キーマンインタビュー
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維酷公共関係諮詢(上海)有限公司
総経理 板屋 美幸氏
「良いものを世の中に広める」
事業例を挙げると、某複合機メーカー様の場合はフラッシュモブを北京で行い、若者向けにブランドの認知を図りました。某白髪染めのメーカー様の場合は30~40代の女性をターゲットに美魔女コンテストという、年を取っても若々しい方々を選出するイベントを開催。日本の「美魔女」という言葉を中国でも流行させようという趣旨のもとで実施しました。イベントのほかに口コミを利用する場合もあります。日本で言うインフルエンサーや、パワーブロガーと呼ばれるKOL(Key Opinion Leader)の方たちに記事の執筆をお願いします。日本では、タレントなどに費用を払ってブログ上で製品をアピールしてもらうことは、ステマ(ステルスマーケティング)行為と呼ばれ禁止されていますが、中国では一部制約はありますが基本問題ありません。微博(weibo)で50万人、100万人というフォロワーを抱えているKOLにお客様の商品を紹介し、ダブルイレブン(双十一)が始まる少し前に、「この製品私も使ってます」と投稿してもらうといった宣伝を行っています。お客様のニーズは千差万別なので、その時の企業のフェイズによって最適なソリューションを考えていきます。
新たなソリューションを考えるためには、まず現在のメディアの研究をしなくてはなりません。そのため当社の社員や中国の友人、道端の若い子も研究対象として、どのように情報を集めているのか、日本を訪れる際にどの情報サイトを見ているのかなどを日々研究しながら新しいソリューションをアウトプットすることで、お客様のニーズに応えていくことが楽しみでもあります。今年から来年にかけては自社開発メディアをまずは軌道に乗せ、形にはこだわらず、中国の人のライフスタイルやメディアの接触習慣の変化に合わせて新しいサービスをどんどん出していきたいです。それが結局はお客様の問題解決につながっていくと思うので、まだまだ気を抜けません。
激変する中国のメディア環境で
柔軟なソリューションを提供
紙媒体から個人のSNS活用へと広告宣伝の手法が変化する中、PR企業としてどのように事業を展開してきたのか。今後の方針も含め、同社の総経理にお話を伺った。
「良いものを世の中に広める」ために
事業内容は宣伝活動全般で、「良いものを世の中に広め人々を幸せに」というのが当社の理念です。そのための手段は何であっても構いません。お客様のブランドや製品を中国の人に知ってもらい、使ってもらうために一番効率的な方法を当社がご提案し、実行していくことが行動原則です。事業例を挙げると、某複合機メーカー様の場合はフラッシュモブを北京で行い、若者向けにブランドの認知を図りました。某白髪染めのメーカー様の場合は30~40代の女性をターゲットに美魔女コンテストという、年を取っても若々しい方々を選出するイベントを開催。日本の「美魔女」という言葉を中国でも流行させようという趣旨のもとで実施しました。イベントのほかに口コミを利用する場合もあります。日本で言うインフルエンサーや、パワーブロガーと呼ばれるKOL(Key Opinion Leader)の方たちに記事の執筆をお願いします。日本では、タレントなどに費用を払ってブログ上で製品をアピールしてもらうことは、ステマ(ステルスマーケティング)行為と呼ばれ禁止されていますが、中国では一部制約はありますが基本問題ありません。微博(weibo)で50万人、100万人というフォロワーを抱えているKOLにお客様の商品を紹介し、ダブルイレブン(双十一)が始まる少し前に、「この製品私も使ってます」と投稿してもらうといった宣伝を行っています。お客様のニーズは千差万別なので、その時の企業のフェイズによって最適なソリューションを考えていきます。
メディアの大変革が起きる中で
