Concierge上海2014年9月号
  • 理想のオフィスを探せ!~注目のオフィス訪問~
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    上海で理想のオフィスを実現した、6社の日系企業を潜入調査。元気な会社を作る事例をチェック!


事務所然とした空間も悪くないけれど、ちょっとした遊び心や工夫をオフィスに加えることで、今よりもっと仕事が楽しくなるはず。上海で理想のオフィスを実現した、6社の日系企業を潜入調査。元気な会社を作るオフィスの事例を一挙にチェック!


◎注目の日系企業その1


KLab 

可来軟件開発(上海)有限公司   

※会社の詳細はKLab


徐家匯エリア│従業員数約40名│2012年11月移転│1フロア 約389㎡

日本で登録者数のべ2,000万人を誇る人気ソーシャルゲームを運営。「恋してキャバ嬢」「キャプテン翼~つくろうドリームチーム」など、大ヒットゲームを多数リリースしている。2012年に中国進出。日本とアメリカ市場で成功を収めてきたノウハウを礎に、中国モバイルオンラインゲーム市場を積極的に開拓中


港匯広場の高層階に浮かぶ、夢のオフィス!


徐家匯のど真ん中にそびえる港匯広場。そのほぼ最上階に一昨年誕生した「KLab China」の新オフィスは、誰もが目を見張る遊び心満載の空間だ。訪れるとまず目に入るのは、ユニークな家具が並ぶリフレッシュスペース。楽しい空間を入り口に設けることで、同社らしいクリエイティブな社風をアピールしている。また地上38階という高層空間に繋がる意匠として、家具や照明、打ち合わせブースの形に、もくもくとした雲のフォルムを導入。飛行機型のデザインがフロアの随所に隠れ、部署ごとのパーテーションを世界の航空会社の名前で分けるなど“雲の上のオフィス”というテーマを社員皆で楽しみながら徹底している。同オフィスは昨年、室内装飾賞オフィス部門トップを獲得。自他共に認める、オフィスの理想型だ。


(上写真)↑フロアの中心に設けられたユニークなリフレッシュスペースは、オフィスの顔的存在。界わい髄一の高さを誇る港匯広場の高層階だけに、窓の外には息を呑む絶景が。はるか遠くには、陸家嘴の摩天楼の姿まで!


フロアの各所に、議論ができる空間を

見晴らしの良い窓際スペースには、思い立ったらすぐ議論ができるよう、随所にシートを設置。社員のアクティビティを誘発する仕掛けが満載だ


(写真左)雲がモチーフのモクモクとしたフォルムは、打ち合わせブースの扉にも。ガラス素材と曲線を多用し、浮遊感ある独特の空間が完成

(写真右)アイデアをその都度書けるスペースも豊富。通路には、吹き出しモチーフのホワイトボード。部署ごとのパーテーションも、書き込める仕様


※内装会社の詳細はBUILD Lab.



◎注目の日系企業その2


iVision

上海菱威深信息技術有限公司  

 ※会社の詳細はiVision


陸家嘴エリア│従業員数約200名│2012年10月移転│1フロア 約2,500㎡

2003年設立、上海で企業向け情報システムのコンサルティングから開発・運用までトータルソリューションを提供する。2012年の同社移転の際に伴ったIT構築も、もちろん自社で対応。内装会社とシステム会社、それぞれの分野のプロ企業がタッグを組んで完成したオフィスは「まさに知恵の結晶」と話す


約2,500平米の多様なコミュニケーション空間


IT系企業が一堂に会する浦東の「陸家嘴ソフトウェアパーク」に拠点を移して2年の「iVision Shanghai」。約2カ月間、内装会社と週一で打ち合わせを重ねながら作り上げたという空間は、整然とデスクが並ぶ広大なワーキングスペースをメインに、ポップな色使いがポイントのカフェテリアや一風変わった交流スペースを備えた、緩急ある仕事場となっている。たとえばフロア奥のコミュニティスペース(写真右上)は、そこだけカーペットの配色をがらりと変え、家具や備品も最小限に抑えた多目的空間。壁沿いの段差を利用すれば、大人数での打ち合わせや発表にも活躍する。またたっぷりとスペースを取ったカフェテリアも、社員同士のコミュニケーションの場として有益だ。さらに対面側には、テーマカラーによって分けられた会議室が大小10室。意見交換の場を多様に用意し、チームワークを後押しする工夫が凝らされている。


