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語学学習事情と 上達のポイント
データで見る 香港語学事情
在港日本人が好む語学学習方法や平均予算、その効果とは? 読者50人のアンケートを基に解析。そこから見えてくる語学学習のネックを解決すべく、専門家に学習ポイントを聞いた。
Q1. 香港で語学の勉強をしたことはありますか?
勉強している人はほぼ変わらない割合で英語・広東語を学んでおり、北京語も目立つ。きっかけは仕事や生活の需要が主流。勉強していない人は、既に語学の達人か時間に余裕がない人が多い。
Q2. どんな学習スタイルをとっていますか?
圧倒的人気はグループ授業。「一緒に勉強する人がいる」、「友達ができる」などの理由で選ぶ人が多い。マイペースに勉強したい人は、独学や個人レッスンを選ぶ模様。そのほかでは、友人から学んだり、オンラインコースをとるという方も。
Q3. 週に何回通っていますか? 毎月の費用はいくらですか?
レッスン回数は週1~2回が目立っている。中には、「毎日その言語に触れたい」と、週7回通う人も。費用の方では、月$1,000~$3,000が一般的。まれに、友人から教わったり、会社のサポートで授業料ゼロという人もいる。
Q4. その語学学習は効果的ですか?
「はい」と答えた人の中で、「学習している言語しか使えない」という環境が効果的と感じる人が一番多く、全体の46%を占める。頻繁なテストや会話の練習が進歩を促している模様。「いいえ」と答えた人の中では、「レッスンの日時が柔軟じゃない」ということが一番の問題。40%の人が仕事の忙しさやキャンセルしたレッスンが無駄になるためやめてしまっている。
総評:
アンケートの結果から英語と広東語が人気を博しており、仕事をきっかけに始める人が一番多い。学習スタイルはグループ授業を好む人が多く、週1~2通う人が目立っている。料金は$1,000~3,000が一般的。言語学習を阻む一番の問題は「自分の都合に合わせて柔軟にレッスンに通えない」ということ、また、モチベーションが低いのもネックのようだ。
専門家が伝授!語学学習のポイントとは?
答えてくれたのはこの人
レナ・チャン先生
香港大学中文学院漢語中心 講師
北京やアメリカで北京語の講師を務めた後来港。中国語教育の研究にも携わっており、2013年末香港で行われた第1回国際中国語教育学会の主催チームの一員でもある。実践と研究の両方に精通している。
▷香港ならではのメリットを生かす
言語はツールなので、使うことによって熟練していきます。広東語と英語に関しては、香港で日常的に使われるので、練習できる場面も多いと思います。また、香港にはいろいろな国の人が集まります。ネイティブの先生に教わったり、レッスン以外で練習相手を見つけるチャンスも多いのではないでしょうか。
▷日本人のネックを突破する
日本人の学生は努力家です。中国語だと、漢字に慣れているため、欧米人の学生より進歩が早く、中級や高級クラスに通う方も多いのですが、口を開きたがらないという印象があります。言語はやはり話すことで効率良く身に付くので、恥ずかしがらずに声を出していくといいですよ。
▷香港人に学ぶ志:マルチリンガルはマスト!
多くの香港人にとってマルチリンガルは当然のスキル。香港人の母語は広東語ですが、植民地の影響もあり、日常的に英語を使わなければなりません。近年は中国本土とのビジネスが頻繁になり、仕事用に北京語を勉強する人も増えました。また、香港に拠点を持つ外資系企業は非常に多く、その国の言語で仕事をすることが求められるので、香港人の語学学習のモチベーションは非常に高いです。
▷聞いて声に出す会話を重視
言語はできるだけ多く使うことが大事です。また、読み書きより、聞く事と話す事から始めたほうが効率的です。会話はリスニングとスピーキングという言葉のインプットとアウトプットを同時に行うため、言語を消化し、本当に身に付けるための大切な過程です。なかなか覚えられない単語も聞いたり、話したりするうちに覚えられるようになります。
▷行き詰った時は先生に相談を
教え方が良ければ、学生はどんどん成長するものだと思います。なかなか上達しないというのは、カリキュラムや先生の教え方が自分に合っていないのかもしれません。困っていることを、先生と相談してみるのをおすすめします。