Concierge大連 2020年11月号
  • 越境EC基礎知識
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    一大イベントであるダブルイレブンを間近に控え、越境ECの最新状況や、ECサポートを行う企業を一挙に紹

 越境EC基礎知識

飛躍的に拡大・成長する越境EC
 越境ECとは、インターネットの通信販売サイトを通じて行う国際的な電子商取引のこと。外国から直送する「直送モデル」と「保税区モデル」の二つのスキームがある。近年有望なビジネス形態として中国でも注目を集めているが、そのきっかけは訪日中国人客による爆買い現象だった。来日した観光客が日本のネットショッピングやサービスを利用したことで、帰国後もリピート買いや知人への口コミが派生し続けるなど、越境ECの大きな可能性が生まれた。越境EC高い成長率の背景には、パソコンとスマートフォンの普及、物流システムの充実、決済機能の多様化、インフラ整備などによって、海外の商品であっても誰でも、手軽に購入できるインターネット環境が整ってきたことや、中国人ユーザーの高い消費意欲が世界の越境EC市場を牽引していることが挙げられる。

 今、海外市場拡大の手段として「越境EC」が注目を集めている。とくに新型コロナウィルスの影響で、インバウンド消費が激減、海外需要の獲得に向け、多くの企業が導入を進めている。国別の消費国の越境EC市場規模は、米国が1位で400億ドル、2位が中国で390億ドル、3位が英国で120億ドル。越境EC利用者数も1位が中国、2位が米国、3位が英国と越境ECにおける、中国、そして欧米の市場規模の大きさが分かる。2019年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加した。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆6,558億円(前年比7.9%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆94億円(前年比16.3%増)であり、昨年に引き続き増加している。さらに、各国間の越境ECポテンシャルの推計によると、米国から日本、中国から日本の購入額は大きく伸びており、世界的な越境EC市場の拡大は明らかで、「MADE IN JAPAN」の人気の高さがうかがえる。米国と中国は世界的にEC市場規模が大きい国で、越境ECに関しても米国は日本からの購入額が多く、中国は購入額の伸び率が高いなど、日本の事業者にとって良いお客様となる可能性が高い。

越境ECと一般貿易の区別 

 一般貿易と越境ECでは、税制や輸入規制が大きく異なる。通常、越境ECは一般貿易よりも低い税率が設定されている。通関業務も一般貿易と比べると少ない項目で簡便である。また一般貿易の場合必要となる法定検査や審査認可が、越境ECの場合は不要となるケースがあるため、これまで中国への輸出が難しかった商品でも、越境ECを通して販売できる可能性がある(化粧品、健康食品、酒など)。例えば、越境ECでは化粧品等の液体成分申請が簡便な内容で、成分表などの中国対応や申請書の作成等が短期間で完了できる。その結果、越境ECでは一般貿易のように3ヶ月〜半年という期間を待つことなく、より素早く中国マーケットへのリーチが可能。越境ECの場合、オンラインで素早く中国進出が出来る一方、実店舗での販売を行うことができないという制約がある。それと引き換え、一般貿易で中国進出を行えば、ブランド旗艦店を路面店や各種ショッピングモールに入店することも可能で、中国マーケットで効果的な対面プロモーションを行うことが可能である。



中国越境EC事情

中国の越境ECの現状
 2018年、中国越境ECのユーザー数は1億人を超えた。2019年は1.49億人、2020年3月には2.11億人を超えた。中国人の消費水準が上昇するに伴い、越境ECの利用者数も増加傾向にある。2018年の中国越境EC輸入市場規模は19,000億元で、2019年には24,700億元に達した。越境ECの大手の「天猫国際」によると、2020年1~3月に同プラットフォーム上で20万超の新商品が販売され、海外ブランドの出店数は前年同期の4倍に増えた。また、2月分のデータをみると消費者が「天猫国際」で購入した商品の輸入額は前年同期比の52%増と大幅に増加し、輸入品に対する消費意欲の高さがうかがえる。

 2019年の中国越境EC輸入市場交易規模が24,700億元に達し、前年比30%増加した。中国における越境EC取引は主に日本や韓国を中心とするアジア諸国の企業によって行われ、米国がそれに続いている。中国人は越境ECでどんな日本製品を買っているか、上左の図で示したように、上位を占めるのは、基礎化粧品・メイク用品、食品、衣料品など、日々の生活で必要なものが中心になっている。また、新型コロナウィルスの影響により「健康食品」の需要が急速に伸びている。日本製を購入する理由には、品質や安全性が挙げられる。特に肌に直接触れたり、口にいれるもの(食品やサプリ)が売れ筋なのは、こういう理由があるわけだ。中国ではニセモノや低品質な品が多く出回っているため、ホンモノかつ高品質というメイドインジャパン製品が求められている。


中国の越境ECの展望

  中国はいまや世界最大のEコマース市場と言われており、越境EC取引でも、約半数が中国経由と言われるほどに存在感が増している。2019年上半期、中国は増値税の税率を従来の17%から13%に引き下げた。越境EC総合税は、引き下げられた増値税率に70%を乗じた優遇税率となったので、従来の輸入関税の税率ゼロ関税と増値税の優遇措置により、消費者は越境ECプラットフォームを通じて安い値段で気に入った商品を購入することが可能となっている。これも引き続き越境EC市場の活性化を一層促進すると見込まれている。

 中国での人気サイトには、天猫国際 、京東国際 、小紅書、洋碼頭などがある。天猫国際や京東など中国の越境EC専用モールが、日本法人が出店可能な越境ECに特化した販売ゾーンを提供し、出店する日本企業も増えてきた(上左の図で示したように越境ECでは日本製品が一番売れている)。


 中国政府が越境EC市場の健全な発展のために、越境ECの実験エリアの設置、保税輸入方式の承認などの支援政策を実施している。こうした政策の施行による影響も、当該市場規模を急速に拡大させている。中国政府の支援政策を受け、越境EC市場はこれからも発展をしていき、多くの海外企業が中国市場へ進出することが予想できる。

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