参加してくれました。この時にはアイ・エル・シー本社会長も参加されました。コロナも一段落したので、そろそろ社員旅行や宴席などのイベントを再開したいと思います。



PROFILE
DOI KOJI

1956年生まれ。1979年京都大学工学部を卒業後、立石電機(現オムロン)に入社。2009年~2015年オムロン上海・オムロン中国の董事長兼総経理として上海駐在。2015年にオムロンを退社し、2016年に株式会社アイ・エル・シーに入社。董事長兼総経理として大連へ赴任し、現在に至る。


<土居さんをさらに知る>


大連日本人学校での授業


商工会活動のお手伝いをしながら、2年間ほど学校理事会の活動もお手伝いしました。企業側臨時講師として一度だけ講義を行ったことも良い思い出です。


大連の散策(龍王塘の櫻)


春夏秋冬、大連の街並みを散歩しています。春の桜、夏のアカシア、スイレン、秋の紅葉、さすがに冬は気温マイナスのなか出歩くことはしていませんが。これから一日一日春らしくなるので楽しみです。土日などの休日は毎日一万歩以上歩くことを目標としています。


大連ITクラブでの活動


2002年に発足した大連ITクラブは、情報交換のみならず、先進的情報を発表するIT学会活動にまで発展させるべく活動を続けています。5年ほど前から活動に参加し、現在は企業として協賛会員になっています。
(https://www.dl-itclub.com/)


愛爾希(大連)科技有限公司

大連市高新園区匯賢園1号9階
℡(0411)3973-7700

愛爾希(大連)科技有限公司

住所 辽宁省大连市高新园区汇贤园1号9楼 MAP
電話 0411-3973-7700

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