中国で成功する人事!
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中国で成功する人事!
駐在期間中にできることは何なのか?
中国への赴任後、解決しにくい問題に直面してお困りのことはありませんか?
今回はそのような場合にできることは何なのかを考えてみたいと思います。
1、役割と責任の再確認と異文化への認識:
駐在する方は未経験分野(部門)の管理を任されることがよくありますが、この理由の一つとして、欧米企業が一般的にスペシャリスト指向であることに対し、日系企業がゼネラリスト指向であるため、駐在期間中にいろいろ経験してもらうこと自体が目的である場合があります。
このため日本では営業一筋、生産一筋で来られた方が、海外駐在をしてすぐに人事労務も任されるケースは珍しくありません。この場合、自分の役割と責任の認識が比較的難しく、またその方面での問題への対処にご苦労されることが多いようです。
そのほか言葉や文化の壁も無視できません。中国人社員とのコミュニケーションは中国語を使って意思疎通できたとしても、自分の部下が「なんでこうなるのか?」と思うような行動をとることは日常茶飯事ではないでしょうか。これは異文化で遭遇する代表的な悩みと言えます。
2、駐在期間中にできる2つのこと:
上記のような状況に対しては、駐在期間中にできる2つのことがあるように思います。
一つ目は、問題を俯瞰することです。つまり目の前の現象に不安や疑問を抱いた時に、その現象や問題に直接対処する前に、一度俯瞰してみて何故それが起こっているのかその背景をじっくり考えてみることです。
例えば、社員の素行に問題がある場合、一人の社員の人間性を考える前に、それを許している会社の社内規程にも問題はないでしょうか。また、報告がうまく行われないため社内で報連相研修を企画する前に、そもそも中国人社員が日系企業で働くこと自体が異文化体験であることを考えて、研修体系を懐が広く計画性のあるものにしているでしょうか。社員を雇用する際に、応募者の希望給与が高くて自社の現状に合わないため賃金テーブルのみを見直す前に、会社のミッションや求める人物像の言語化、評価基準の再検討と処遇との関連を含めた人事制度全体の再構築の必要はないでしょうか。
このように考えることによって、目の前の問題をより根本的に解決できる可能性が高まってきます。またそれを考える過程で上司や経験者に相談すれば、それまで一人で悩んでいた状態が会社として取り組むべき課題であることに気づくかも知れません。
二つ目は、駐在期間の自身の役割とそれを実現する目標期間を自分で決めることです。仮に会社から与えられたものがないとすれば、自分からそれを決めることで日々の問題への対処にも以前より張り合いがでて、その積み重ねによって、気が付くと社内で「中国の専門家」と言われる存在になれる可能性もあります。実はそのプロセスと熱意が会社や社員にとっても意味のあることだと信じています。