憧れはいつしか仕事への誇りとなって

全日本空輸　大連支店
旅客営業部　郭淳さん　GUO Chun

大連市出身　趣味：旅行、料理

　「カッコイイ制服に憧れて」が、はじまりだった。現在日本企業・個人窓口として旅客営業部に所属する彼女だが、入社前はどんな仕事をするのかまったく見当もつかなかったそうだ。2003年入社、その後大連国際空港へ配属、旅客運送業務を担当。チェックインから搭乗まで、空港内をかけずり回り、お客様を見守り続ける日々を過ごした。かつての日系アパートメントでの業務経験が功を奏したのか、日本語はもちろん、接客マナーなども十分に備わっていた点を認められ、ANA中国グループの新人教育担当として北京へ赴く機会も増えた。
　2013年1月より、支店営業部の現地化を図る体制づくりのため、空港から支店へと異動。現在ではチケットの予約から発券対応、クライアント企業を訪問する外回りの営業活動まで、業務範囲は幅広い。
　「ANAでは営業部全員が中国人スタッフです。苦労はありますが、異文化を学びながらスキルを磨いていけることに、非常にやりがいを感じています」。
　最近は円安の影響もあって訪日旅行が大ブーム。そんな中でも常に「誠心、誠意」という言葉を忘れずに業務に望む。
　「通常時も、イレギュラーなトラブルやクレーム時にもその姿勢をくずすことはありません。例えば、お客様から聞かれたことに対してわからないことは正直にそう答える、これが『誠心』です。そしてすぐに調べて確かな答えをスピーディーに対応する、これが『誠意』であると考えています」。
　また、この仕事はチームワークの賜物であるとも考える。
　「お客様からチケットの予約をいただいたときから、発券、お渡し、チェックイン、荷物のお預かり、搭乗、到着までの一連の流れはすべて繋がっています。どこかひとつでもサービスに不備があり、お客様そして私どもの笑顔が途絶えてしまえば、すべてが台無しなってしまいます」。
　機内や飛行先のグランドスタッフとも見えない絆で結ばれた意識。自分自身もほかのメンバーに迷惑はかけられないという良い緊張感を保ち続ける。
　入社以降、制服の変遷は幾度となく体験すれど、いつだって憧れだった制服に負けない笑顔がそこにある。

私生活では、日本留学中の高校生の娘さんがいる郭さん。母として、働く女性として現役でバリバリ活躍する、まさに中国現代女性のシンボルだ。

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