日本人駐在員の心を癒してきた先生２人に心の病に関する疑問をぶつけ、癒しに効果があると言われる講座を紹介。

リッチー・チャン先生が
メンタルヘルスの疑問にお答え

心の病に関する話題は人と話しずらいもの。ロンドンや香港など国際的な環境での経験を持ち、日本人患者も抱える先生に基本的な疑問を投げかけた。

Mind Pro 精神科医

リッチー・チャン先生

Q1　そもそもメンタルヘルスクリニックとは？

A1　うつ病などの難病を抱える人が通う場所というイメージをお持ちかもしれませんが必ずしもそうではありません。軽度の気分障害の人も来院されます。気分障害とは落ち込んだ気分が続いたり、突然ハイになったり気分をコントロールできなくなることが一定期間以上続き、日常生活に支障をきたすことを言いますが、香港人の6人に1人患っていると言われています。風邪をひいたら病院に行くように心の風邪をひいたらお越しください。

Q2　落ち込んだ気分と気分障害の違いは何でしょうか？

A2　単に気分が沈んでいることと、気分障害の違いは後者が不眠症を伴ったり、モチベーションの低下や性格の変化によって職場や家庭で問題をきたしてしまうことです。クリニックを訪れてもらえれば、国際基準に沿った客観的な検診が受けられます。結果、通院が必要な場合もありますし、1回のカウンセリングで功をなす場合もあります。介入は深刻化を防ぐため、不安や心配事がある方はまず一度訪問することを推奨します。重度のうつや不安障害に発展すると入院が必要になったり、心臓発作を誘因する可能性もあると言われています。

Q3　診察の流れを教えてください。

A3　まず、電話で予約をしていただきます。次に、１～２時間の心理学的アセスメントを。重度によって、必要であればその日に薬を処方しますが、必要の無い場合はアセスメントを綿密に検討し、約1週間後にフィードバックを行います。当クリニックは精神科医、臨床心理学者、カウンセラー栄養士、作業療法士が在籍し、複合的なアプローチを取ることが特徴です。

Q4　診察が怖いという人にはどんなアドバイスがありますか？

A4　まず知っていただきたいのは、心の病は弱さではないということです。どれだけ自己管理に気をつけていても、風邪をひいてしまうことがあるように、うつは過度のストレスによって脳内で分泌される化学物質の影響によるケースが多く、専門家でないと防げません。大切なのは異変に気づいた時に、対処をする一歩を踏み出すかどうかです。海外暮らしはビジネスマンにも、家庭を守る女性にも予想以上の負担がかかっていることがあります。助けが必要だと言える強さを持ってください。

Mind Pro
住：Rm 1105-06 Asia Standard Tower, 59-65 Queen’s Rd Central,Central, HK　

☎　2525-2300　

W：www.mindpro.hk　 

E：info@mindpro.hk
※各種海外旅行保険対応日本人通訳が診察・カウンセリングの際にサボート

キャサリン・ウォン先生の
カウンセリングアドバイス

10人の専門家が所属するクリニック「Healing Hearts」は遊戯療法を採用した子どもセラピーや成人カウンセリングなどに対応。先生にカウンセリングで重要なことを聞いた

Healing Hearts Limited 心理療法士
キャサリン・ウォン先生

カウンセリングは自己成長への一歩

うつにも繋がる不安障害ですが、その原因となるものはすべて幻想の産物です。過去に起こったことを思い返して怯えたり、未来に起こるかもしれないことを想像して、不安に陥ってしまうんです。ここで注意したいのが、不安の元は「今」のことではないということです。カウンセリングでは考え方の修正を行い、「今」を考える訓練をします。1つのネガティブな考えを消すには10のポジティブな考えが必要と言いますが、カウンセリングはこのように対応できるようになるためのセッションです。当クリニックで採用している認知行動療法は考え方のバランスを取って、ストレスや不安に対処できるようになるこころを作るために考え方を修正する手法です。自己成長への一歩と言えるでしょう。

心地良いカウンセラーを見つけて

カウンセラーの役割とは患者が暗い森の中を歩いている時に、横で寄り添って歩く人です。時に懐中電灯で前を照らすこともありますが、決して先導はしません。どの道を進むか決めるのはその人自身です。カウンセラーの中には大きなライトを照らす人もいますし、小さな明かりしか照らさない人がいるなどアプローチやキャラクターが違います。心地よく感じられる信頼できるカウンセラーを見つけてください。アクションを取らないと失敗も成功もありません。今の状態を変えたいと思う方は勇気ある一歩を踏み出してみてください。

Healing Hearts Limited
住：19/F, Rm C, 88 Commercial Bldg, 28-34 Wing Lok St, Sheung Wan, HK　

☎　2581-9313 

E：info@healingheartslimited.com　 

$：$900／時間　 

W：www.healinghearts-psychotherapy.com

自然療法師やまもとさん指導の
こころに効く癒し講座

自然療法アロマセラピー・リフレクソロジー・バッチフラワー・マッサージテクニック　カラーセラピー・ヒーリングのトリートメントを提供しているほか、講座も開講している。

benessence　代表
やまもとゆみかさん

アロママッサージ

マッサージはスキンシップのひとつ。旦那さんや子どもの疲れやコリをほぐしてあげるために女性の間で人気の講座。マッサージテクニックを理論と実践で学びながらアロマの知識も習得する。体の筋肉をほぐしてあげること自体リラックスに繋がるが、アロマでさらに効果を高める。

バッチフラワー

イギリス人医師のバッチ博士が1930年代に始めた代替療法。38種類の植物および鉱物上の結露を原料とするレメディーと呼ばれる液体を経口投与という形で精神の安定を図る方法。ネガティブな感情をポジティブに変え、明るい気持ちで毎日を過ごせるように、助けてくれるという。

アロマセラピー

香りは沈静作用をもたらしてくれたり、元気にしてくれたりなどの効果がある。さらに、アロマを嗅ぐことで、普段きちんとできていない深い呼吸をするようにもなる。深呼吸は、リラックス効果があるだけでなく血液の循環も助けるのだとか。香りの効用、フレグランスを作りの基礎を学べる。

自然のエネルギーを取り入れて、心身ともに健康になることを発信しているサロン「ベネッセンス」のやまもとさん。マッサージなどの施術を提供するだけでなく、より深い知識を伝達したいと講座を開講している。自分が癒されるだけでなく家族にも癒しを提供できるとして、受講者に人気だ。こころが疲れている人にやまもとさんがお勧めするという３つの講座についてを紹介。

benessence
住：9D, Vienna Mansion, 55 Paterson St, CWB, HK　

☎　2577-0533（完全予約制・男性の受講は応相談）　

E：月～土　9:30～20:30（最終受付19：00）　休：日　 

W：www.benessence.com
E：aroma@benessence.com  　 

$：アロマセラピーベーシック講座（全6回・12時間）$2,500など