キーマンインタビュー
- ビジネス記事
- キーマンインタビュー
必熹企業管理諮詢(上海)有限公司
副総経理・高級顧問 熊野 浩志 氏
人が変われば、未来が変わる!
世界のサービス業に貢献
日本初のサービス業に特化した定額制研修「グローイング・アカデミー」をはじめ、教育・研修サービスを通じて、サービス業の発展に貢献する株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンの中国法人「必熹企業管理諮詢(上海)有限公司」。日本では全拠点の立ち上げに関わり、上海の基盤作りを任された熊野氏に話を伺った。
「Change People,Change Future(人が変われば、未来が変わる)」を経営理念に掲げる弊社は、コンサルティング会社BCホールディングスグループの傘下企業として、2012年に創業しました。東京、大阪、福岡、名古屋、札幌でサービス業に特化した定額制の教育事業(学校)である「グローイングアカデミー」を開校し、おかげさまで日本国内では3,500社の企業様にご利用頂いております。現在は業種を問わず、社内教育制度の構築、新入社員研修、従業員満足度の調査、評価制度の構築など、企業様の人財領域に関わる課題解決の力になれるサービスを拡充、提供しております。
現在は国内6社、海外3社のグループ企業があり、2015年のタイに始まり、上海へ進出したのは2020年のことです。これまで中国市場へはアプローチをしていませんでしたが、2018年頃から現地のエージェントから日本と同様の研修や店長向けの教育研修を中国で実施してほしいというオファーが相次ぐようになり、中国系企業様へのセミナーや研修の依頼が増え始めました。なかには団体で日本を訪れて研修を受けさせて欲しいなどのリクエストもありました。弊社代表の有本均が、北京や上海などに招かれることが多くなったことをきっかけに中国進出を本格的に検討することになりました。市場リサーチで急激な経済発展を遂げたことで所得水準が向上していること、小売・サービス業においては消費者ニーズの高度化・多様化が進んでいること、その発展に伴い人材の育成などのサービス業の面において注力する企業様が増加傾向にあることが分かりました。我々が勝負するに相応しい市場が、日本のすぐ近くに広がっていたのです。新型コロナウイルスの影響で、中国への進出が1年遅れてしまいましたが、昨年登記も無事完了し、スタートを切ることができました。
各企業のために研修をカスタマイズ
社してから日本の全拠点の立ち上げに関わり、2020年11月に上海拠点の副総経理として着任しました。未開拓の地ですから、まずは弊社の商品やサービスを多くの方に知って頂くために、日系企業様へは業種を問わず、中国系企業様へはサービス業企業様を中心に足を運ばせて頂いています。また、先述した「グローイングアカデミー」は120講座ほどありますが、それをそのままスライドして提供するだけではなく、中国マーケットに合うようにアレンジや手直しを施し、中国向けのオリジナル講座を提供しています。中国のオンラインやAIの技術は日本よりも長けているうえに安価なので、こういったものと上手く融合できないか現在模索中です。そのほかブランディングやマネジメント、日本側に協力を得ながら現地の営業マンの育成や現地の講師の育成など、今はとにかく基盤作りに注力しています。
多くの企業様が感じられておられると思いますが、中国は多くのチャンスが散らばっているマーケットで、尚且つ成長スピードも凄まじいです。またコロナの影響もあり多くの日系企業様は、駐在員の減少により現地化を加速させ、特に現地社員の管理職育成は急務となっていると感じます。
中国社会では従業員の成長意欲や自己評価は想像以上に高く、承認欲求も強い印象で、率先してワークショップやセミナーに参加し、積極的に発言するので日本よりも研修は盛り上がります。その一方、自己評価は高いものの実力が劣る従業員も多いと感じます。また自分が評価されないことに不満を持ち、仕事への意欲が薄れ、離職するというケースも少なくありません。実はこういったケースでは明確に評価する人材定義を定めていない企業にも要因があるのです。
近年の経済発展で、教育研修や人材定義の重要性も認識されるようになり、我々と同様のビジネスをするローカル企業も数多にあります。差別化の手段として、弊社では丁寧にヒアリングを行い、企業ごとに研修の内容をカスタマイズし、自社の講師による研修を提供しています。
たとえば、マネージャー層を対象に教育する場合、まずマネージャー層に何を求めているのかを総経理の方へヒアリングを行います。1回は約3時間で、それを2~3回繰り返し、総経理が考える人材定義を、我々が明文化して集約します。この集約した内容と現在のマネージャーの仕事ぶりを比較して、補うべき部分を抽出し、それを研修に結びつけていきます。事前に研修内容はしっかりと擦り合わせを行い、研修の目的と参加後の行動変容を明確にします。外部の講師を雇わずに自社の講師を揃えているのは、企業ごとにカスタマイズした研修をきちんと理解したうえで、研修を進める必要があるからです。1から作り上げるので通常の3倍の時間を要しますが、その分目に見える効果が得られると、お客様に大変ご好評頂いております。
人のために、未来のために
グループ全体の経営理念である「All are possibility(すべては可能性)」は、グループ会社それぞれは、社会から・関わる企業から・従業員から可能性を感じてもらえる企業であるのか、我々従業員も同様に、お客様から・一緒に働くメンバーから可能性を感じてもらえているのかということがとても重要で、それこそが企業の原点でもあり個人の原点でもあるのだと感じます。弊社に可能性を感じてもらえたら何か依頼や相談が来るかもしれませんし、私に可能性を感じてもらえたらビジネスをはじめ色々なお話が舞い込むかもしれません。今後はこれまで通りの地道な営業を続ける傍ら、異業種業界とのコラボや、セミナーの共同開催などを定期的に行えたらと思っています。これからも働く人々の成長を通じてお客様の売上・利益拡大に貢献し、関わる企業様の未来を変えていきたいです。PROFILE
プロフィール
Koji Kumano
1965年生まれ、山口県下関市出身。東海大学広報学科卒業後、新卒でテック電子(現東芝テック)に入社。営業職を経験したのち、人材系会社3社を経て2012年にBCホールディングスに入社。日本国内の拠点立ち上げに従事。2020年11月に来海し、副総経理・高級顧問に就任。現在に至る。
2017年よりダイビングにはまり年間10回程度沖縄の海を中心に潜っていました。
実は料理ができます
食べ歩きが大好きです
合わせてチェックしたい!
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- Fine Vintage(Far East) Ltd.
- Director Hiromi Paine さん
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- 東瀛遊 EGL Tours
- 主席兼執行董事 袁 文英氏
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- K & C Creation Ltd. (亞洲創造有限公司)
- Director 河野 正さん
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- 一田有限公司
- CEO 黃 思麗氏
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- コラムニスト
- 林 慧美さん
-
ビジネス記事キーマンインタビュー
- AAJ Hong Kong Limited
- 代表 Jolanda Chowさん