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オフショア信託に係る個人所得税の 徴収管理事項に関する公告
国家税務総局は2026年7月24日、「オフショア信託に係る個人所得税の徴収管理事項に関する公告」を公布しました。本公告は、「財政部・税務総局によるオフショア信託に係る個人所得税関連事項に関する公告」を踏まえ、オフショア信託に関する個人所得税の申告、納税、資料提出及び受託者の管理義務等を明確化したものです。
近年、中国では富裕層個人による海外資産管理や相続対策を目的としたオフショア信託の利用が増加しており、税務当局は国外へ移転された資産及び信託収益に対する管理を強化しています。本公告により、オフショア信託について、財産組入時、運用時、分配時及び終了時における個人所得税の取扱いが具体化されました。
1.主管税務機関の明確化
オフショア信託に係る個人所得税の主管税務機関は、原則として、信託財産に関連する中国国内主要生産経営企業の登記所在地を管轄する税務機関となります。
中国国内に関連する生産経営企業が存在しない場合には、納税者の中国国内財産所在地又は常居住地を管轄する税務機関が主管税務機関となります。
これにより、従来不明確であったオフショア信託に関する申告先が明確化されました。
2.財産組入時及び信託収益に対する課税
居住者個人が財産をオフショア信託へ組み入れる場合、財産組入時に発生する財産譲渡所得について、翌年3月1日から6月30日までの期間に個人所得税を申告・納付する必要があります。
非居住者個人の場合、中国国内源泉の財産譲渡所得について、財産組入日の翌月15日以内に申告・納税する必要があります。
また、財産を組み入れた居住者個人は、毎年3月1日から6月30日までの期間に、前年度にオフショア信託から発生した収益について、「財産譲渡所得」及び「利息・配当・利益配当所得」として申告する必要があります。
3.資料提出及び情報開示義務の強化
初回申告時には、以下の資料の提出が必要となります。
・オフショア信託契約書又は関連書類
・信託へ組み入れた財産明細
・信託組織構成等の情報
・その他関連資料
さらに、信託財務諸表、運用収益及び収益分配状況等の提出も求められています。
また、本公告施行前に既に設定されたオフショア信託についても、初回申告時に信託設定年度、2025年度の年度報告表及び過年度財務諸表等の提出が必要とされています。既存のオフショア信託についても税務当局への情報開示義務が発生する点に注意が必要です。
4.信託終了時及び居住者資格変更時の対応
居住者個人が設定したオフショア信託が終了する場合、清算完了日の翌月15日以内に、清算収益等について申告・納税する必要があります。
また、信託設定後に居住者個人が非居住者個人となった場合にも、変更時点までの信託運用収益等について申告義務が発生します。
さらに、設定者が死亡した場合には、信託承継者又は受託者が状況に応じて申告・納税義務を負うことになります。
5.受託者の管理義務及び実務上の留意点
本公告では、オフショア信託の受託者についても、信託運営中に発生する収益及び分配状況を正確に計算し、納税者の申告・納税及び資料提出を支援する義務が明確化されています。
今回の公告により、中国税務当局はオフショア信託について、設定から終了まで一貫した管理体制を構築しました。
中国居住者個人がオフショア信託を利用して株式、不動産、金融資産等を管理している場合、以下の点について確認が必要です。
・既存のオフショア信託が申告対象となるか
・信託財産の評価額及び取得価額の確認
・過年度収益及び分配状況の整理
・必要資料の準備及び中国語対応
本公告は、中国税務当局による国外資産管理の強化を示すものであり、中国居住者である富裕層個人及び関連企業グループにおいては、既存の信託スキームを含め、税務影響を早期に確認することが重要です。
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