キーマンインタビュー
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マイツグループ
CEO 池田 博義 氏
成功への道しるべとなり
日中間の経済成長に貢献
会計事務所系の専門家グループとして、会計税務、人事労務、会計税務、人事労務、経営コンサルティングに対して日本国内および中国進出へ幅広くサービス提供している「マイツ」。創業者であり、今尚プレーイングマネージャーとして第一線に立つ池田氏に話を伺った。
「Make You Truly Successful」、「企業を成功に導く」という頭文字のMYTSから社名を「マイツ」とした弊グループは、日系企業の会計・税務のサポートをメインに行っています。日中間の経済成長に貢献することをミッションとして、1994年4月上海に駐在員事務所を設立、1999年に上海マイツ咨詢有限公司を設立しました。その後は上海事務所を中心に、瀋陽、大連、北京、天津、蘇州、成都、広州、香港、シンガポールに事務所を構え、会計・税務にとどまらず、人事・労務、経営支援業務も行っています。
2010年頃からChinaプラスワンで中国からアセアン地区に工場を移転させるケースや、日本から直接アセアン地区に進出されるケースが増えていることを考慮し、2011年にマイツグループ中国アジア進出支援機構を立ち上げました。当構は、「現地に根付いている会計事務所」、「実務経験者による完全日本語対応」、「ハイクオリティー」、「納得のいくプライス」にこだわりを持ち、細やかで充実した中国・アジアへの進出支援を行っており、現在は17カ国37拠点をカバーしています。
皆さんがご存じのように、中国は「世界の工場」から「世界のマーケット」に変容を遂げました。そのため最近では、進出された企業の撤退(M&A、清算)や企業再編、中国企業の日本進出サポート、事業提携、資本提携などのサポートを行っています。私はマイツグループの創業者ですので、中国赴任後は董事長兼総経理としてマイツグループの経営戦略の立案をしながら、プレーイングマネージャーとして実務も担当しています。専門家として知恵を出し、クライアント様が喜んでくれる顔を見るのが、私の至福の時です。
中国の未知なる可能性
「いつかは世界から日本という国を見てみたい!」という願望を抱いたことが、中国に進出するきっかけでした。すでに家庭もありましたので、進出するにあたって、日本から近く、何かあってもその当日中に帰国できる国、自分の仕事柄進出企業に対して会計や税務でサポートができる国というのが大前提でした。結果的に上海へ進出をしますが、進出した当時は冷え込んだ中国経済を復活させようと鄧小平氏が尽力していました。今後成長が見込める国として、とても魅力を感じていましたし、中国で最初に訪問した上海が、どことなく関西の雰囲気に似ていることも進出する要因になったように思います。
現在、弊グループの事業は日本単独の会計・税務、経営コンサルタント業務もありますが、中国との連携及び中国単体のビジネスがグループ全体の6割を超えるまでに成長しており、中国事業が生命線と言えます。
中国で最も印象深いことといえば、何といっても1994年に駐在員事務所を設立して最初の給与を支払った時です。当時は給与振込みではなく、給与袋に現金を詰めて渡したのですが、二人の中国人社員が私の目の前で給与袋を開けて、人民元を数えて給与受領書にサインしたことです。日本であれば、ご苦労様と給与袋を渡すと、社員たちは「ありがとうございます」と言って自分の席に戻って行くのですが、現金を目の前でカウントしたことに、日本の常識と中国の常識との違いに驚かされました。しかしよく考えると、その場で双方がアグリーメントする方が合理的な考えだと感心しました。
マイツが考える、ビジネスの鍵
中国に長く滞在し、様々なことを経験してきました。こんな書き方をすると、格好良すぎる感じがするかも知れませんが、自分で直面した困難は自分が成長するために神様が与えて下さった試練であると思っていますので、事業面に関しては困難とか課題とかは感じたことがありません。中国でビジネスを成功させるには、中国人についてどれだけ知り、理解をし、中国人と如何に融合して企業を運営していくかがカギだと考えています。そして、弊グループの実態を中国人社員にも知ってもらうことが大切だと考えています。その施策として、全社員を少人数にグループ分けして、社員達と私との座談会を実施しています。彼らの今悩んでいることや提案を聞き、それに対して回答したり、アドバイスをしたり、彼らの提案を役員会に上げて採用したりしています。
弊グループの決算は勿論暦年基準ですが、各事業所、部門、課、社員の業績評価と人事評価は7月から翌年6月で、BSC(バランススコアーカード)を使って全て同一の基準で評価を行っています。また、四半期ごとにWEB会議システムを通じて、四半期報告会を行い、業績の報告とBSCに記載した進捗状況、取り組みについて報告し、全社員で共有しています。
会計・税務は進出当初は、中国会計・税務を少し知っているだけで優位性、付加価値がありましたが、現在はITやビッグデータ、AIなどが発達し、この事業分野では大きな付加価値を得ることはできません。今は弊グループが有している顧客資産、人材資産、人脈資産を活用した、日中間のビジネスマッチングやM&A業務を重点的に取り組み、クライアント様の更なる成功へと導くために、今後も精進していく所存です。
上海には、正直、最初は興味がなかったし、行くのも気が進みませんでした。しかし、到着するやいなや、自分はここで働くべきだと直感しました。当時はまだみんなが貧しくて、車なんてガタガタ。しかし、その後の成長を予感させるには十分すぎるほど、街全体がエネルギッシュで、「人間の生きる原点はここにある」と心に強く響いたのです
責任者を対象に毎月1回勉強会を開催しておりました。現在はマイツクラブに名前を変えて再開しております
PROFILE
プロフィール
Hiroyoshi Ikeda
1948年生まれ。71年に同志社大学卒業後、75年に公認会計士資格取得と同時に池田公認会計士事務所、税理士池田博義事務所を開設。87年に起業したのち、93年に上海マイツを設立。中国沿岸部を中心に東南アジアも含め、10拠点以上で2千社超の日系企業のサポートを行っている。
自分の性格として、趣味は限られており、「鬼滅の刃」ではないですが、全集中してカラオケとゴルフに徹しています。中国語で歌えるカラオケの曲数は多分日本人で一番多いのではないかと自負しています。
京都人会・OB会の会長
学生時代のクラブ活動は、高校時代陸上部に所属。中学時代に100メートルの京都中学記録を出したことが関係してか、1964年東京オリンピックの京都に入って来る時の聖火ランナーになっていますヨ!!
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