キーマンインタビュー

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NTT DATA(中国)信息技術有限公司
副総裁 飯沼 寿朗 氏 2026年8月号
在中日系企業を
支える伴走者に
世界規模で事業を展開するNTTグループ。ITサービスの日本ランキング1位、世界ランキング5位、データセンター事業では3位を誇る。その中で中国事業は、単なる開発拠点ではなく、先端技術や市場の変化をいち早く捉え、新たな価値を創出する重要拠点へと進化している。「上海恩梯梯数据晋恒软件有限公司」総経理の飯沼氏にお話を伺った。

「NTTデータ」は、1988年に「NTT」(当時は日本電信電話)のITサービス外販事業を分離する形で分社・独立し、2025年にはTOBにより再び100%子会社となりました。現在はグループ全体で20万人以上の社員を擁し、70以上の国と地域で事業を展開しています。設立当初は日本の公共分野向け事業が中心でしたが、現在では幅広い業界の企業や社会インフラを支えるITサービスを提供しています。
私が初めて上海へ赴任したのは2013年です。当時は中国ローカル事業の立ち上げを担当し、グループ会社と連携しながら新規のお客様開拓に取り組みました。
2022年の2度目の赴任では、新型コロナ後の厳しい事業環境の中、中国ローカル事業の構造改革から着手しました。中国市場を取り巻く環境が大きく変化し、多くの企業が事業運営の見直しを迫られる中、当社でも事業構造の転換が必要となりました。事業の整理・統合や体制の見直しを進め、約1年半で改革に一定のめどをつけることができました。
現在も、ローカル事業の成長を担うというミッションは変わりませんが、特に外資系企業、なかでも日系企業にフォーカスし、日本向け研究開発の成果を応用したオファリング開発や、AIを活用した新たな価値提供に注力しています。
その後、中国をマーケットとして捉えたローカル事業にも取り組み、現在では主に外資系グローバル企業やそのサプライヤーに対し、基幹系・情報系システム構築を通じた経営課題の解決を支援しています。
また、中国ではAI研究開発が進み、電気自動車やドローン、ロボットなど製造業分野でも先端技術の活用が拡大しています。こうした技術や実際のユースケースを事業やサービスへ生かせることは、中国拠点の大きな価値の一つです。現在では生成AIを活用した開発生産性・業務生産性向上に向けた研究開発や製品開発支援にも取り組んでいます。
一方で、中国で事業を展開するには、日本とは異なる制度や商習慣への理解が不可欠です。中国は非常に広く、多様性に富んだ市場であり、一面的な情報だけでは本質を捉えることはできません。
私自身、日本と中国の双方で仕事を経験してきたからこそ、それぞれの強みや違いを理解し、お客様にとって最適な提案や橋渡しができることが価値だと考えています。中国で得た知見を日本のお客様へ、日本で培った品質や経験を中国のお客様へ還元し、両地域の強みをつないでいくことが私たちの役割です。
そこで当社では、20年以上に亘り培ってきたオフショア開発の実績を生かし、お客様が保有するシステム全体の開発から維持・運用までを一貫して支援するサービスを提供しています。単なるコスト削減ではなく、お客様が本来注力すべき業務へ経営資源を集中できる環境づくりを支援しています。
また、生成AIの活用においては、中国特有の課題への対応が欠かせません。中国国外へのデータ越境規制、利用可能な生成AI基盤の違い、中国製LLMの安全性に対する日本本社への説明など、技術面だけでなく制度面や両国のビジネス環境を理解した対応が求められます。
だからこそNTTグループでは、日本本社にも安心して導入いただける中国独自のAI活用基盤の提供に取り組んでいます。中国でも大胆なR&Dができることと、日本と中国双方の制度・技術・商習慣を理解していることが、私たちならではの強みです。
「NTTデータグループ」のミッションは、「情報技術で新しい『しくみ』や『価値』を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」ことです。
中国においても、特に約1万3,000社の在中日系企業が抱える経営課題を情報技術で解決していきたいと考えています。
中国は経済成長率の鈍化が報じられる一方、その経済規模を考えれば、4〜5%の成長率といった数字でも非常に大きな市場が生まれています。重要なのは、限られた市場の中でシェアを奪い合うことではなく、新しい価値や市場を創出する視点です。
中国では、日本で勤務していた頃には出会えなかった企業や経営者の方々と交流する機会があります。そうしたネットワークも生かしながら、日系企業同士がそれぞれの強みを発揮し、中国市場で持続的に成長できる環境づくりに貢献していきたいと考えています。

2013年に初めて上海に駐在し、2022年から2度目の赴任となりました。日中関係はさまざまに語られますが、上海では日本文化や食を通じた人々のつながりの深さを日々実感しています

当社の年会では、中国におけるフィジカルAIの進化を定点観測する目的で、毎年ロボットを採用しています。今年はダンサーロボットを導入しましたが、その動きはもはや機械の域を超え、人の感性に響く表現力を備えていました
プロフィール Toshio Iinuma
ゴルフ&ジム

体型維持のためのジム通いと趣味のゴルフを、なるべく週1回できるようスケジュールを作っています。新たな課題も次々出てきますが、楽しく続けています。

文字通り寝食を忘れて没頭してしまいます。最近は子どももAIとプログラムを作ることを覚え、お互いに作ったゲームや写真共有サービスで遊んでいます。
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