キーマンインタビュー

英創人材服務（上海）有限公司　北京分公司　
華北区　総監 北尾 直樹氏


今年、テンプスタッフ中国と経営統合し、日系最大級の求職者登録数を有する人材会社としてパワーアップしたインテリジェンス中国。華北区総監・北尾氏に意気込みを伺った。


統合におけるメリットを
最大限活かして


　中国大陸・香港8拠点で展開するインテリジェンス（英創）と、同7拠点で展開するテンプスタッフが今年6月に統合し、中国で日系最大級の求職者登録数を有する人材紹介企業、また日系最大級の求人依頼数を有する転職支援企業、研修・コンサル・派遣など様々な事業を有する人材総合サービス企業として生まれ変わりました。
　弊社は1996年より中国で人材仲介業を行ってきたノウハウを活かし、人材紹介事業を主軸事業としています。今まではどちらかといえば30代前半までの若手人材のニーズが多かったのが、企業の現地化が進む昨今、お客様から高級管理職や経営者候補の求人案件をいただく機会が増えてきました。元々テンプスタッフが、売上高で世界第7位の人材サービス企業である米国ケリーサービス社と合弁していたこともあり、管理層・経営層の英語人材のご紹介も可能となりました。面談を行わない人材紹介会社も多いのですが、弊社ではお問い合わせをいただいたお客様を必ず訪問して詳細をヒアリングし、求職者とは必ず面談を行います。当り前のことをしっかりやっていく基本動作は崩しません。その分マッチングレベルが高いと言っていただくことが大事だと考えています。
　近年、現地人材の育成・登用を急務とする企業も多いため、管理職研修などの人材育成事業も手掛けています。また、香港を含む華南・華東地区では会員制の人事労務コンサルティング事業を行っており、会員企業様は中国全土で700社を超えています。右肩上がりに売上げが上がる時代ではなくなった今、賃金制度や評価制度構築サポートのご依頼を受ける機会も増えています。これから北京を中心として華北地域でも同様のサービスを展開していく予定ですのでお気軽にご相談ください。今後も中国における「HRのベストパートナー」として、人事領域のワンストップサービスを提供できるよう邁進して参ります。


中国歴17年の経験を活かして


今年で中国歴通算17年になります。94年に大学を卒業した私はバブルが崩壊した直後の世代。学生ながら時代の閉塞感を感じ、当時から海外志向がありました。大学4回生の93年、上海華東師範大学に半年留学。その時目にした上海の活気が忘れられなかったですね。
　大学卒業後は証券会社に入社するも、しばらくして中国で人材ビジネスを立ち上げようと思い立ちます。留学した当時はまだ中国に分配制度が残っており、自由に職業を選べない学生も多かったのですが、上海など大都市の学生たちは選択が可能になってきた時代でした。しかし情報がない。そこで、当時のリクルートブックのような就職情報誌を作ろうと考えます。ひとり乗り込み調査をしていると、既にリクルート社がこちらに来ているということが分かり、いつのまにか一緒に仕事することになりました。当時のボスが、現インテリジェンス中国総経理の黒崎です。今と違ってサービス業は中国で営業ライセンスを取得することが非常に厳しい時代でもあり、自分で事業を起こすのは尚早と判断し一旦帰国します。
　98年に帰国後、中国で経営の勉強ができることを条件に仕事を探し、日系半導体メーカーに入社。1年半中国室に在籍し、出張ベースで上海に赴き販売会社を立ち上げ、2000年に初代駐在員として上海へ赴任。日本の景気が冷え込む状況と違って、当時の中国は右肩上がりの時期。駐在は私だけで、セットアップから運営・管理全般を行いました。社員は当初の4名から6年後には分公司も入れて150名まで増加、売上げは10倍に。今思えば良い時代でした。
　07年、満を持して人材事業に戻るべく香港へ。当時黒崎が手掛けていたSMCアンカーに経営参加しました。11年にインテリジェンス中国と経営統合。また13年、テンプスタッフグループにインテリジェンスが参画。華北地域の事業強化を目的に、5月に深センから北京にやってきました。


原理原則にのっとり
異文化に逃げない


外国で仕事をしている以上、異文化を理解し、尊重することは当然ですが、マネジメントの原理原則はどこの国でも同じ。異文化に逃げないと言い聞かせています。人対人という意味では中国も日本も一緒。「中国だから」と決めつけてしまうと見えるものも見えなくなってしまう。だからこそコミュニケーションの重要性は意識しています。聞いてみて話してみる。その上で、人それぞれのツボを見つけてそこを刺激し続けていくこと。ずっと自分でモチベーションを保ち続けられる人はなかなかいないの
で、ツボを押し続ける。それも自分の役割だと思っています。うまくいかないことも多いけど、そういう時は座右の銘の「今に生きろ」で過ごします。多少凹んでも、「今から今から」と自分に言い聞かせ、調子の良い時は、「今からが大事や」と冷静に。こんな感じで今日も格闘しています。


北京事務所の社員は駐在員を含む日本人3名と中国人15名です。社内でもビジネス基礎研修や管理職研修などを実施中。求職者の多くが中国人で、うち日本語人材は約半分、技術系人材などの登録も多いです。


きたお　なおき
1972年大阪府生まれ、奈良県育ち。94年立命館大学法学部卒業。証券会社勤務を経て、97年人材ビジネスを起業するべく上海へ。98年日本に帰国し半導体メーカーに入社。00年から上海勤務。07年SMCアンカーに経営参加。11年SMCアンカーとインテリジェンスが経営統合。14年4月から現職。趣味は釣り
北尾さんを知るキーワード

野球に燃えていたあの頃

高校まで野球をしていて、ポジションは6番ショートでした。怪我の多かった当時から座右の銘は「今に生きろ」。瞬きの一瞬からすべては変えられると考えています。

深センでイカ釣りにハマる

釣りが好きですが、深センでは特にイカ釣りが楽しくて。日本ではライバルが多いのに中国はライバル不在で入れ食い状態（笑）。高級品のアオリイカが良く釣れました。

上海版03 年6月号に載りました

実はコンシェルジュ登場は今回で2回目。上海版創刊２号の表紙に妻とともに登場させていただきました。恥ずかしかったですが、今となっては懐かしい思い出です。


英創人材服務（上海）有限公司北京分公司
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