キーマンインタビュー

大連愛斯克産品様本有限公司
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大連愛斯克産品様本有限公司

総経理 山川一興 氏 2019年8月号

設立20年目の節目の年を迎え
成長と変化の激しい中国で
自信と誇りを持って挑戦を


営業マンの役割を担うサンプルブック


 弊社工場では、商品の現物が貼ってあるカタログ「サンプルブック」を製作しています。サンプルブックとは全国のショールームや建築現場において、カーテンや壁紙などの商品決定に使われる販促物のことです。商談の場において、価格やスペック、組成などの情報と商品の施工例写真とともにサンプル生地が貼ってあり、実際の商品の色や触り心地を把握することができます。「1種類のサンプルブックが年間100億円の売上げを上げる」ともいわれるインテリアメーカーにとって必要不可欠な存在で、サンプルブックの出来がクライアントの売上げに直結することから、営業マンの役割を担っているとも言えます。納期遅れやミスがあり営業マンとしての機能を果たすことができなければ大クレームにつながりますし、内容が良ければお客様の売上げ向上にダイレクトに貢献します。そういう意味では責任は大きいですし、非常にやりがいのある仕事です。
 サンプルブックの製作は収録商品の開発と同時進行で企画がスタートするため、修正変更も少なくありません。カーテンの縫製手配、撮影手配に始まり、紙面デザイン、製版、印刷、生地のカット貼り製本など、長いスパンで多くの人の手を借りて出来上がります。加えて製本冊数は、各種数万冊ロット。そういう意味で社内ではサンプルブックのことを「重戦車」とも呼んでいます。サンプル生地については、1冊あたりに使用する生地が多いものでは千点を超え、各生地毎に材質が異なるために裁断方法、貼り方も千差万別です。全自動、半自動、手加工と加工工程も多種多様です。各生地を貼り付ける台紙の仕様や生地の貼り位置も異なるため、ページによって、高品質、低コスト実現のための最適な加工方法もばらばらです。また商品自体が開発中であるが故、材料の供給もスムーズに進まず、その製作工程は大変複雑です。企画から製本まで1年近いスパンをかけて行うものもあり、すべてがオーダーメード、一般的な販促物やカタログとは一線を画します。
 サンプルブックの製作は、このような責任の大きさと工程の複雑さから心臓外科医に例えられるほどです。私達は、まさにお客様の「命」を預かる仕事を任されているという使命感を持って、日々の業務に取り組んでいます。


客体に価値基準を置く不患人之不己知,患不知人也


 当工場は日本の京都に本社を置く「株式会社さら」の現地法人として1999年に設立、2000年に操業を開始しました。現在は延べ3万3千平方メートルの敷地におよそ450名の従業員を擁し、年間300万冊を越える世界最大のサンプルブック専門工場として、ここ大連で運営を続けています。同社は1986年にサンプルブックの専門会社として創業しました。1998年に委託加工の形で大連に進出した当初、私は短期赴任の予定で大連に滞在しました。当時現地スタッフとコミュニケーションをとる中で、一人ひとりが向上心を持ち、将来のビジョンを熱く語っていることに驚いたものです。そして彼らのパワーと活気に惹かれ、今後も大連で駐在員として働きたいという嘆願書を社長に提出。これを認めていただき、2000年より自社工場設立と同時に着任となりました。以降2004年からは総経理として工場運営全般に携わってきました。
 異なる文化や習慣を持つ中国人の現地スタッフを理解し認め合った上で、教育指導を行い、会社の考え方や方針を理解してもらうことは決して簡単なことではありません。例えば、弊社の企業理念でもある「客体に価値基準を置く」。「客体のために」という思いは自己満足であってはならないのです。ただ、これをそのまま訳して教えても現場には伝わりにくい。時には日本式の考え方を植え付けられているといった受身の姿勢にもつながりかねません。そこで私は、孔子の論語の中の一節「不患人之不己知、患不知人也」(人の己を知らざるを患(うれ)えず、人を知らざるを患うるなり)を引用し、現場に伝えてきました。このような現地の文化に根ざした表現により理解がより一層深まるものと確信しています。一方で「高い志・社会貢献」、「日中友好」、「人材育成」も私達企業の理念です。
 エスコを利用して成長してもらい、各人の発展に寄与したいという思いは、進出当時より変わりません。これからも血の通った付き合いを通じて、スタッフとの信頼関係を築いていきたいと考えています。


