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理想のオフィスを探せ!~内装会社のオフィス拝見~
オフィス作りのプロのアイデアが詰まった空間で、理想のオフィスのポイントを探る!
理想のオフィス作りのプロといえば内装会社。そんな内装会社自身のオフィス空間って一体どんなところ? プロのアイデアが詰まった空間で、理想のオフィスのポイントを探る!
◎内装会社その1
Semba
上海船場建築装飾有限公司
日本で商業施設の内装デザインを多数手がける「(株)船場」の中国総本部
西康路225号3幢3階
6272-2213
※内装会社の詳細は
秘密基地を彷彿とさせる、計算された仕事場
複合オフィス施設のワンフロアに、突如待ち受けるカジュアルな一角。「船場中国」の各拠点のスタッフの提案から、社内コンペを経て採用されたのは、日本人と中国人計2名の案を融合させた「リラックス感のある仕事場」だ。エントランスにはカフェカウンターを模した受付、隣には壁一面にレンガが施された待合スペース……秘密基地を思わせるボーイッシュな空間には、偶然停められていた自転車もしっくり似合っている。フロアの側面に並ぶのは、クリアボックスのような3つの会議室。「打ち合わせの際に色の提案もできるように」と、コーポレートカラーの黄緑などポップな色合わせを際立たせている。色や素材を多用しながらも、不思議と集中できる仕事場。プロならではの巧みな計算の賜だろう。
(写真①)レンガを配した待合スペースは社内ミーティングでも活用。カフェカウンターのような受付では、コーヒー1杯1元のサービスも!
(写真②③)3つ並んだ会議室は、ガラス張りの側面から各テーマカラーがはっきりと伺える
◎内装会社その2
NOMURA
乃村工藝建築装飾(北京)有限公司
日本のディスプレイ業界で名高い「乃村工藝社」の全額出資会社
淮海西路570号第8棟C7-201単元 6217-9567(日本語可)
※内装会社の詳細は
クリエイティブな仕掛けに囲まれて働く
元製鉄工場の跡地を、アートスポットとオフィススペースが混在するユニークな一帯として再生した「紅坊」。2012年にこの一角に移転した上海支店は、同社が設計・施工したクリエイティブな仕掛けにあふれた全3フロア。タラップを昇った先にある2階がエントランスとなっており、ガラス張りの廊下や、まるで屋根裏に続くような階段を進んでいく。社内打ち合わせや顧客とのミーティングもできるよう、パブリックスペースも有効に利用されている。さらに最上階に現れるのは、天井高をたっぷりととった多目的スペース! 紅坊名物のアート公園も見渡せる空間で、顧客のニーズに合ったアイデアが生み出されている。
(写真①)開放感抜群の多目的スペース。ヨーロッパと中国の融合をテーマに、乃村工藝社デザイナー小坂竜氏による鳥かご&シャンデリアモチーフの照明を使用
(写真②)木片パネルをランダムに敷き詰めた壁、階段横の白い壁の裏には、空間を効率よく利用した隠れ収納スペースを設置
(写真③)階の設計部オフィスとライブラリー。白と木目調を基調とした、明るく快適な空間
◎内装会社その3
Neri&Hu
如恩設計研究室
●中国のデザイン界を牽引する建築家、リンドン・ネリとロザンナ・フーによる多角的建築デザイン事務所。「外灘3号プロジェクト」ほか世界各地で活躍中
余慶路88号 6082-3777(英語可)
※会社の詳細は
シンプルさをデザインした“ブラックボックス”
今、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せる中国人建築家ユニット「如恩設計研究室(ネリ&フー)」。老碼頭の倉庫を改装したホテル「ウォーターハウス」など、一目見て同社デザインと分かる、色を抑えたシンプル&スタイリッシュな空間作りが特徴だが、5年前に登場したオフィスもさすがの仕上がりだ。旧租界地で存在感を放つ5階建ての通称・ブラックボックスは、漆黒の外観とは裏腹に、ガラスと白壁、コンクリートの打ちっぱなしを融合した近未来的な空間。一部フロアに吹き抜けを作ったり壁を大胆にくりぬいて、階を越えてスタッフの動きを感じとれる構造だ。話題のクリエイターは、自らの得意技を詰め込んだこんな“箱”で働いている。