(写真上)↑フロア奥のコミュニティスペースは、人が自然と集まる“公園”をイメージ。壁際に設けられた段差もアイデア次第で様々に利用できる。気軽に意見交換できる場として好評


広大な執務スペースは、椅子の配色などでセクション分けがされている。情報システム会社ゆえ、隣にはセキュリティーを徹底したプロジェクトルームも。交流できる開放感と、セキュリティーを両立した好事例だ


柑橘系の配色がポイントのカフェテリア

ポップな色使いでカジュアル感を演出したカフェテリア。ガラス張りで仕切られたワーキングスペースとのギャップも、オン&オフの切り替えに◎


※内装会社の詳細はITOKI



◎注目の日系企業その3 


KYOCERA

京瓷(中国)商貿有限公司  

 ※会社の詳細はKYOCERA


大寧路エリア│2012年3月移転│1フロア 約800㎡

セラミック製造技術を活用した機械工具を幅広く扱う。従来は浦東のオフィスビルに事務所を、広州にデモンストレーションスペースを有していたが、クライアントの利便性などを考え、2012年3月上海に新オフィスを設立。今後の発展も期待される注目の大寧路エリアに、オフィス兼ショールームを構えている


工場のような外観にも驚き! 高い天井が目印の明るい職場


一昨年に“テクニカルセンター”と称するオフィス兼ショールームをオープンした「京セラ」。機械工具を扱う同社の特性を活かし、工場をイメージしたというレンガ造りの外観が、道路沿いで一際目立っている。併設のショールームに大型機械を飾ることを前提に、5メートルの天井高を持つホールのような物件をまるごと利用。約800平米のフロアは、高い天井をフルにデザインし、太陽光を取り入れた明るいスペースに。思い切って吹き抜けにすることで、開放感がより際立っている。天井へと続くユニークな棚など、メインカラーは白に統一しながらも、ビビッドカラーの家具をアクセントとして取り入れているのも、オフィスが単調にならないポイントだ。


(写真上)↑天井を張らずに吹き抜けにすることで、太陽光が降り注ぐ明るいワーキングスペースが実現。清潔感あるホワイトに家具が際立つ


開放感ある打ち合わせスペース

ワーキングスペースの隣には、打ち合わせなどで活用できる一角が。たっぷりの天井高で、リラックスムードが漂う


※内装会社の詳細はITOKI




◎注目の日系企業その4


STARTS

世達志不動産投資顧問(上海)有限公司  

 ※会社の詳細はSTARTS


徐家匯エリア│従業員数23名│2008年3月移転│1フロア 約2,400㎡(シェアオフィス全体)

完全日本語対応の「スターツサービスオフィス・COCORO」を、徐家匯エリアにて運営。豊富なレイアウトの3~6名部屋を用意し、入居者は受付・会議室・コピー室・リフレッシュコーナーなど共有スペースを自由に利用できる。現在、入居者の9割が日系企業とか。詳細はwww.starts.co.jp/shanghai/startsi/


利便性が詰まったワンフロア。シェアオフィスという選択肢


徐家匯から徒歩圏内の好立地に建つ、円盤のような屋上が目印の高層ビル。その6階全体をシェアオフィスとして運営する「スターツ上海」は、自社オフィスも同フロアの一角に構える。フロアを一周する通路沿いに、大小のオフィススペースがずらり全48室。その合間に点在するのが、使い勝手抜群の共有スペースだ。たとえば6カ所に佇む会議室は、内装や家具のテイストが1室ごとにがらりと変えてあり、気分や用途によって使い分け可能。テレビ付きのラウンジも、打ち合わせや休憩に大活躍。これらを同社も実際に利用しながら“入居者目線”を保っている。利便性の高い共有スペースを通して、会社を越えた意見交換が自然となされるのも、シェアオフィスの醍醐味だ。


(写真上)↑通路沿いに現れる共有の会議室は、内装をオレンジに統一。対して応接間のようなシックな部屋も完備。この触れ幅が特徴だ


使い方自在のラウンジスペース

受付の裏には、細長いラウンジ空間。通路からも中の様子が伺えるよう設計することで、気軽に利用できるオープンな場に


※内装会社の詳細はKOKUYO



◎注目の日系企業その5


JINS

睛姿商貿(上海)有限公司  

 ※会社の詳細はJINS


虹橋エリア│上海本社従業員数 26名│2014年3月移転│1フロア 645㎡

中国全土に28店舗(8月15日現在)を構える眼鏡ブランド。日本品質ながらリーズナブルなオリジナルフレームを豊富に揃える。「金虹橋国際中心」地下に今秋誕生する「アピタ」に、最新店舗をオープン予定


