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中華人民共和国増値税法
2024年12月25日、第14回全国人民代表大会常務委員会第13回会議にて「中華人民共和国増値税法」が決議され、施行されます。施行日は2026年1月1日からとなります。
2026年1月1日に施行される増値税法は増値税暫定条例と比較し、主に以下の点において、改正と改善が行われています。
1. 法律化
増値税法は全国人民代表大会常務委員会によって可決され、法律化されており、行政法規よりもその効力が高くなっています。
2. 納税者の範囲
第3条:中国国内で貨物、サービス、無形資産、不動産の販売及び貨物の輸入を行う単位及び個人を増値税の納税者と規定されており、特にサービス、無形資産、不動産が明示的に追加され、範囲が拡大されました。
3. みなし販売
第5条:自社製品または委託加工品を従業員の福利や個人消費に使用する、貨物を無償で譲渡する、無償で無形資産、不動産、金融商品を譲渡する場合、みなし販売となります。特にみなし販売に金融商品を譲渡などが追加されています。
4. 小規模納税者の基準
第9条:小規模納税者とは、年間増値税課税販売額が500万元を超えない納税者を指します。つまり、500万元を超えた場合は原則一般納税者となります。
5. 税率と徴収率の明確化
第10条:増値税の基本税率(13%)、軽減税率(9 %、6 %)、輸出税率(無形資産の越境販売を含む)(0%)、及び簡易課税計算方式の納税者の徴収率(3 %)。
6. 売上、仕入増値税
第16条:売上税額とは、納税者が課税取引を行う際に、販売額に増値税法の規定する税率を乗じて計算される増値税額となります。仕入税額とは、納税者が貨物、サービス、無形資産、不動産を購入する際に支払った、または負担した増値税額を指します。納税者は、増値税控除証憑に基づき、売上税額から仕入税額を控除できます。
7. 納税義務の発生時期
第28条:増値税の納税義務発生時点は以下の通りになります。
(一)一般的な取引の場合は、代金受領日または代金受領の証憑を取得した日。先に発票を発行した場合は、発票発行日
(二)みなし販売の場合、納税義務の発生日はみなし販売の完了日
(三)輸入貨物の場合、納税義務の発生日は輸入通関日
8. 徴収管理
第29条:増値税の納税地は以下の通りとなります。
(一)固定の生産経営場所を持つ納税者は、所在地または居住地
(二)固定の生産経営場所を持たない場合は、課税取引の発生地
(三)個人による不動産の販売または賃貸、自然資源使用権の譲渡、建設サービスの提供は、その不動産の所在地、自然資源の所在地、建築サービスの発生地
(四)貨物を輸入する納税者は、税関の規定する場所
(五)源泉徴収義務者は、企業の所在地または居住地
9. 国際取引に対する取り扱い
第33条:納税者が貨物を輸出または越境サービスの提供、無形資産の販売においてゼロ税率の適用を受ける場合、税務機関に税還付(免税)申請を行わなければならなりません。輸出に対する税還付(免税)の具体的な方法は、国務院の定めに従います。
10. 増値税発票
第34条:納税者は法律に基づき、増値税発票を発行及び使用しなければなりません。増値税発票は紙発票及び電子発票を含み、電子発票は紙発票と同等の法的効力を持ちます。
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