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大連正興電気制御有限公司

キーマンインタビュー

大連正興電気制御有限公司

副董事長総経理後藤秀博氏 2021年11月号

社会のニーズを的確に捉え
情報と制御の独創技術で
安全で快適な社会を実現

24時間工場の安全を守る

　弊社は1993年に福岡大連未来委員会の橋渡しでＦＳ（フィージビリティ・スタディ）を行い、1995年に会社を設立しました。主に工場やビルなどで使用する電気を電力会社から受電し、場内や各部屋に配電するための配電盤を製造・販売しています。また、これらの電気の流れや使用状況、漏電等の有無を監視するための監視制御装置なども製造・販売しています。2015年より、新たな事業として中国国内の日系企業を中心に電気設備の安全点検サービスを実施しています。また、今年から新たに24時間遠隔監視サービスを始めました。これは弊社の工場内に24時間遠隔監視センターを設置し、インターネット経由でお客様の電気設備の利用状況、事故発生の有無を24時間監視しています。
　中国消防救援局の統計データによれば、2020年中国の年間火災発生件数25.2万件のうち、33.6%の8.5万件が電気火災で、火災要因のトップとなっており、我々はこの電気火災を防止する為、運転中の電気設備をサーモカメラや高調波測定器などを使用し、異常な加熱箇所などがないか、安全点検を実施しています。電気設備を止めずに非接触で診断可能というメリットがあるので工場の生産に影響を与えることはありません。このサービスは基本無料で実施し、後日写真付きで詳細の報告書を提出し、修繕工事や盤のリプレースなどの仕事を頂いています。未然に電気火災を防いだことも実際にあり、ぜひ１度日系企業で工場をお持ちの会社は点検～報告、見積検討まで無料ですので、お気軽にお声がけ頂ければと思います。
　24時間遠隔監視サービスには毎日の通常点検（毎日サービス員を派遣）、年１回の詳細安全点検も含まれており、もしお客様の電気設備で不具合などあれば、24時間サービス員を派遣し、対応するという安全と安心をお届けするサービスです。電気のプロでなければ発見できない問題も多々あり、ご興味があればいつでも詳細説明に伺いますので、こちらもお気軽にお声がけ頂ければ幸いです。

現地に根付いた事業活動を展開

　私は2012年に大連に赴任し、今年で丸９年になります。他社の方からすれば非常に長いと思われがちですが、私の前任者は13年間大連工場に勤務し、定年退職まで大連での勤務を全うされました。現地に根付いた営業活動が大切であるという考えから、営業および総経理は勤務期間が非常に長くなっています。弊社には日本から技術者も派遣されており、技術関係者は比較的５年程度で交代しています。
　私は営業をメインとして２０１２年に大連に赴任し、主に日系企業関係の営業を担当してきました。最初の頃は、日本との勝手の違いなどで相当戸惑いましたが、海外赴任という共通点で、普通日本ではお付き合いすることが難しい大手企業の方々とも知り合いになることが出来、営業的には日本よりかなり有利だと感じています。２０１５年に総経理になり、今年で６年目になります。電気という事業のベースを通じて、これからも現地日系企業の皆様のお力になれるよう、努力して参りたいと思います。
　今、弊社にとって一番の課題は、製造販売している配電盤は、工場やビルの新設工事や工場移転などで新たな設備が必要な場合にしかニーズが発生しないことと、中国配電盤メーカーもたくさんあり、価格競争が非常に激しいことです。価格だけではどうしても中国系メーカーに負けてしまいますので、弊社は安全設計と機能性などでアピールしています。それより一番大切なのは、お客様にリーチが届いているかどうかです。電気設備の安全点検は、そういった意味でもエンドユーザーのお客様に弊社を知って頂くチャンスの場だと思っています。　

社業の発展を通じて社会に貢献し最良の製品・サービスを提供する

　１９９３年福岡大連未来委員会は、当時著しい経済発展を続ける大連市を視察に来た福岡県、福岡市の関係者らが、消防車が不足しているという話を聞き、福岡にあった払下げの消防車を綺麗に整備、塗装し大連市にプレゼントしました。その当時の大連市長から「福岡と大連で未来に向けた交流組織を作ろう」という提案を頂き、福岡大連未来委員会が発足しました。正興電機グループは、設立当初から今でも、この交流組織の事務局を運営しています。主な活動は、2005年から16年間続けて来た「アジア太平洋こども会議・イン福岡」で、アジア太平洋地域のこども達を福岡に招待し、福岡の一般家庭にホームステイさせるというプログラムです。未来委員会は、大連のこども達の参加をサポートしています。昨年度から、コロナウィルス拡大により、長年続けてきたこども大使の派遣が出来ない状態が続いています。こども達の交流再開の為にも、コロナウィルスが一刻も早く終息するよう望み続けています。
　弊社の当初の進出目的は、中国の電力関係市場に対し、日本で培った技術を用いて
中国の経済発展のほんの１部分にでも寄与することが目的でした。以前の中国は世界の工場と呼ばれ、生産の拠点として安価な製造コストでモノづくりをすることが主流でしたが、今では世界の市場と呼ばれるように、中国の経済発展は留まることなく伸び続け、中国は世界最大のマーケットとなってきました。
　中国はこれから脱炭素社会に取り組みます。弊社は日本において、再生可能エネルギー＋エネルギーの見える化＋省エネに取り組み、CO2 排出削減にシステムで寄与してきました。これらの技術を活かし、中国でも太陽光発電を初め、エネルギーの見える化、省エネサービスを展開して参ります。中国はCO2の排出量が世界全体の３０％を占める、最大の排出国です。CO2の排出削減は既に世界的な目標であり、課題です。我々は再生可能エネルギー分野で、脱炭素社会の実現に向けて、新たな挑戦を続けて参ります。