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ジャパンブランド最前線①
大連に進出する日系外食産業に市場戦略と展開を問う
日本への逆輸入も
株式会社 ゼンショーホールディングス
すき家(食其家)
日本のすき家の内装を基調とし、カウンター席ほか家族連れ利用が多いゆえ、テーブル席を多く設置
ゼンショーホールディングスは、すき家、なか卯、ジョリーパスタなどの外食ブランドを有し、積極的な海外出店を行っています。すき家は、中国大陸においては2008年上海の第一号店を皮切りに、現在200店あまり。北部ではこれまで北京・天津のみでしたが、さらなる拡大を目指し、今年1月に大連(1店舗)、瀋陽(2店舗)をオープン。これらを足がかりに東北部へ拡げる予定です。
大連はゼロからのスタート。同業他社が早くから進出し、多数展開していたこともあり厳しい部分もありました。しかし大連特有の日本びいき、訪日経験のある人の割合が大きく、そういった方々からの反応は非常に敏感で、「日本で食べたすき家の牛丼がここでも食べられる!」、「サービスも日本と同格」とお声をいただいています。日本で感じていただいたイメージを壊さず、このクオリティを持続させることも重要課題です。
日本のすき家は、さまざまなトッピングを施した牛丼シリーズを筆頭に豚丼、カレーライス、鰻・まぐろ丼、定食など非常にバラエティ豊か。しかしメニューに構成に関し、やはり現地の食習慣は軽視できない部分であり、日本をそのままというわけにはいきません。中国大陸店舗の独自メニューとして、きくらげ牛丼や麻婆豆腐牛丼があり、ほか特徴的なのはラーメンメニュー。日本のすき家にはありませんが、麺文化の強い中国では必須。きくらげ牛丼に関しては、日本でも販売が企画されるなど、逆輸入パターンもあります。女性にはキムチ牛丼、チーズ牛丼が人気で、日本の国民食の枠を越え、世界で人気食にもなっています。
私どもは全世界共通で「iーkoss※(アイコス)」というキーワードの下、接客教育を行います。私自身、日本で外国人クルー教育に携わり、iーkossに基づき徹底した指導を行ってきました。それはここ大連でも変わりません。グループでは世界中の店舗を対象に接客大会が行われますが、ここ数年は3年連続で中国の店舗が優勝しています。中国におけるサービスの質が問われる中、そこを翻し、「すき家」から大きく変えていく勢いで臨むところでもあります。
黒木耳(黒きくらげ)牛丼は中国エリア発祥で、今後日本でもメニュー展開される予定
ラーメンは中国エリア独自のメニュー。スープなど汁物を好む食習慣から設けられた

泉盛餐飲管理(北京)有限公司
東北ブロックマネージャー 王莉さん
2006年、東京・あけぼの橋店でクルーとして入社。以降、外国人スタッフ向け採用・教育を担当し、中国展開のため2010年上海へ。東北地域開拓のため2016年、東北ブロックマネージャーに就任。
<世界/中国大陸店舗数(すき家)>
世界 2,200店 中国大陸 200店
日本国内1,800店以上。中国大陸、台湾ほかマレーシア、タイ、ベトナム、メキシコ、ブラジルに展開。中国大陸においては北京、上海、天津、重慶、江蘇、浙江、広東、四川、遼寧、山東に展開。
■DATA
西崗区奥林匹克広場地下2階
℡8368-0110/181-2108-0177(日本語可)
9:00~21:00
<本社>東京都港区 www.zensyo.co.jp
お問い合わせすき家