自社のセンスを徹底した、渾身のオフィス作り


虹橋エリアの新ランドマークとして注目を浴びる「金虹橋国際中心」。錚々たる企業が名を連ねるオフィスビルに移転して半年を迎えるのが、おなじみ眼鏡ブランドの「JINS」だ。訪れてまず驚くのは、オフィスとは思えぬリラックス感溢れるラウンジスペース。総経理自らほぼすべての内装デザインを発案した空間は「1杯飲めるような、カフェバーっぽい空間」を目指したとか。照明や家具もひとひねりあるデザインのものを、一から探して調達したというこだわりようだ。対して、会議室や総経理室は潔いほどの全面ガラス張り。「一切隠すものがないオープンさをアピールした」と話すとおり、隅から隅まで完璧に見渡せるスケルトンな空間に目を見張る。さらにワーキングスペースは、天井や壁、デスクにいたるまですべてホワイトで統一、単色使いのスタイリッシュさが際立つ。センス自慢の同社だから叶った、あこがれのオフィスの姿だ。


(写真上)↑一歩入ってまず目に入るのは、カフェのようなエントランス。オリーブ色の壁にグレーのドア、球状の照明が好相性だ。右手には、ブラック、カラフル、ホワイトと、異なるテーマを持つ3つの会議室。左手のドアの向こうが、全面ホワイトのワーキングスペースだ


(写真左)ガラス面に向かってカウンターを配した休憩室。家具をホワイトで統一、清々しい空気感が漂う。ちょっと一息に最適な場所だ

(写真右)広々とした仕事場にはまだまだ余剰スペースが。「2カ年計画で中国100店舗を見据え、スタッフ増員を想定した結果」とか


異なる用途を持つ、3つの色の会議室

黒を基調とした部屋は重要な会議向け、カラフルな椅子が並ぶ部屋はカジュアルミーティングに、全面ホワイトの部屋は店舗スタッフの勉強会などで使用。3室とも側面は全面ガラス張り!





◎注目の日系企業その6


Yamaha

雅馬哈楽器音響(中国)投資有限公司  

 ※会社の詳細はYamaha


静安寺エリア│2008年移転│3フロア

ピアノや管楽器などの製造・販売を手がける、おなじみ世界シェアトップクラスの楽器・音響メーカー。中国進出は1985年。中国でも多くの音楽愛好家の支持を集める。最近は「ヤマハグリーンキャンペーン」として人体に安全な楽器作りを推進中。また中国主要都市に「ヤマハ音楽教室」も運営している


まるでコンサートホールのような優雅なオフィス

静安寺からほど近い交差点に、半円を描いた乳白色の外観が目を引くビルが建っている。エントランスホールにはグランドピアノ、その横から延びる真っ白な階段を昇れば、上階の受付に辿り着く。一見コンサートホールかと見間違えるような優雅な空間だが、こここそが楽器メーカーとして著名な「ヤマハ」の中国本社社屋だ。ビルの形状に合わせ、美しいカーブを描くフロアは、中心に「エッグホール」と呼ばれる卵型の多目的スペース、その周囲に打ち合わせブースや楽器の展示室、演奏スタジオがぐるりと並び、対面側にワーキングスペースが広がる。フロアの軸となるエッグホールは会議のほか、コンサートや発表会としても頻繁に使用されるとか。まさに音楽を核としたレイアウトが、同社らしさを存分に伝えている。


(写真上)↑1階のエントランスから上階の受付へと続く、吹き抜けの階段スペース。左右幅をたっぷりと取った真っ白な階段は、コンサートホールを思わせる優雅なアプローチだ。陽光が美しく入る窓際には、ミーティングスペースも設置されている


(写真左)開放感抜群のエントランスでは、真っ白なグランドピアノが出迎える。上階へは、ホワイト階段か、ガラス張りのエレベーターで上がる

(写真右)フロア奥に、ピアノルームと管楽器の展示室を設置。それぞれ個室スタジオを併設しており、プロの音楽家も試し弾きに訪れるとか


フロアの中心に、卵型ホール

エッグホールと呼ばれる多目的スペースは、楕円形がユニーク。その周りをなぞるように通路部分も白色になっておりフォルムが際立っている


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