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大江橋法律事務所
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上海事務所首席代表・弁護士 松本 亮 氏 2025年6月号

30年の経験と知識を生かし
日系企業の中国ビジネスを
リーガル面からサポート

1995年に上海第1号の日系総合法律事務所として進出して以降、中国律師らと共に日系企業のリーガルサポートを行っている「大江橋法律事務所」。今年で30周年を迎える中国での活動で、潤滑な企業経営やリスク回避のために心がけていることについて、上海事務所首席代表・弁護士の松本氏にお話を伺った。 



上海初の日系総合法律事務所

 『人に、社会に、時代に、「よい事務所をつくる」』という精神のもと、弁護士3名によって1981年に「大江橋法律事務所」は設立しました。2002年に東京事務所、2015年に名古屋事務所を開設。1995年に中国進出を果たし、上海第1号の日系総合法律事務所として、現在では約170名の弁護士が所属しています。
 今年は上海事務所が開設30周年というひとつの大きな節目を迎えます。これまで中国律師らとともに、日系企業の中国での進出から撤退まで、中国で直面するあらゆる法的問題を取り扱ってきました。今後はより一層クライアントの利益の最大化を目指して努力したいと考えております。近年では中国での債権回収案件、日本の親会社の目が届きにくい子会社の不正調査案件、中国子会社の人員整理や撤退などの取り扱いが増えています。当事務所はさまざまな状況下での中国国内の案件に対して、幅広い専門分野をカバーしていますので、多くのクライアントから厚い信頼を得ていると自負しております。
 私自身は、2010年の北京大学法学部への留学以降、これまで15年に亘って中国法務に携わり、日系企業が中国で直面する多様な法律問題を中国律師らと対応してきました。例えば、クライアントが中国に進出し、新しいビジネスを開始する際に、当該新事業を許認可などの関係から問題がないかチェックをします。また、中国現地法人で労働問題や債権回収にトラブルが発生した場合などもサポートさせていただきますので、法律面でのお困りごとがあれば、いつでもご相談ください。

プロの「黒子」としてのリーガルサポート

 日本と中国は、いずれも漢字を使う国であり、似ている点が多いものの、異なる点も少なくありません。中国でうまくビジネスを行うためには、中国の法律や制度を理解し遵守することが必要です。しかしながら日本に比べて法律が抽象的且つ包括的に規定されている場合もあるため、日本と同じ水準で判断しようとすると、リスクばかりが目につき、前に進めないという状態に陥りかねません。一方でリスクを軽視しすぎると、思わぬところで足元をすくわれかねず、ビジネスの根幹を揺るがすような事態を招く可能性もあります。そのため我々がアドバイスさせていただくにあたっては、長年の経験を活かして、実際にどの程度のリスクがあるのか、またそれを回避するためにはどのような方法が考えられるかを併せて提示するよう心がけています。
 これまでさまざまな案件に携わり、中国の裁判に立ち会う機会も多々ありました。日本の裁判では「準備書面」と呼ばれる書面のやり取りを通じて論点を明らかにした後、互いの主張・立証を行うのに対し、中国の裁判は法廷での口頭でのやりとりを通じて互いの主張・立証を行うため、入念な事前準備と瞬発力がより求められます。また、中国の裁判は、書面の証拠があるかどうかで判断されることが多い傾向にあるので、交渉の過程で出てきた内容は契約書や覚書の形にし、書面として残しておくことが非常に重要です。最近はリストラや再編の案件も多いですが、清算を決めた会社で、社員が少しでも高い経済補償金をもらおうと社長を拘束したこともありました。社員らと夜中になるまで根競べで交渉し、最終的に無事に合意に至ったことは日本では経験できない良い思い出です。
 当事務所は日本の大手総合法律事務所として、日本の親会社が求めるレベルでのリーガルサービスが提供でき、それがひとつの強みです。決して中国の律師事務所のレベルが低いということではなく、例えば日本の親会社の取締役会で納得いただける意見書の作成や、会議での問題点の指摘に即応できる準備などの、いわゆる「痒いところに手が届く」リーガルサービスは、日本の親会社の業務を行っている我々だからこそ対応しうると考えています。日系企業のクライアントから選んでいただけるよう、日系企業に求められるレベルで目の前の一つひとつの案件に取り組み、丁寧に対応しています。
 私が考える法律事務所は、俳優の演技や舞台進行の介添えをするために黒い衣装を纏い、黒頭巾を被った「黒子」のような存在です。中国でビジネスを行うクライアントが主役であり、それを陰で支えるのが法律事務所だと思います。黒子として主役であるクライアントにとっての最適解を提案できるよう心掛けています。その我々の提案を通じて、クライアントがビジネスを成功させ、喜んでいただけることが一番の幸せです

リーガルサポートを通じた
日中平和への貢献

 日本と中国は隣国として切っても切れない地理的・経済的なつながりがあり、中国人は日本の製品、サービス、コンテンツなどを高く評価しています。日本ファンの中国人を増やすことは、日系企業にとってプラスになることはもちろん、両国の草の根レベルでの交流や友好を支える重要なポイントにもなるのではないでしょうか。
 こんなことを申し上げると恥ずかしいのですが、私は日中間のリーガルサポートを通じて日中平和に貢献したいと考えています。我々法律事務所はあくまで「黒子」であり、クライアントである日系企業が主役ですが、そのサポートを通じて経済交流を促し、双方にとってより良い関係を築いていくことが日中平和の第一歩だと信じております。
 先述したように、当事務所は中国へ進出してから今年で30年になります。私は4代目の首席代表になり、すでに最長記録を更新しています。これからも日系法律事務所の強みを活かし、日系企業の中国ビジネスをリーガルの側面からサポートし、日中平和に少しでも貢献できればと思います。


中国を初めて訪れたのは1990年。祖父に連れられ、北京、河北省の張家口、山西省の大同などを回りました。以降、学生時代にはバックパッカーとして新疆やチベットなど中国を中心にアジアを旅行しました。青海省からチベットに入った際、当時は青蔵鉄道がなかったため56時間もバスに揺られ続けたことが懐かしいです


年に1度、事務所のメンバーと行く事務所旅行の写真。仕事での良好な関係を維持するために役立っています


PROFILE

プロフィール 
Ryo Matsumoto

1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒業、大阪市役所勤務を経て、2005年に大江橋法律事務所へ入所。事務所からの派遣で2010年から北京大学法学部に留学。2012年より上海事務所にて執務。現在は大江橋法律事務所上海事務所の首席代表を務める。



松本さんをさらに知る

京大同窓会(京仙会)ゴルフ部

2025年春の関西圏大学対抗ゴルフで優勝した時の写真。帝大戦に続いての連続優勝であり、この勢いで上海全国対抗ゴルフでも優勝を狙っています!


シカゴ出張とMLB観戦


仕事柄出張が多いですが、合間の息抜きも楽しんでいます。今年はシカゴでのIPBA(環太平洋弁護士協会)年次大会に参加し、ドジャース対カブス戦も観戦しました。


中国ビジネスに関する執筆活動


中国での長年の経験を生かし、2024年10月に『中国の法務・税務Q&A』を共同で執筆しました。事務所のニュースレターにも定期的に寄稿しています。

大江橋法律事務所

住所 浦東新区陸家嘴環路1000号 恒生銀行大厦13階 MAP
電話 021-6841-1699

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