中国社会の安定的な発展への貢献


 現在、中国の損害保険市場では熾烈な競争が続いており、大手から中小までを含めて中国国内に88社の損害保険会社があり、このうち外資系保険会社は22社となっています。しかし外資系保険会社が全体の売上に占める割合は全体のわずか1・9%に過ぎず、過去を振り返ってみても、この状況に大きな変化は見られません。熾烈な競争を繰り広げている中国の損害保険市場で生き残っていくために、日系の損害保険会社としての特色を生かして、中国の安定的な発展に貢献することも目標として掲げています。例えば、欠陥住宅を保証する住宅瑕疵保証保険や、労働災害に対する労働災害保険(安全生産責任保険)、医療機関で発生した医療事故を補償する医師賠償責任保険など、損害保険を活用して、中国の社会問題の解決の一助となるよう取り組んでおります。これからの中国の社会発展のためにも損害保険は不可欠だと考えており、ひいては大連地域の将来の発展に貢献できればと思っています。

 これからも大連地域の企業および大連市政府の皆さまなどとの関係を大切にしながら、新たなサービスや有益な保険提案を行うことによって、中国の損害保険市場でシェアを拡大するだけでなく、大連地域の健全な経済社会発展に貢献したいと思います。



「中国のモデルには大連出身者が多い」とはよく耳にする言葉ですが、まさにその通り! スタイル抜群の義妹達と日々仕事に励んでいます。弊社で働くことで、彼女達に成長してもらい、大きな幸福感を感じてもらうことが私の使命です。



大連忘年会の席上にて、師と仰ぐ幅田昌伸董事長(中央)と共に。後方には、飛び入りで駆け付けてくれた本社の各事業部を支えるアラフォーの同士達の姿も。離れてはいるけれど、がっちりスクラムを組んで、日中双方から革命を起こしていきたいと思います。


PROFILE
やまかわ かずおき

1974年兵庫県出身。神戸大学経済学部卒業後、株式会社さら入社。1998年に海外工場立上げプロジェクトに参画し大連へ。2000年自社工場操業に伴い赴任。生産課長、副総経理を経て2004年より総経理。大連在住20年目。趣味はスポーツ観戦全般、特に野球、UFC、ボクシング。


<山川さんをさらに知る>


親子三代で熱烈阪神ファン


「バックスクリーン三連発!」生の甲子園で見たトラキチ親子に、娘が仲間入りしました。阪神が優勝したら、3人で手をつないで道頓堀に飛び込みたいです。虎グッズであふれる、トラキチ3代目の娘の部屋にて。


リトルリーグでの息子の雄姿


闘志あふれるピッチングで大連のリトルリーグチームを引っ張る息子の海斗。闘志を剥き出し過ぎて、「ピッチャーに不向き」と監督から内野手転向の命を受けました。そんな男気溢れる息子が私の自慢の宝物です。


最愛の妻のワンショット


20年前に中国語を教えてくれていた女の子と、まさか20年間人生を共にすることになるとは思いも寄りませんでした。妻の支えと理解があるからこそ、仕事に励むことができています。心の底からありがとう! 我爱你!


大連愛斯克産品様本有限公司(ESCO)
開発区鉄山中路2号
℡(0411)8731-0155

大連愛斯克産品様本有限公司

住所 辽宁省大连市开发区铁山中路2号 MAP
電話 0411-8731-0155

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