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Social Unlimited Limited

キーマンインタビュー

Social Unlimited Limited

Director 柿元理榮さん

日本のホスピタリティで香港との架け橋を目指す

本格ウイスキー・バー「Mizunara: The Library」オーナーの柿元理榮さん。日本と香港を繋ぐ事業を手がける柿元さんにお話を伺った。

「一期一会」の場所に

　2005年にインド人の夫とともに東京から香港へ移住、飲食店経営やお酒の代理販売の事業を始めました。当時、香港ではウイスキーが注目され始めた時期。夫がもともと大のウイスキー好きだったこともあり、何かウイスキー関連で事業を起こせないかと考えていました。少しずつ世界のウイスキーを集めながらも、なかなか具体化できずにいたのですが、夫が別件の出張で出向いた福岡のバーで、現在のチーフ・バーテンダーである遠藤真彦氏に出会ったのです。バーテンダーを探しに行ったわけでもなく、その夜たまたま寄ったバーでの偶然の出会い。まさにご縁だ、と思いました。そこから物件探しを本格化。ようやく現在の場所に理想の空間を見つけました。
　2015年に、日本のウイスキーはじめ世界各地のウイスキーコレクションを持つ「Mizunara: The Library」を湾仔にオープンしました。バーテンダーとして経験の深い遠藤氏が提供するお酒はもちろん、店内空間、サービスともに「日本のオーセンティック・バー」であることを大事にしています。特に心に留めているのは「日本のホスピタリティ」と「一期一会」。お客様が来てくださるその一回一回のおもてなしに誠意を尽くす。たとえ常連のお客様でも、「そのとき」は一度きりです。いつ来ても、ここでの時間をゆっくりと味わっていただけるようなバーでありたいと思っています。

香港で何かがしたい
　
　私にとっては、大学を卒業してすぐに結婚が決まり、そのまま夫とやってきた香港。しばらく会社勤めをしたものの間もなく子供ができ、仕事から離れて出産、育児の日々でした。家庭に入って数年が経ち、下の子が2歳になった頃に、「何かしたい！」という欲求を感じるようになりました。同じ年頃の子供を持つ母親たちのネットワークを立ち上げ、子供服の交換会をしたり、集まった服を夫の故郷であるインドへ寄付する活動もしました。その後、子供がある程度大きくなったタイミングで、夫の事業に本格的に参画。私の出身地である鹿児島県の焼酎の代理販売を始めたのですが、代理販売業も営業職も、経験も知識もないままゼロからのスタートで、初めの頃はお昼どきの忙しい時間にお店に電話をかけてしまい、怒られたりもしていました。そうやって周りの方たちに教えていただきながら、少しずつ仕事を覚えていきました。

ふるさと・鹿児島とのつながりを

　そして一年ほど前から、鹿児島と香港を結ぶリエゾン事業を立ち上げました。10歳と8歳になった子供たちは生まれも育ちも香港ですが、やはり私の故郷である日本や鹿児島のことをもっと知ってもらいたい。そのために香港と鹿児島の間に立って何かできないかと考えました。日本で会社を起こし、鹿児島へ観光に訪れる香港人と、それを受け入れる地元の人々を結びつける、体験型観光の企画や訪日客誘致をしています。今年3月には味噌作り体験を実施。まだまだ始まったばかりの事業ではありますが、現在、これだけの香港の人々に日本、特に鹿児島をはじめ九州には多く訪れてもらっている状況で、もっと地元の人達と触れあい、土地のこと、文化のことを体験できる機会が増えればと思っています。

　「架け橋」というとおこがましいのですが、鹿児島に暮らす人と交流することで、香港の皆さんに鹿児島のことをもっと知ってもらいたい。そしてその交流を通じ、鹿児島の人にも香港に興味を持ち、多くの人に香港へ来てもらいたいなと願っています。

PROFILE

かきもとよしえ

鹿児島県出身。2005年、インド人の夫との結婚を機に香港へ移住。二人の子供の出産・育児を経て、夫の事業に参画し、飲食店経営、酒の卸・販売代理業に携わる。いつかアイリッシュウイスキーの本場、スコットランドのアイラ島に行くのが夢。

Mizunara限定のウイスキーと焼酎

鹿児島での、香港から来た皆さんの味噌作り