キーマンインタビュー

安田物流(上海)有限公司
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安田物流(上海)有限公司

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董事・総経理/青浦物流センター所長 内田 忍 氏

自社倉庫と現場力で
中国へ展開する企業を
物流の枠を超えてサポート

安田倉庫株式会社が産声を上げたのは大正時代のこと。それから約100年、日本から海を越え、現在ではグループネットワークに加えて16カ国、88都市に代理店ネットワークを展開。ここ中国では自社倉庫を竣工してお客様のあらゆる荷物を大切に預かる「安田物流(上海)有限公司」の董事・総経理及び青浦物流センター所長である内田氏に話を伺った。



100年以上の歴史をもつ

前身である興亜起業株式会社が設立されたのは1919年12月のこと。それから1942年に社名を「安田倉庫株式会社」へと変更し、1996年に初の海外拠点として上海に駐在事務所を設けました。その後、2002年に北京、2005年に香港、2007年にハノイ、2012年にジャカルタと、着実に主要都市へと拠点を設け、現在では4カ所に海外法人、5カ所の海外法人分公司及び支店などがあります。また、このグループネットワークに加えて16カ国、88都市に代理店ネットワークを展開しています。
 上海に駐在事務所を設けた当時は主に国際輸送業務を行っていましたが、中国は大きな可能性を持つ市場であることから現地法人化し2007年に安田倉庫の海外フォワーディング業務を取り扱う「安田中倉国際貨運代理(上海)有限公司」を設立。私が董事・総経理を務める「安田物流(上海)有限公司」は安田倉庫初の倉庫業務の海外現地法人として2015年に自社倉庫を設けるタイミングで法人化しました。現在はこの2社を中心にここ中国で広く展開をしております。青浦区に構える自社物流拠点の運営を中心に、中国国内市場向けに展開される日系企業皆さまのtoCビジネス、toBビジネスのお手伝いをさせていただております。また、この2社に加えて東アジアの現地法人も連携し、アジアパシフィック(APAC)全体でお客様のサプライチェーンを支えております。
 この地でビジネスをされている方々もご周知の通り、中国市場は経済面において切っても切れない関係にあります。弊社としては、中国市場は日本との地続き且つボーダーレスな市場であると捉え、中国国内、日本国内の需要と供給の双方をシームレスに繋ぎ、お客様ならびに弊社グループのマーケットをこれまで以上に拡大できる素地があると考えております。


全方位型に展開、あらゆる荷物に対応

初期費用を抑えたり、日本とは違う土地事情などの側面から、倉庫をリースして利用する物流会社は多いです。ただ、弊社はこの市場に大きな可能性と今後の事業拡大を図るべく、2015年に大手陸運企業の配送センターも多数集積する青浦区の土地の仕入れを行いました。2017年2月に定温倉庫付きの第1期倉庫、2018年7月に第2期倉庫、合わせて約30,000㎡の倉庫を竣工し、自社の物流センターを設立。国内でも珍しい自前の倉庫は皆様に物流を安定供給できるストロングポイントの1つでもあります。
 我々安田物流は、危険物を除くあらゆるお荷物をお預かりします。EC物流はもちろん、精密機器、大型産業機器、原材料、高級アパレル、高級食品、医療機器、家電製品、日用品など幅広くお取引させていただいております。倉庫へ運ぶための運搬車の手配や梱包などの作業も一貫して弊社で行います。
 きめ細かな在庫管理から、検品、ラベル貼り、セット組み、ギフト用の梱包などの流通加工作業も得意とします。そのための社員トレーニング・研修にも力を入れ、日々研鑽しております。
 先述した中国国内市場での展開はもちろん、バイヤーズコンソリデーションのように日本への輸送もグループ企業である安田中倉国際貨運代理と連携し日中間の一貫輸送も行っております。


人事制度の見直しで更なる一体感

実は中国事業を開始した直後、日本人駐在員は幹部、中国人スタッフは一般事務担当及び現場担当という組織でした。そのため、与えられた仕事はしっかり行うものの「自分の仕事はここまで」という線引きが強く、「それは私の仕事ではない」や「何か策を考えたり、指示をしたりするのは日本人駐在員の仕事」といった考えた方でした。こうした仕事の線引きはその後の発展の妨げとなります。組織としていい仕事をするためには一緒に仕事をする人の存在は欠かせません。その一緒に仕事をする人は仕事上のパートナーであり、そのパートナーが複数名集まればそれはチームとなります。当事者意識やチームとしての意識がやや欠落していたことを反省し、「我々はチーム」という意識を持ってもらえるよう、日々の朝礼時や社内勉強会を通じて話していきました。また、2018年には人事制度も見直しを行い、役職ごとに何を会社は求めるかをより明確にし、半期ごとに全員に目標を設定してその達成度や取り組みの姿勢で評価。この目標には個人の目標だけでなく、課としての目標、そして課を跨いだ全社としての目標も盛り込むようにしました。徐々に意識の変化が現れ、自分の成長だけではなく、課の仲間のこと、そして会社全体のことを意識しながら日々業務にあたってくれるようになりました。現在では中国人幹部及び幹部候補者も多くおり、彼ら、彼女らには全幅の信頼を寄せております。
 世界がコロナ禍で停滞し、皆様ご苦労が耐えなかったと思います。これから力強く回復に向けて動き出しているところですが、日系企業の皆様の切れ目ないサプライチェーンを支えるべく、これから中国に進出されようとする企業様や、現在お悩みを抱えている企業様はぜひお気軽にご相談ください。弊社のサービスを提供するに加え、物流の枠を超え、商流においても良いフレームワークを提言することで、ご一緒に成長して参りたいと考えています


2016年に赴任し、今年で8年目。コロナ前と後では市況も生活も一変しましたが、自分も会社も絶えず臨機応変に変化し続けることにチャレンジしていきたいと思います


自社倉庫開業式の一幕。感慨深いものがありました。当時を思い出し、初心を忘れることなく世の為、人の為、そして自分の成長の為にもビジョンを持って進んでいきたいです



PROFILE

プロフィール 
Shinobu Uchida

1972年生まれ、神奈川県相模原市出身。青山学院大学経営学部を卒業後、安田倉庫株式会社へ入社。情報システム部、物流設計部門、現場責任者など管理業務に従事。2016年10月に上海へ赴任し、現在は董事・総経理及び青浦物流センター所長を務める。



内田さんをさらに知る

家族

妻と長女の3人家族。2017年より上海帯同でしたが、昨年妻子は日本に帰国し、現在単身赴任中。帯同時代は時間を見つけては中国国内旅行をしました。


最近参加した社内イベント


コロナ感染拡大で延期となっていた年会(忘年会&新年会)を実施。61名が参加し、勤続10年者表彰、業務改善提案表彰、プレゼント抽選会などで大いに盛り上がりました。


週末の過ごし方


大学卒業後、ほとんどしていなかったテニスを上海赴任を機に再開。また大学の集まりにも参加するようになりました。海外で働く仲間として年齢や立場、業界関係なく、海外ならではのフラットな関係を築け、良い刺激をもらっています。

安田物流(上海)有限公司

住所 青浦区青浦工業園区新技路66号 MAP
電話 021-5970-3021

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