世界のサブカルにアンテナを張り巡らせ新たな段階へ

唯格科技（大連）有限公司

CEO　直良陽子さん  NAORA YOKO

四川省・成都市出身／大連歴5年

1995年より名古屋のコンピューター専門学校で学び、以降名古屋・東京においてプログラマーとして活躍。英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA（日本語）プログラム参加、修士号取得。2002年に帰化。2012年に独立し、唯格科技（大連）有限公司を設立。

巡りあったチャンスをモノにして

　38歳でMBAを取得したことで、独立願望はありましたが、「何がしたいか」という明確な目標はありませんでした。その後赴任先の大連の子会社を閉じることになり、せっかく会社として形はできているのに失くしてしまうのは残念に思い、負債はないが仕事もない（笑）状況で、残った4名の社員と共に、会社を引き継ぐ形で今の会社をスタートさせました。

　最初の半年はまったく仕事がなく、コストがかさむばかり。そんな中、韓国のパートナーからありがたいお声掛けをいただき、ゲーム向け3Dグラフィックデザインの仕事をスタート。3カ月で一気に黒字に転換させることができました。

人材育成、存続との攻防

　業務が軌道に乗ってからは、腕のいい人材探しが課題に。この業界の特徴でしょうが、引き抜く方も、引き抜かれるほうも業務内容に触れることなく「給与数十％アップ、じゃいつから来れる？」という電話口の会話だけでいとも簡単に成立するのです。去年は中国の某大手競合が大連にオフィスを構え、高給待遇で引き抜きにあい、弊社のあるチーム8人中4人が転職。納期の心配に気をもみ、眠れない日々が続きましたが、こちらも業界の慣習になぞらえ（笑）腕のいい人材を引き抜き、なんとか乗り越えられました。

　お金がない、仕事がないは、努力すれば解決できる問題ですが、やはり人の心が絡むと難しいものです。大連ではまだ数が少ないこともあり、自分の能力に対する自信かつ強気な姿勢の続く3Dグラフィックデザイナーの売り手市場。まずは新人プログラマーの定着を課題とし、簡単な仕事から始め、本人らのやりたいことを汲み、練習させ、より難しい仕事を任せたり、別のチームへ移動させたりなど、あらゆる可能性を示して導いてやりたいと考えています。

海外のおもしろい！ を中国へ

　ゲームには技術も重要ですが、いかにユーザーが興味を引くコンテンツを作るかが、最大のキーになると思います。どんなに美しいグラフィックでも面白くなければ意味がない。日々進化を遂げるゲーム機器、ソフトにもすべてそのコンテンツが必要となります。弊社はまだ若く、技術も若い。そんな中生き残るために、現在海外の音楽コンテンツ、日本の「ニコニコ動画」を始めとしたコスプレアイドルコンテンツを中国のプラットフォームへ提供するような新事業も進めています。
　変動の激しい業界ですが、創立から3年。ソフトバンクさんとの業務提携やパートナー企業の支援もあり、ここまでくることができました。急激な成長はなくても、会社を安定した状態で長く続けることが私の経営理念です。

よく行くお店

休日は労働公園サッカーボールオブジェそばの「ユーロベイク」に、愛犬と共にランチに来ます。ここのハンバーガーが大連で一番だと思います（笑）！ 肉汁にからむソースがたまらない！

お気に入りの場所

散歩やランニング仲間と訪れる棒棰島賓館近くの山（海之韻公園）。空気がきれいで車も少ないのもさることながら、高台から海が見渡せる絶景スポットもあって、まさに絶好のお散歩コースです！

私の会社ご紹介

韓国および日本大手のゲームメーカーをパートナーに、ゲーム（キャラクター、シーン）ほか、シミュレーションゴルフコースの3Dグラフィックデザイン、モデリングを行います。

■DATA

高新園区匯賢園騰飛軟件園1号楼7階

℡3957-1677

www.vigour.jp

お問い合わせは唯格科技（大連）有限公司