(写真①)建築チームが働くスペースは全面白で統一
(写真②)他のフロアの様子が見て取れるユニークな構造
(写真③)“ブラックボックス”たる外観。1階には同社が手がける家具ブランド「The Design Republic Commune」のショールーム、2~5階がワーキングスペース
◎内装会社その4
ASK
上海愛思考建築装飾工程有限公司
上海で21年の実績を持つ、古参の日系内装会社
東江湾路188号B棟7階 6587-1181(日本語可)
※内装会社の詳細は
自然のぬくもりを醸した、癒しのオフィス
虹口サッカー場近く、元オーディオ工場を改装したビジネスパーク内にある「上海アスク」。6年前、街路樹を臨む立地からこちらへと移転してきた際、「新拠点でも緑を感じる空間を」と、自然をテーマに、木目やグリーンを多用した内装を展開した。入り口から続く長いアーチは天井まで木製の細工がなされ、まるで鳥居をくぐるような楽しさが。多目的に使われるカフェスペースには、白いチャイナ服をまとった専任スタッフが常駐し、雑務を一手に引き受けてくれるシステムもユニークだ。「出社するのが楽しくなるようなオフィスを目指した」との言葉通り、従来の型にはまらない、リラックスムード漂う空間が社員を包んでいる。
(写真①)カフェカウンターでは白い制服の常駐スタッフがテキパキ作業中
(写真②)エントランスに設けられたアプローチ。ここをくぐることでオフとオンの気持ちを切り替えられるとか
(写真③)元工場の雰囲気が垣間見られるワーキングスペース。天井の配線をすべて白に塗装することで、隠さずともすっきり
(写真④)仕切りガラスに草木の模様。足元には人工芝を敷いてナチュラル感を強調
国誉家具(中国)有限公司
138-1786-1872(矢吹 真紀、日中言語対応可)
※内装会社の詳細は
(写真①)林をイメージし白い柱を格子状に張り巡らせた階段。随所に設置した同社のヒストリーや家具を見ながら進むうち、いつの間にか2階に到着している仕掛け
(写真②)エントランスホール。受付カウンターの頭上に、剥き出しの廊下を設置するなど、ユニークな動線
(写真③)2階にある広大なショールーム。段差を巧妙に利用し家具が配置されている
(写真④)スタッフが実際に働く2階のライブオフィス
◎内装会社その6
okamura
上海岡村家具物流設備有限公司
上海岡村建築装飾有限公司
家具、空間デザイン、内装・IT工事までオフィス作りを一括プロデュース
長寧路1018号龍之夢ビル19階 6074-6098(日本語可)
※内装会社の詳細は
様々な工夫やアイデアが詰まった快適空間
中山公園、龍之夢ビルにオフィスを構える「オカムラ」。入居4年が過ぎたとは思えない清潔感のあるすっきりとした空間は、家具や内装はもちろんのこと、使い方や運用ルールまで熟慮した工夫やアイデアの賜物だ。コピーや給茶コーナー、倉庫内に至るまで美しく整頓されている。限られた空間を広く感じさせるため、オープン空間は、各スペースを壁で仕切るのではなく、カーペットのカラーや天井の素材の使い分けにより分けている点にも注目。「オフィスは実験の場」と話すように、より良い空間を常に模索し、良いと思ったレイアウトはその都度自ら試してみる、という姿勢が辿り着いた快適オフィスの形が、今ここに実現されている。
(写真①)どこにいてもすべてが見渡せる開放的な空間
(写真②)社員の交流を活性化するカフェスペース。冷蔵庫や備品類も上手に格納してスッキリした印象に
(写真③)ゲストの名前が書かれたウェルカムボード。心のこもったおもてなしが好評
(写真④)共有スペースにダーツボードを設置するなど楽しい仕掛けも随所に