キーマンインタビュー
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甫瀚諮詢(上海)有限公司
董事・日系ビジネス事業責任者 奈良 謙一 氏
デジタル&ガバナンスにて
ビジネス統制と変革を支援
アメリカに本社を置くグローバルコンサルティングファーム「Protiviti」。IT戦略・ガバナンス構築、組織・業務変革、PMOの専門家、そして甫瀚諮詢(上海)有限公司 (Protiviti China) 董事を務める奈良氏に話を伺った。
IT戦略・ガバナンス構築、業務変革などコンサルティングの専門家
皆様、はじめまして。私は「Protiviti」にて在中日系ビジネス事業責任者を務める奈良と申します。中国赴任は2021年5月からで、現在は董事を務めています。
中国に来る前の直近5年は、日本でITコンサルティング会社を起業、経営しており、大手上場企業向けにIT戦略・組織変革・業務改善支援などを行いながら、並業として大手障がい者支援企業にも正社員として所属しプロジェクトマネジメント室をリード、経営重点アジェンダへの対応を推進しました。加えて、同志たちと共にNPOの立ち上げなども経験。常に経営課題や社会課題に向き合い、クライアントや同僚と時間を忘れる程、日々熱く議論をしてきました。常に、何かに困っている人や事柄を解決することに楽しみとやりがいを感じます。その後、海を越えての新しいチャレンジの場として選んだ甫瀚では、日系企業向けに内部統制、リスクマネジメント、デジタル&IT変革支援サービスを推進。自身の専門領域であるIT戦略・ガバナンス構築、組織・業務変革、大規模プロジェクトPMOなどのテーマでは先陣をきってプロジェクトを推進しています。
内部統制とリスクマネジメントの
プロフェッショナル集団「Protiviti」
さて、皆様は「Protiviti」という会社をご存知でしょうか?日本では上場企業の経営層、リスク部門、内部監査部門、IT部門からの認知度が高いのですが、ここ中国ではまだまだ認知を広げていっている段階です。弊社は米系コンサルティングファームであるアーサーアンダーセンの内部監査とリスクマネジメント部門をルーツとする、グローバルコンサルティングファームです。世界25カ国、85を超える拠点にて、ガバナンス、リスク、内部監査、経理財務、テクノロジー、デジタル、オペレーション、データ分析におけるコンサルティングサービスを提供しており、Fortune 100の80%以上、Fortune 500の約80%の企業とお取引をしております。「Protiviti China」の設立は2003年で、中国の上場企業に内部統制経営コンサルティングサービスを先駆けて提供した企業です。20年前の進出当初は、内部監査と経理財務アドバイザリー、リスク管理と規制対応がコアビジネスでしたが、その後は業務プロセス変革支援も強化。直近はIT戦略・ガバナンス、セキュリティ&プライバシー管理、IT監査、Digital Marketingなどのテクロノジーコンサルティング支援の拡大に注力しています。
中国では、北京、上海、深圳、香港の4カ所にオフィスを構え、250名以上の専門コンサルタントがおり、中国・欧米・日系企業の各リーディングカンパニーにサービスを提供しています。
なお、弊社では各地域の経営の自立性が高く、私は現地採用として中国エリアにコミットして事業展開をリードしています。現地採用として日系企業様向けの事業責任を担うことで、短期的な利益に主眼を置くのではなく、中期・長期的視点での人材育成・組織開発、及び、お客様のビジネス展開支援にコミットメントできる環境となっています。裁量も責任も大きいですが、その反面とてもやりがいがあるチャレンジングな環境です。
日系企業向けビジネスの中核メンバーは5名おり、少数精鋭のトリリンガルコンサルタント達が皆様の窓口として業務を推進しています。もちろん、クライアント様が解決すべき課題によって社内の専門家、パートナー企業と共にフレキシブルなチーム編成を都度実施しており、このスピード感をもった対応とチーム編成の柔軟性は弊社の強みです。
中国のビジネス状況に目を移すと、日系企業はサービス・商品のローカライズ化、各種法規制への対応、Digital化、サプライチェーンレジリエンスなど、日々移り行く中国の最新状況により迅速且つ適切な対応に迫られています。一方で、日系企業が中国でビジネスを進める際には、情報収集の困難さ、仕事の進め方など文化や習慣の壁にも依然として多く直面します。我々のメンバーはみな中国の文化・ビジネスに精通しており、加えて常にグローバルチームとの情報共有や合同トレーニングも実施しており、ダイバーシティ&インクルージョンの考えも基礎にあります。これらの観点から、日本人と中国人の方の双方の考えも汲んで円滑にプロジェクトを推進ができるのは、弊社の強みとなっています。
堅実な取組みによる飛躍
昨年の新型コロナ流行に伴う移動制限の中でのビジネス展開は、皆様も骨が折れる思いだったかと思います。私の着任時はコロナが広がっているフェーズであり、拠点である上海から動けない状態が続いていたうえに、お客様への訪問もままならない状態でした。そのような状況でも、お客様とのプロジェクト推進ではリモート会議を活用して品質を担保しつつ、マーケティング活動ではウェビナーを最大限活用し、クライアント様の最新課題と弊社アプローチを断続的に配信。赴任後から企画・開催を始めたウェビナーには、延べ1,000名以上からのお申込みをいただくことができました。こうした不確実な状況下での確実な対応は弊社の強みでもありますし、私の個人の強みでもあります。
最後に、我々を取り巻く外部環境・内部環境は絶えず変わっていきます。日系企業向けビジネス支援を行う我々チームの一人一人が常に業界の最新動向をキャッチし、リスクに対応すべく変化しつづけられること。これを率直につづけていくことで、中国における日系企業の皆様が、「ビジネスリスクへの対処ならProtiviti」と、第一想起して頂けるように日々精進します。
皆様のビジネスのお役に立てるような、有益な情報を共有するWeChatグループもありますので、ご興味ございましたらKenichi.Nara@protiviti.comへぜひご連絡ください
PROFILE
プロフィールKenichi Nara
1980年生まれ、北里大学理学部物理学科卒業。Hitachi Solutions, Abeam Consulting、Janssen Pharmaceuticalを経て、ITコンサルティング会社を起業。同時にNPO立ち上げなど社会課題解決への取組みも推進。その後、甫瀚に参画し、在中日系企業向けビジネス推進とテクノロジーソリューション領域を牽引。現在は董事を務める。
週末はゆるりと街中を散策するのが好きで、最長で50km以上散歩したこともあります!上海、旅行先、出張先などにて、公園、お寺、古街を巡りながらのんびりとして、地元の方々と交流するのが好きです。写真は張家界にて民宿の犬とのふれあい。
“Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.”という言葉がとても好きです。コンサルタントは常に業界の最新動向のキャッチアップが必要。毎日、学びを楽しみながら、新しい知識を入手しています!写真は先月参加したオーストラリアでのグローバル研修です。