-
日本企業が中国で展開するEC事業について
日本企業が中国で展開するEC事業について
日本企業が中国で展開するEC事業について
1980年代生まれの世代が市場から後退していく中、最大の1980年代生まれの世代はもうすぐ30代を迎える。1995年以降生まれ世代(以下、「95后」)の台頭は、新たな消費トレンドの隆盛を意味している。中国市場において成功を望むのであれば、この95后の各種消費習慣に焦点を合わせなくてはならない。
中国の新時代ECの目標顧客層である95后とはどのような人たちなのか?
iResearch Consulting Groupが発表した報告によると、95后は既にネットショッピングにおける主力と化している。ECユーザーの約1/4が95后で、そのうち63.9%がECプラットフォームを毎日使用し、10%がオンラインでの購入を行っている。
95后は個性と歓楽、新奇性を追求する。95后はそのブランドがもたらす独自の歓楽を追い求めているのであって、トレンドや誠実さ、親和性は彼らの眼中にはない。回答者の32.7%は新商品に興味を示している。Accentureが発表した報告によると、95后は幅広いプラットフォームでの買い物をより好む。95后の1/3は純粋なECプラットフォームにとどまらず、ライブ放送や動画のプラットフォームなど、より豊富なソーシャルプラットフォーム上での買い物を好む。95后は全体的に価格に対して敏感ではなく、評判と反応をより重視する。
顧客の製品レビューとSNS上での「いいね!」数は、購入決定に大きな影響を与える可能性がある。95后は購入時に、家族や友人、信頼するブロガーにアドバイスを求める傾向にある。特に衣類、電化製品、食料品を購入する際は、95后の40%がブランドに関連するWebサイトを閲覧して情報を得ることを望んでいる。
95后は配送速度をより重視するため、配送時間が曖昧なようであれば注文を取り消す。購入した当日か、ひいては半日以内に納品されることを望み、配送のために追加費用を支払うことも辞さない。
95后はどのようなAPPを使用しているのか?
95后の一日はAPPに始まり、APPに終わる。現金は不要で、スマホ一つで日々のニーズを全て満たすことができる。
・美団、餓了麼——1日3食のフードデリバリーを解決
・滴滴出行——外出を解決
・盒馬鮮生、天猫スーパー・京東——スーパーでの買い物を解決。1時間後、当日、翌日には到着
・天猫、京東——各ニーズを満たし、絶えず購入を繰り返す
・支付宝/微信——日々の一切の支払い
・微博——娯楽のヘッドラインやスターのゴシップなど
・微信/QQ——チャットツールとモーメンツ
・縦型のシェアアプリ-小紅書(加工)、宝宝樹・ベビーツリー(育児)、下厨房(料理)、好好住(内装)、大衆点評(グルメ)など。シェアをすると同時にひたすら購入
・抖音/快手/bilibili——短編動画時代の新娯楽APP(買い物あり、生放送あり、笑いあり)。視聴すると同時にひたすら購入
短編動画が発展してECプラットフォームと連動するに従い、コンテンツ内におけるシェアとEC領域は看過できなくなった。中国のモバイルインターネットデータによると、2019年9月に短編動画の普及率は72%に達したが、6月の新規インストールユーザーは依然として9000万人を超えていたという。
日本企業はどのようにECを行うべきか?
①中国進出のために日本で準備した新ブランドを如何にECで販売するか?
日本企業が中国に参入する初期の頃には、市場の需要や製品などのさまざまな不確実性のために、越境ECを通じた市場調査を行うとともに、徐々に製品ラインを改善して中国市場に参入するための良い基盤を整えることができる。2019年、中国における越境EC市場規模は10.5万億元に達し、前年比で16.66%増加した(《2019年度中国进口跨境电商发展报告》より参照)。増加速度は減少しているものの、未だ発展の段階にある。
2012年に中国の越境ECが成立して以来、今日に至るまで「3つの階層」を形成してきた。1つ目の階層はバックグラウンドが強力な網易考拉や天猫国際の「ヘッドプラットフォーム」であり、規模が大きく、閲覧数、ブランドが多い。 2つ目の階層は、洋碼頭、唯品国際、小紅書、および京東全球購などだ。3つ目の階層は、主に蜂芽、貝貝、宝宝樹などの母子製品のプラットフォームだ。
②中国におけるオフラインの老舗ブランドはどのようにEC展開をしているのか?
オフラインの成熟したブランドは、近年の小売業界が受けたECの衝撃により一貫して低下し続けている。全力でECをサポートしているのが大方の趨勢であり、オフラインとオンラインにおける価格のバランスを取り、新小売(スマートストア、ポップアップ・ストア、盒馬鮮生etc)と結合させることでオフラインとオンラインを繋ぎ、会員システムを強化し、顧客の買い物に対する総合的なニーズを満たし、オフラインではより多くの体験、交流、サービスを提供し、オンラインでの取引を促進させている。
③中国において既に発展しているECは長年事業拡大のボトルネックに直面しているが、どのように成長しているのか?
ECは初期の1.0バージョンから現在のバージョン4.0まで進化してきた(1.0初期EC-2.0通信速度EC-3.0品質EC-4.0内容EC)。コンテンツを第一とする新たなEC時代の幕開けにより、縦型プラットフォームのグラフィック短編動画でコンテンツを広め、KOLを広めライブ放送を広めて初めて従来ECを突破し、新たなECが増加するようになる。従来の企業におけるEC部門とマーケティング部門はばらばらだったが、ECコンテンツの隆盛に伴い、Emkt(Electronic Marketing)が企業において重視され始めている。従来のマーケティングでは、Emktは主にオンラインのECを関連するブランドプロモーションに組み合わせるというものだった。特売日や新製品の発売、オンラインTVメディアプロモーションのリンクなどだ。マーケット部門の広告投下は露出がどれほど売上に繋がるかというデータが追跡困難であるのに対し、EmktはECでの販売データが比較的追跡可能だ。昨年7月、10月、11月にRichellと天猫全球が共同で行ったトレジャーハントの活動では、プロモーションと同時に100%の成長を達成した。
④従来のメーカーのBtoBブランドをECにおいて如何に発展させるか
2Bプラットフォームの参入により企業の露出と生産能力が向上し、越境ECを通じて中国から海外へ発送できるようになった。アリババの国内配送網、国際配送網は比較的優れた選択肢だ。
中国ECではどのような準備が必要か?
ヒト——長時間の待機
プロのオペレーターは、専門知識と豊富な経験に加え、プラットフォームの要求にリアルタイムで対応する必要がある。近年話題となっている996労働時間も、中国EC業界では標準的だ。効率速度の変化は、ECで成果を挙げるための基本だ。
モノ——効率的な製品の準備
ターゲット市場の動向を常に調査し、市場のニーズを満たす製品を迅速に生産するための体制を整え、シームレスな在庫をタイムリーに準備する必要がある。
カネ——合理的なオムニチャネル配信
従来の純粋なブランディングの考え方を打ち破り、EMKTコンテンツチームを打ち出しオンラインとオフライン連動させることで時代のニーズを満たし、ECプラットフォームの活動と組み合わせることでプラットフォームを広め、コンテンツを広め、KOLを広め、シェアをしてムーブメントを起こす同時にブランドの知名度を高める。
本記事は「上海菩駿金栗信息科技有限公司」にご提供頂きました。