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税務システム「金税四期」の本格運営開始
報道によると、税務システム「金税四期」の運営が2021年8月17日から本格的に運営が開始されています。「金税四期」は現行の税務システム「金税三期」のアップグレード版であり、
ビッグデータ、AIを駆使し、税務の監督管理を強化するものとなっています。
増値税
1) 売上増値税
・販売収入が全額、適時帳簿に記帳されているか。
・見做し売上の行為(取引が)が発生しているか。発生している場合は、売上増値税が計算されているか。
・規定通り紅字(発票の取消し)発票を発行し、売上の取消しが行われているか。
・分公司(支店)への物品を移送する際に売上を計上しているか。
・税率の異なる取引を行う場合、規定に基づき税率を選定し、納税を行っているか。
・増値税の納税義務の確定日は正確か。(先に発票を発行する場合、発行日となる)
2) 仕入増値税
・仕入増値税を控除する増値税専用発票は合法なものを使用しているか。
・輸入に対する増値税専用納税書は合法なものを使用しているか。
・返却、値引き部分の仕入増値税の転出(仕入増値税を控除しない)を行っているか。
・原材料、仕掛品、完成品の非正常損失に関わる仕入増値税の転出を正確に行っているか。
・福利厚生等の目的で、自社で消費した商品、サービスなどの仕入増値税の転出を行っているか。
企業所得税
1) 課税所得
・各種の収入を発生主義に基づき計上しているか。
・その他未払金、繰延収益、未払費用の科目を使用し、収入を繰延していないか。
・見做し販売の収入を計上しているか。
・政府の補助金等を課税所得として計上しているか。
2) 原価(費用)項目
・発票の外部購入、人件費の架空計上等を行っていないか。
・税法の規定に基づき発票及び証憑の使用を行っているか。
・資本化(固定資産、無形資産)すべきものを一括で費用計上していないか。
・給与、報酬の支出は申告年度内(翌年度の5月31日まで)に実際に支払われているか。
・計上された福利費、工会経費、従業員教育支出、接待費、広告費等の費用が税法で定められた上限を超えていないか。
・社会保険料、住宅積立金が税法で定められて上限を超えていないか。
・原価計算方法を恣意的に変更し、利益を調整していないか。
・減価償却期間が税法で定められた期間を下回っていないか。
・恣意的に研究開発費を過大計上していないか。
・貸倒引当損失等の納税調整を実施しているか。
・コミッション支出等は税法の規定の上限を超えていないか。
・子会社から親会社へ管理費用を支払っていないか。
印紙税
・規定の税率に基づき印紙税が計算されているか。
・増資の都度、印紙税を納付しているか。
・印紙税が規定の期間内に申告、納付されているか。
今後はAI、ビッグデータが駆使され、個別の税目への関連付けが実施され、税務上問題がありそうな会社の選定が行われ、税務調が実施されると予想されます。
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