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電子システムによる勤怠管理と 労務リスクについて

今回のコラムでは、電子システムによる
勤怠管理と労務上のリスクおよびその対応策についてお伝えします。


勤怠管理業務の効率化など多くのメリットがあることから、現在、多くの企業が指紋認証やICカードなど、電子システムによる勤怠管理を行っています。これらの電子システムによる出退勤データは、労働仲裁になった場合、どれだけ証拠能力を有するものなのでしょうか。今回のコラムでは、この電子システムによる勤怠管理と労務上のリスクおよびその対応策についてお伝えします。


怠管理は、賃金・休暇など従業員の利益に密接に関連する事項であるだけに、管理する側にとっては、勤怠の事実にかかわる証拠の確保が重要となる点は多言を要しないと思います。


中国の《民事訴訟法》第63条の規定によれば、いわゆる「証拠」と呼ばれるものには、当事者の陳述、書証、物証、視聴覚資料、電子データ、証人による証言、鑑定意見および検証記録が含まれるとされています。ここでは「電子データ」が「証拠」の一種として挙げられていますが、司法実務において、会社が従業員の勤怠状況(例えば、遅刻、早退、欠勤、残業など)を電子データのみを用いて立証しようとする場合、会社に対して高い立証能力と証拠力が求められます。一般的には、「会社が使用している電子勤怠管理機器のデータがいかなる人によっても修正、改竄できない」といった司法鑑定機関による鑑定結果や勤怠管理機器からの勤怠データの抽出状況に対する勤怠機器メーカーや公証機関による現場公証などが必要となります。


つまり、会社側としては、そのデータが後から改竄されていないこと、あるいは改竄自体がシステム上不可能であること、などを立証する必要があり、その立証というのは、実際には大変難しいのが実情と言えます。したがって、タイムカードや指紋認証などによる電子勤怠記録のデータのみでは、労働仲裁や裁判に発展した場合、無効とされる可能性が高いのです。提出した電子勤怠データが無効とみなされる法的リスクを事前に回避するためには、それを補完できる何らかの証拠を残しておく必要があります。具体的には、


1. 定期的に社員から、プリントアウトした勤怠記録表にサインをもらっておく


2. 勤怠記録をイントラネットなどで定期的に公示し、期限を設けた上で、異議がある場合は期限内に申告するよう通知しておく


などの対応を日常の管理の中で行っておくことが望ましいと考えられます。
なお、企業に労働監査が入る場合、監査対象になるのは、通常、過去2年分の状況であり、さらに労働争議発生の可能性も想定するのであれば、企業は少なくとも2年以上は、従業員の勤怠記録(電子データおよび上述したその他の傍証材料)を保管しておく必要があると言えます。


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