当社は2011年から中国で事業活動を行っていますが、当時のビジネス構成と現在とでは大きく変化しています。当時は、記者発表会や新製品発表会などのイベントにメディア関係者を呼んで記事を執筆してもらうといった、いわゆる一般的なPR手法が圧倒的に多く、当社がお付き合いしているメディアの方もテレビ、雑誌、新聞などが大部分で、インターネット関連は少数で、プライオリティーが低かったです。現在では大型のイベントが比較的少なくなり、その代わりオンラインでの活動が多くなりました。ネット上でKOLの方たちに記事を書いてもらったり、メディアに依頼をして、微信(WeChat)の公衆号でお客様のキャンペーンを宣伝してもらったりなど、ネット上での宣伝活動、情報配信活動が8~9割となっています。以前は紙媒体がメディアの主流で、次にパソコンに移行しましたが、現在は完全にスマートフォンです。中国の人たちが朝起きてから夜寝るまでに、いかにスマートフォン上で情報を見てもらうかということについて試行錯誤を重ね、戦略的に情報発信をしています。なぜこれほどまでの変化が起きたかというと、微博(weibo)が2009年の後半から、そして微信(WeChat)が2011年から登場しました。この二つのSNSが立ち上がって以来大きな革命が起こり、個人が情報の受け手だけでなく、情報を発信する側にもなりました。そこで発信力のあるKOLが現れるようになり、発信を依頼する場所が以前と変わりました。ここ数年、動画での宣伝がトレンドになっていますし、去年からネットでの中継が人気を集めていますが、これも新しい手法として注目しており、お客様にお勧めしています。変化に合わせ、新たなサービスを創出
当社でもメディアの開発を行っています。「クレイジーCurazy」は面白い話題を集めたキュレーションメディアです。日本で既に展開している「クレイジー」の中国版で、中国でも面白いと思える話題を選定して微博(weibo)と微信(WeChat)で配信しています。昨年の秋から始めたばかりで、現在フォロワーを増やしているところです。「路Street」は上海のお洒落な道を紹介するメディアで、日本のTV番組「アドマチック天国」のお洒落版で、完全にオリジナルです。どちらも実験的ではありますが、ある程度メディアと呼べるほどに読者が増えたら、展開していきたいと思っています。今まではメディアとお仕事をしてきましたが、今後は当社がメディアとなり情報発信していこうとしています。新たなソリューションを考えるためには、まず現在のメディアの研究をしなくてはなりません。そのため当社の社員や中国の友人、道端の若い子も研究対象として、どのように情報を集めているのか、日本を訪れる際にどの情報サイトを見ているのかなどを日々研究しながら新しいソリューションをアウトプットすることで、お客様のニーズに応えていくことが楽しみでもあります。今年から来年にかけては自社開発メディアをまずは軌道に乗せ、形にはこだわらず、中国の人のライフスタイルやメディアの接触習慣の変化に合わせて新しいサービスをどんどん出していきたいです。それが結局はお客様の問題解決につながっていくと思うので、まだまだ気を抜けません。
PROFILE
維酷公共関係諮詢(上海)有限公司
総経理板屋 美幸氏
北海道出身。日系大手航空会社の国際線客室乗務員として働いた後、日中友好協会の国費留学生として1997年に上海外国語大学へ留学。メディアコーディネーターを経て、2005年にPR会社を起業。2011年に会社をベクトルチャイナに組織変更し、同社総経理として日系企業のPR活動のサポートを行う
板屋さんを知るキーワード
愛娘「小春」(9カ月・メス)
友人のレストランの裏庭で生まれた猫を貰い受けました。我が家では上海一美人の猫との評判です。性格は人見知りで甘えん坊。子供の頃から猫を飼っていたので、念願の猫との暮らしを楽しんでます。
中国ドラマの鑑賞
世相が反映されているので現代ドラマを見るのが好きですが、最近は「三国」という歴史ドラマを見ています。セットが本格的で、役者もベテラン揃いで見応えがあり、中国の価値観の理解に役立ちます。
週末の散歩
週末は主人に誘われて徐匯浜江公園へよく行きます。私は運動があまり好きではないのですが、健康のためにここで散歩をするのは好きです。私にとって週末の気分転換には最適な場所です。
維酷公共関係諮詢(上海)有限公司
上海市長寧区延安西路728号
華敏翰尊国際大厦18階C座
(021)5206-2330詳細は維酷公共関係諮詢(上海)有限公司
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