Concierge大連 2020年9月号
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青雲街・捷山街周辺 老房子を歩く
歴史をこの目で見る
青雲街・捷山街周辺
ノスタルジックな雰囲気が色濃く残るエリア
時の流れを刻んだ建物が次々に壊されていく
世良正一の旧居(捷山街66号)
老虎灘北約3キロの桃源街の小高い丘に、旧い日本風建築がたくさん残っている。ここはかつて日系会社幹部の邸宅が並ぶ高級住宅地だった。その多くが1920年代後半に建設された建物で、日本風でありながら日本にはない、あの時代、この場所ならではの日本建築で、一軒一軒に違った意匠が施されている。現在は軍の療養施設として利用されている以外、開発で多くの老房子が取り壊された。開発されていない家屋はほとんどが老朽化している。
このあたりは、老房子と相まってノスタルジックな雰囲気に満ちている。樹齢100年を越える老木が豊かに生い茂っているが、高級住宅街としての面影はだんだん薄くなってきている。保護、再利用されることなく、いつか再開発の波に呑まれるかもしれない。こうした古い街並みを文化資源ととらえ、保存しようと活動している人が少なからずいる。そういう人たちが今後、力を発揮してくれることを期待したい。是非今のうちに目に焼き付けておきたい。
こじんまりとした感じの日本家屋
文化財として保存されている建物
世良正一旧居(現五世帯共住住宅になっている)
通りの名を標示した標識
立派な門構え(表札の痕が残っている)