キーマンインタビュー

一田有限公司
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

一田有限公司

  • エリア:その他

CEO 黃 思麗氏

単なる商品の販売でなく常に斬新なアイデアでユニークな売場を創造


2008年に日本商品を中心に扱うデパートを始めた一田有限公司。CEOの黄思麗氏に、立上げから今までの道のりと、今後の展望などを伺った。

日系デパートの撤退を機に設立

 私たちの事業は、香港を撤退した「SEYIU」を引き継ぐ形で始まりました。1990年に進出していた大手日系デパートが、2005年に撤退。香港の不動産会社、「新鴻基地産」が買収しました。2008年、名称を「SEYIU」から「YATA」に改称し、沙田店を第一号店として新たな一歩を踏み出しました。日本語の「やったー」という言葉が由来で、商号は「YATA(一田)」としました。「モダンな日本の四季や生活を提供する売場」をコンセプトに、20代中盤から40代中盤の富裕層を中心に提供できるサービス、店づくりに努めています。取り扱う商品の6割から7割は日本から輸入したものです。

 2008年から新店舗を増やし、現在11店舗にまで拡大しました。11店舗のうち3店舗がデパート機能も備えている総合的な店舗、残る8店舗がスーパーマーケットです。
 
催事で日本の魅力を伝える

 YATAでは、各店舗ごとに催事イベントを定期開催しています。例えば、將軍澳店では、2017年夏に熊本県庁と一緒に「一田x熊本の夏祭り」を実施。熊本県産の食品や物産品の販売、くまモンをゲストに呼ぶなどのイベントを行いました。また、2018年1月には、11店舗目となった葵芳駅直結のショッピングモール「メトロプラザ」への出店オープン記念として京都府庁とタッグを組み、「一田x京都の祭り」を実施しました。ショッピングモールの中に京小町をイメージした街並みを再現し、京都の人気スポットの紹介や、物産品の販売、さらにはお茶の体験イベントなど参加型のワークショップも行いました。日本自治体とのコラボレーション以外に、テーマ別のフェアも開催しています。例えば、屯門店では、日本各地から取り寄せた「桃フェア」や、2017年12月には、1カ月間かけてプロモーションを行い、日本各地のブランドいちごの食べ比べを楽しめる「いちごフェア」。いちごを使ったケーキや菓子なども販売して香港の人に日本食品の魅力を発信しました。

 我々は、日本の新しい商品を紹介しながら、日本商品、そして日本の良さを香港人に伝えることを目的に活動を行っています。例えば、カスタマーが「梅酒を作りたい」と思ったときに梅酒が造れるよう、売場には梅酒用の樽や、砂糖、レシピを用意。香港でも美味しい梅酒を作ることができます。単なる商品の販売だけでなく、実際に体験ができる機会を作ることによって、香港人に日本の文化を知ってもらい、日本に対する興味をさらに深めてもらいたいのです。

 日本のこと、お酒のことをもっと香港人に知ってもらうことを目的に、2017年7月將軍澳店の中に酒バーをオープンしました。近年、香港人でもお酒を飲む人が増えてきたため、以前よりも売上げは増加してきましたが、まだまだ伸びる要素があります。このバーでは日本各地のお酒をグラス単位で楽しむことができるシステムです。グラスごとに試すことができるため、好みの酒を見つけることができます。結果、酒類の販売増加にも繋がることを見越しての先行投資です。長期戦略として進めています。

 新しいもの、今までやったことがないことにチャレンジしたいといつも考えています。2017年2月には、サンリオとコラボレーションを行い、世界初となる「ハローキティ」がテーマのスーパーマーケットを西環店で3カ月限定で行いました。ハローキティーは世界中の人に愛されるキャラクターということが決め手でした。単に店の内装だけでなく、ユニフォーム、買い物かご、ショッピングカート、買い物袋など、細部にまでこだわりました。また、ハローキティ商品を約300種類販売しました。

常に新しいことを展開する

 常に新しいことをしたいと考え、いつもチャレンジしていきたいです。カスタマーのために単なる品物が並んでいるだけでなく、いろいろ面白い体験、新しい発見ができる場を作れるように、毎回違う発想でコンセプトを作っています。香港の人は常に新しいものを好むため、流行も短いので、常に新しいもの、新しいことを目指しています。

 今年の11月には、20年経つ沙田店をリニューアルオープンし、2~3階からグランドフロアへ移転予定です。コンセプトも一新します。スーパーの面積を広げ、商品数・カテゴリも増やします。体験できる場を作り、良ければ購入して家でまた体験するといったことができる店舗設計を考えています。来年には、香港島に2号店を新たにオープンする予定です。いろいろな日本の自治体とも組んでフェアやお祭りをおこないプロモーションを考えています。全農のサポートのもとでお米フェアの実施、JETROとも組んで、商品開発も進めています。毎年毎年違うところと組み、常に新しいイベントをこれからもやっていきたいと考えます。



CEOという立場ではありますが、私も消費者としてYATAへ買い物に行きます。スーパーで実際に買い物をしながら、お店のサービスを確認したり、どうすればお客様に喜んでいただけるのかを日々考えています。


PROFILE

スザンナ ワン

香港中文大学で国際経営学の学士号を取得。HEC Parisで修士課程、およびINSEADでMBAプログラム課程を修了。食品関連のマーケティング業務、その他マネジメント職を経て、2014年、不動産会社の「新鴻基地產」に入社。2016年11月、YATAのCEOに就任。

<黃さんを知るキーワード>
大切なメンバー

YATAでは時期ごとにセールを開催しますが、その時には私も店舗へ赴き、同じユニフォームを着て棚卸し業務やレジ周りのサポートをしています。セールは大混雑してとても忙しいのですが、開店を迎える前の元気一杯のスタッフ全員との記念写真です。

自治体とのコラボレーション

2017年夏に熊本県庁とコラボレーションをしたときの写真です。YATAでも多くの商品を取扱いさせていただいている熊本県知事の蒲島郁夫氏と、香港でも大人気の熊本キャラクター「くまもん」との3ショットです。

現地の生産者の顔を知る

YATAで扱う商品の生産者・取引先へ会いに、よく日本各地を訪れます。農家や工場を視察し、商品の品質を確かめることはもちろん、実際に商品を生産されている農家の方や生産者さんと実際に会ってお話をし、交流するのも大切な目的のひとつです。




一田有限公司

住所 901, Grand Central Plaza, 138 Shatin Rural Committee Rd, Shatin, N.T. MAP
電話 852-2634-0018

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント