キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社
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大連支店 支店長 常木 尚隆氏 2022年12月号

安心と信頼を基礎に、
世界をつなぐ心の翼で
日中両国の架け橋に


日中友好の空の架け橋


 今年は、ANAが中国に定期便を就航し35周年になります。ANAと中国の関係は、第二代社長岡崎嘉平太にまで遡ります。日中関係の正常化及び「LT貿易」として名高い日中貿易交流にも尽力した岡崎は、周恩来総理をはじめ中国要人との会談を重ね、中国との友好関係の促進に寄与しました。1972年日中国交正常化の際には、周恩来総理自ら岡崎に『わが国には、「水を飲むときには、井戸を掘った人のことを忘れない」という言葉がある』とその労をねぎらって頂いたと聞いています。そのような経緯を経た1987年4月、ANAは日本と中国を結ぶ最初の定期便として東京-大連-北京線を開設し、岡崎もその初便で中国の地を踏みました。北京での就航記念パーティーでは、岡崎の日中友好に力を注いだ貢献を称え、人民大会堂で開催することが許されるという破格の待遇を頂戴することが出来ました。その後、ANAは香港、上海、瀋陽、青島、厦門、杭州、広州、成都、武漢、深センと就航地点を拡大し、2021年には、12都市21路線。貨物便は、8都市8空港にまで拡大し、日本の航空会社として最大の中国ネットワークを構築しています。
 現在は、新型コロナ感染症拡大の影響による国家間の運航枠数の大幅な減少により、やむを得ず多くの便を運休させておりますが、一方で貨物便については、コロナ前よりも運航便数を増やすことで日中の旺盛な物流を支えています。大連空港における航空貨物では、ANAが最大の取り扱い量となっています。今後は、中国全域の訪日需要回復を見据え、日中の空の架け橋として日中両国の皆様の期待にお応えできるように努めてまいります。


厳しい時代に立ち向かう努力

 今年4月の大連支店への発令以前は、岡山支店長を務めました。岡山県は、初代社長美土路昌一、二代目岡崎嘉平太、そして現ANAホールディングス相談役 大橋洋治といった歴代社長の故郷であり、岡山におけるANAへの期待は非常に大きく、また、多くの皆様に支えて頂きました。大連は、ANAが中国で最初に定期便を開設した最も歴史ある支店ですので、岡山支店から大連支店への発令は、縁を感じるとともに、強い使命感を感じています。
 2009年から4年間、青島支店で勤務しましたが、改めて日中文化の違い、時代の変化を感じています。それらを踏まえた上で、歴史のある大連支店の人財育成に、より力を入れたいと考えています。ANAグループの最大の資産は、働く一人一人の「人財」です。コロナ禍を乗り越え、新たな成長を実現していくためには、多様な才能や強みを持った社員それぞれがいきいきと働き、力を最大限発揮することが必要不可欠です。そのため、社員の「エンゲージメント向上」を通じ、個の力と組織の力を最大化していきたいと考えています。また、弊社の中国営業統括部門が推進するライブコマースの活用を通じ、日本の美しい景勝地、伝統文化、特産品などを紹介することでANAのプレゼンス(認知度・想起度)を高めるとともに、訪日需要喚起、路線販促を行っていきます。
 今年は日中国交正常化50周年にあたり、ANAの中国市場進出35周年でもありますが、コロナ禍の出入国制限や移動の自粛によって、航空業界は大きな影響を受けています。感染症拡大前の水準に回復するには今しばらく時間を要しますが、座して待つだけより、できることから手をつけていき、厳しい現実に果敢に立ち向かうべきだと思います。幸い、2020年春季から運休していたANA大連成田便は、10月26日より週2往復の運航を再開し、世界がコロナ禍を抜けつつある中、改めてANAの大連線においても、旅客輸送と貨物輸送の両面体制を再構築出来つつあると考えています。


安心感のある、快適な空の旅を


 ANAグループで運航するすべての航空機は、病院の手術室でも使われている高性能フィルターを備えており、上空の新鮮な空気を取り込みながら、約3分で機内の空気がすべて入れ替わります。空港やラウンジ、機内などのあらゆる場面において、お客様にご安心頂けるよう清潔で衛生的な環境をご提供することに努めています。我々はすべてのお客様に、旅を通じたあらゆるシーンにおいて、ムラなく一貫性を持った安心で清潔な環境、サービスを提供することをお約束します。
 コロナ前のダイヤでは、成田到着17時15分と遅く、中国籍を中心とした成田から第3国への乗り継ぐお客様からは、「成田空港からアメリカへの接続が不便」、日本人のお客様からは「東京都心に出る時間が遅くなってしまう」といった声を頂いていました。今回の運航再開では、大連発12時45分、成田着16時40分と成田到着時間を早めることでご意見に対する改善を図っています。このように、お客様の声に耳を傾け、今できることを一つ一つ取り組み、人的往来の再開に備えたいと考えています。
 2019年の訪日客数3188万人のうち、中国籍は959万人(シェア30.1%)。これが2021年には訪日客数24万5千人と大きく減少し、中国籍も1万9千人(シェア7.8%)まで減少しました。2019年の水準に戻るまでには、様々な課題はありますが、日本は中国人観光客の渡航希望先ダントツ1位ですので、コロナ収束後には、中国から多くのお客様が日本を訪問し、日本文化と触れ合い、日中間の経済発展と友好促進に繋がるものと期待しています。
 たった2機のヘリコプターから出発した、小さな純民間航空会社。それが、私たちANAの始まりでした。創業以来様々な困難に出会い、数えきれないほどの苦労がありました。それでも、創業時の志を忘れることなく、私たちが今日まで走り続けてこられたのは、何よりも、多くのお客様が応援してくださったからです。だからこそ、感謝の気持ちを忘れることなく、お客様に寄り添うサービスを提供できるように日々邁進してまいります。



社会貢献活動 
8月15日、スタッフと星海海岸にてごみ拾い活動をしました。ご褒美に、この後みんなで飲んだビールが格別でした!



PROFILE
TSUNEKI NAOTAKA

1969年10月東京都生まれ。東海大学法学部卒業後、1992年ANAに入社。伊丹空港→関西空港→福岡空港→名古屋支店(国際営業マネージャー)→中国青島支店(総務・営業マネージャー)→東京支店(販売マネージャー)→福岡支店(販売課長)→佐賀支店(支店長)→岡山支店(支店長)を経て、2022年4月より大連支店(支店長)。


<常木さんをさらに知る>


大連空港所6ヶ月研修時代


1996年12月~1997年6月まで大連空港で六カ月間研修した時の写真です。当時は、昼夜を問わず全力疾走していたことをよく覚えています。やはり大連との縁があるとつくづく思います。


交剣知愛


健康のために十数年ぶりに剣道を再開しました。年代、国籍に関わらず、様々な人と関わり合いながら、一緒に稽古に励むことで理解、尊重し、互いの成長を喜び合うことが剣道の魅力だと思います。


信は縦糸、愛は横糸


1987年4月、ANA中国線定期便初便が大連到着時に岡崎嘉平太氏が熱烈な歓迎を受けた際の写真。「信は縦糸、愛は横糸」と唱え続けた岡崎は、私が尊敬している日本人の一人です。


全日本空輸株式会社 大連支店

大連市西崗区中山路147号申貿大厦1階
℡(0411)8360-6611
https://www.ana.co.jp

全日本空輸株式会社

住所 辽宁省大连市西岗区中山路147号申贸大厦1楼 MAP
電話 0411-8360-6611

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