Concierge大連 2020年9月号
  • 南山旅游風情街  老房子を歩く
  • 南山旅游風情街  老房子を歩く

    歴史をこの目で見る

南山旅游風情街


消えゆく日本風建築 歴史と文化が薫る南山を散策

過ぎ去って過ぎゆくその歴史を忘れないように


レトロモダンな雰囲気が漂うリノベートした洋館


ロシア人街から日本人街、そして中国人が住む町へと変遷した歴史があるので、南山の北麓、海を望む七七街、楓林街、望海街(昔、海が見えた)の一帯は、気をつけて見るとそれぞれの面影が門柱や窓の形や煙突や、そこかしこに残っている。このあたりはとくに1910年~20年代に多くの和風モダン住宅が建設された高級住宅街だった。今も昔の面影が残り、街を歩けば大連の歴史をたどることができる。
 2000年は「南山旅游風情街」として再開発され、石畳の両側には昔風な豪邸が立ち並んでいる。また、本場に負けない日本料理店、スタイリッシュなレストラン、オシャレな喫茶店やバーも増えつつある。一方では文化財に指定された古い建物もあったり、裏側に入ると、改装して変貌した家屋、共有する集合住宅としての一戸建て、朽ち果てた廃屋もあちこちに散見される。思いがけないところに昔の瓦、マンホール、ステンドグラスや市松模様の床タイル、由緒ある家紋が見つかるかもしれない。


ドイツ総領事館(楓林街30号 現大連市文博芸術館)

謎めいている邸宅(望海街32号 張作霖邸宅という説がある)


昔の面影が残る門構えとバルコニ 


大連市文博芸術館の看板


博愛医院(現 第二人民医院)を国に寄付した孟天成の故居(楓林街36号)


旧日本人街と呼ばれる「南山風情街」エリアは、かつては日系企業の幹部らの邸宅が立ち並ぶ高級住宅街だった。日本の建築技師が、ヨーロッパで学んだ知識と日本建築の意匠を用いて、南山麓に地元大連の気候風土と国際的都市美とに適合した文化住宅を建てた。ゴシック建築やルネッサンス建築を基調にした建物が多く、あたかも異国の都会の住宅地域のよう。文化財として保存されている建物以外は、大規模開発により取り壊されたり、朽ち果てて使えなくなったり、日本ゆかりの住宅が次々と姿を消している。
 一方、歴史がある古い建物を歴史的な資産と捉え直して、修繕や改修をする際にも建造物の保全を重んじ、歴史的な建物との調和を図る有識者も出てきた。老朽化した建物を専門業者に依頼して、一部残す、一部復元などの工夫をして、往時の偉容を偲ぶことができる新しいレストラン、ギャラリー、カフェーへと変貌した。建物を維持・活用することにより、市民に愛される憩いの場となった。まさに「今」の中に生き続けているからこそ、「古い」ものの価値も際立つというもの。


孫伝芳旧居(南山街10号 現 共青団市委弁公楼)


旧邸宅を綺麗にリノベートしたレストラン(七七街45号)


 店内の梁と側面の壁をあえて昔のままにしたカフェー&レストラン


身近に街の歴史が感じられるお洒落なカフェー


市政府からも推奨される老房子改造プロジェクトの「後生COFFEE×糖西美術館」。何世帯が住んでいた集合住宅を何度も交渉を重ねた末に購入し、大金を投入して、都市と自然の触れ合いが味わえる現代風のモダンな店へと変貌した。店内は木材色をメインとして、落ち着く空間を演出している。2階のテラスからは周辺の老房子を見渡すことができる。嘗て「DHCAハンドドリップ大会」にて優勝した店長が淹れるコーヒーは、特有の口当たりと豊かな香りを楽しめる。

後生COFFEE×糖西美術館」
中山区高陽街77号
186-4093-4303
10:00~19:00( L.O.18:30)  火曜日定休  


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