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香港貿易発展局
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香港貿易発展局

総裁 方 舜文 氏

中国・アジア市場進出の強力なパートナーとして「香港」と世界をつなぐ


1966年設立の政府系機関である香港貿易発展局(HKTDC)。香港の中小企業をサポートし、新時代の「香港活用」を世界へ提案する同機関の活動について伺った。

1966年、香港の対外貿易促進を目的に設立された香港貿易発展局(HKTDC)。香港の中小企業の事業機会を創出し、海外企業のアジア・中国市場進出に際しての香港活用を推進する。なかでも「長年の密接なパートナー」と位置づける日本との関係や今後の活動について、エグゼクティブ・ダイレクターのマーガレット・フォン氏に話を伺った。

中国・アジア市場へのゲートウェイ

HKTDCのミッションは、中国の新たな経済戦略と東南アジアの急速な成長により世界経済の中心がアジアに移りつつある中で、香港をアジアにおける「グローバルな経済活動のプラットフォーム」として位置づけ、香港の各種サービスを世界へ提供することです。そして新たな海外市場を開拓し、香港の中小企業のグローバルな事業機会を創出する。さらには、それら中小企業の強化。ここでいう「香港の中小企業」とは、ローカル企業に限らず、香港を拠点とする全ての企業を指します。香港経済を支えているのは中小企業であり、彼らの競争力を高めることが長期的な香港の経済発展に繋がると考えます。 

 香港企業と海外企業を繋ぐ機会を提供するため、年間およそ30の大型見本市を含め、300以上の展示会、800以上の商談会を世界各地で開催しています。B to Bのマッチングが主な目的ではありますが、多くの見本市では、同時に消費者の反応を得られる機会を設けています。一般参加型フェアとしても非常に人気が高いブックフェアやフード・エキスポをはじめ、ワイン&スピリッツフェアやファッションを扱うセンター・ステージなど、特にライフスタイル商品に関しては、一般向けゾーンや一般公開日を設けることで、出展事業者が消費者に直接リーチできる仕組みを作っています。ここで消費者の反応を試し、その嗜好や要望を反映させた商品を開発して次年度に戻ってくるというサイクルも生まれており、見本市がテストマーケットとしての機能も果たしています。

日本とのパートナーシップ強化
 
 2012年、HKTDCは「"think GLOBAL, think HONG KONG" 国際化へのパートナー:香港」と題する大型プロモーションを東京と大阪で開催しました。東日本大震災後、長年密接な関係にある日本に対し、もっとできることはないかと考えました。このシンポジウムでは、海外進出、特に中国本土を目指す日本企業から大きな反響があり、中国市場をよく知るパートナーが必要とされている実感を得ました。同年、HKTDCは農林水産省および日本貿易振興機構(JETRO)と、貿易・ビジネス分野での協力関係強化に関する覚書を締結。以来、KHTDC主催のイベントへの日本からの参加数は年々増加を続け、特に香港が輸出先第一位となっている食品や真珠、宝石関連のフェアでは、日本パビリオンの出展に毎年最大規模のゾーンを提供しています。
 昨年には農水省との覚書を更新、また2013年の和歌山県を手始めに各都道府県、都市との個別覚書も多く締結しています。いずれも各地域の特産品に特化したプロモーションを見据えており、2012年以降、日本企業や自治体が「香港と組んで何ができるのか?」という意識を強く持ち、香港との連携に意欲的になってきていると感じます。

新時代の関係構築を目指して
 
 今年11月に再び、日本で第2回目となる「"think GLOBAL, think HONG KONG" 国際化へのパートナー:香港」シンポジウムを開催します。メインシンポジウムに加え、香港からは100人以上の視察団を派遣し、投資、リーガルサービス、ASEAN市場開拓など、様々な業界の分科会も行われます。今回新たに加わる注目の分野は「イノベーション」と「テクノロジー」。香港で進むスマートシティ構想も紹介します。また、メインシンポジウムでは、初訪日となるキャリー・ラム香港特別行政区行政長官が登壇。農水省、JETROなど連携機関の代表にも参席いただく予定のハイレベル・ガラディナーでは、食事を楽しむだけでなく、香港の文化を感じられる特別な仕掛けを準備しているところです。シンポジウム自体は東京での開催ですが、関連する様々なイベントが日本各地で行われます。

 これまでも香港は、金融センター、物流ハブ、またビジネスサービスの提供拠点として存在感を発揮してきましたが、今後はバイオテクノロジー、デザイン・クリエイティブ産業などの分野で日本とも連携を強めていきたいと考えています。人工知能、ロボティクス、スマートシティなどのテクノロジー分野は、日本でも2020年の東京五輪を見据えた開発が進んでいることを視察しています。デザイン・クリエイティブ分野においては、中国・アジアの文化的な面をよく知る香港企業と、優れた技術と革新的なコンテンツを持つ日本企業が連携しての中国・アジア市場進出を期待しています。日本企業と香港企業が一対一の関係で完結するのではなく、企業同士が組み、アジアへ、世界へ向かって事業展開を目指していけるパートナーシップの構築をサポートしていければと考えています。


 今年8月のFood Expoで行われた日本ガラ・ディナーにて、左からベンジャミン・チャウHKTDC上席副総裁、林芳正文科大臣、マーガレット・フォン総裁、齋藤健農水大臣、松田邦紀在香港日本国総領事館大使。 

PROFILE

マーガレット・フォン

香港大学卒業後、香港政府で様々なポストを歴任。1997年から99年まで香港経済貿易代表部(ワシントン)の次席代表、99年から2004年まで副運輸局局長、04年から06年まで香港経済貿易代表部の主席代表、06年から08年まで駐米香港経済貿易委員。旅遊事務署代表を経て、2010年にHKTDCに参画、14年より総裁。

<マーガレットさんを知るキーワード>

大のお気に入り「寿し芳」

2014年に初めて大阪の「寿し芳」を訪れて以来、大好きな寿司屋のひとつです。職人の中ノ上公起さんはウィットに富み、イノベーティブなマインドの持ち主。美味しいお寿司を味わえるだけでなく、店で過ごす時間そのものが、最高に楽しい、極上の時間です。

香港ならではの「祭り」体験

フェスティバルの雰囲気が大好きです。中華の伝統的な祭りからクリスマスやイースター、さらに「Le French May」や「日本秋祭り」まで、世界各国の文化に触れられるお祭りがある香港。食や文化の体験が、その土地を訪れるきっかけにもなりますね。

貴重な休暇の過ごし方

ほっと休みたい週末には読書。学生時代からジェイン・オースティンが愛読書です。長期休暇には海外へ! ヨーロッパで美術館巡りをしたり、日本の寺院で静けさを感じたり。冬の温泉に浸かって雪見をしながらウニを味わった時には、極楽を感じました。






香港貿易発展局

住所 39/F, Office Tower, Convention Plaza, 1 Harbour Rd, Wan Chai, HK MAP
電話 2584-4388

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