キーマンインタビュー

大連大陽日酸気体有限公司
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大連大陽日酸気体有限公司

董事 総経理 伊藤 信太郎氏 2022年11月号

ガステクノロジーを通じて
産業発展と社会課題解決に
貢献する企業であり続ける


産業ガスのプロフェッショナルあらゆる産業の発展に広く貢献


 当社(日本酸素ホールディングスグループ)は1910年創業以来、110年以上の歴史で培われた強固な事業基盤と技術力に加え、約40年に渡って取り組んできた海外展開の実績を有しています。現在、「産業ガス」「エレクトロニクス」「サーモス」の3つのビジネスを展開し、グローバルでの競争力強化と成長事業への経営資源の集中を進めているとともに、「The Gas Professionals」として、世界中の顧客にガスを安心・安全・安定的に供給するインフラ企業として、社会的責任も担っています。主力である産業ガス事業は、エネルギーガス(天然ガス等)以外の産業向けのガスの製造・販売事業です。当社のメインは酸素・窒素・アルゴン・ヘリウムで、鉄鋼・化学・自動車・造船・食品・医療等、現代社会を支えるあらゆる産業分野において欠かせない役割を果たしています。現在、注力しているエレクトロニクス事業は、主に半導体、液晶分野の製造プロセスで利用される電子材料ガスを供給し、最先端技術の発展・普及に貢献しています。サーモス事業は、関連性をご存じない方も多いと思いますが、実は、当社は産業ガス貯蔵技術を応用し、世界で初めてステンレス製魔法瓶を開発したメーカーです。現在、全世界でTHERMOSブランドを展開し、様々な家庭用品を提供しています。
 当社の中国での創業は1995年(設立は1993年)で、大連の有力国営企業との合弁からスタートし、大連のみならず、中国華東地区・東北地区を中心にグループ企業の海外現法も含め、現在は17社まで発展しています。中国は「世界の工場(輸出主導型)」から「世界の市場(内需主導型)」への転換が進んでいますが、いずれも素材原料消費地として非常に魅力ある市場であり、消費地立地(地産地消が基本)のビジネスモデルである産業ガス事業が貢献できる重要な拠点と位置付けています。


顧客志向の事業を柔軟に展開価値あるガスソリューションを提供

 当社中国東北地区の事業は、それぞれ異なる機能でありながら、一体経営体制を確立している3つの現地法人で構成しています。①大連大陽日酸気体有限公司:産業ガス販売会社 。②大連長興島大陽日酸気体有限公司:産業ガス(液体 酸素/窒素/アルゴン)生産工場。③撫順大陽日酸気体有限公司:ヘリウムガス充填工場。また、中国統括会社(投資性会社)である大陽日酸(中国)投資有限公司も大連長興島に会社登記しております。
 私は、2018年9月より、大連長興島大陽日酸気体に副総経理として赴任し、経営管理業務に従事しておりましたが、2021年4月より、大連大陽日酸気体、大連長興島大陽日酸気体、撫順大陽日酸気体の3社兼務の董事・総経理に、同時に大陽日酸(中国)投資の常勤董事に任命されました。異なる機能の会社を一体経営することは、それぞれの目標や課題、そして発生する問題も異なるので、“集中力”と“判断力”、そして“報告・連絡・相談を良く聴く力”を非常に重視して対応しています。
 もちろん、中国で事業展開する上で、時には信じられないほどの困難や課題にも直面しますが、必ず基本に立ち返り、“顧客にガスを安心・安全・安定的に供給するインフラ企業として、我々は社会的責任を担っている”と口に出し、“顧客へのガス供給を切らさない”為に我々は何をすべきか?を考え、最適な解決策を導き出しています。これは当社グループ理念である「The Gas Professionals」に基づく世界共通の基本行動です。一方、中国、特に東北地区ならではの特徴を活かした事業展開として、昨年より“遠隔地取引”にも積極的に取り組んでおります。
 “産業ガスは地産地消が基本”と前述しましたが、当地に留まらず、東北人特有の交友ネットワークを通じて遠方企業様よりお声がけ頂き、引合→交渉を経て受注に至り、山東省や浙江省、安徽省、そして広東省などの遠方でも産業ガスを現地調達し、当社が顧客工場敷地内に構築したガス供給設備に納入するだけでなく、メンテナンスやトラブル対応まで補完するビジネスモデルを確立しています。また、こちらも昨年より当社中国グループ企業唯一の“マーケティング部門”を立ち上げ、東北地区を中心としたガス需要調査に加え、当社本社国際マーケティング部門と連携し、中国企業の海外進出情報収集・初期アプローチにも注力しています。今後、更なる遠隔地取引と需要調査を進め、有望地域があれば、拠点進出も検討する所存です。


躍動する成長市場で更なる成長へ


 日本酸素ホールディングスグループは、今年度から2026年3月期を最終年度とする4カ年の中期経営計画「NS Vision 2026~Enabling the Future」を進めています。その一環として地域固有の経営課題にも取り組みますが、中国東北地域においては生産規模の増強を目標に掲げています。現状、東北地域における産業ガス生産設備(液体酸素/窒素/アルゴンを製造する“空気分離装置”と呼ばれる設備)は1プラントのみで、BCP(事業継続計画)の観点からも増強は必須です。そこで、既存プラント所在の大連長興島大陽日酸気体と相互補完(バックアップ)が可能な地域を絞り込み、各種準備を進めています。また、“オペレーショナルエクセレンスの追求”(業務効率を見直して競争優位性を構築する)にも重点を置き、品質を重視した効率化により、コスト削減と対応スピードの向上を目指し、全世界のグループ各社の知恵を結集して水平展開を進めます。これまで当地では、“中国国内における知見と経験”に基づき、保守的に事業を進めている傾向が強かったのですが、日本酸素ホールディングスの発足後、各事業会社の強みを共有することでグループ総合力の強化を図り、さらなる成長を目指していきます。



大連長興島大陽日酸気体
液体 酸素・窒素・アルゴンの生産工場で、中国東北地区でも有数の高純度・貯蔵能力を誇ります。多い時では、一日数十台のタンクローリーが列を成して液体ガスを充填され、大連市内・遼寧省内さらには河北省などの近隣の省からも引取に来られています。



PROFILE
Ito Shintaro

1973年生まれ、宮城県仙台市出身、成蹊大学経済学部卒、1996年に日本酸素㈱に入社し、サーモス事業、ロジスティクス、電子機材営業、海外マーケティング部門の業務に従事、2018年より大連長興島大陽日酸気体有限公司に出向し、副総経理として経営管理業務に従事、2021年より、大連大陽日酸気体有限公司、大連長興島大陽日酸気体有限公司、撫順大陽日酸気体有限公司、3社兼務の董事・総経理として経営責任を担う。


<伊藤さんをさらに知る>


アルペンスキー


10歳から14歳まで北海道札幌市で生活し、スキーに慣れ親しんでいた事こともあり、大学時代はアルペンスキーサークルに所属し、回転や大回転、スーパー大回転などの競技に打ち込んでいました。


ドライブ


自動車が大好きで、特に運転する事に喜びを感じます。この車は特にハンドリングとターボの加速特性が自分のフィーリングと合い、大連赴任まで約10年間も愛用していました。


愛犬


2020年にコロナ感染拡大の影響で、一時的に大連に戻れなくなった際に、一目ぼれして招き入れた、狆とチワワのミックス犬の“ぽこら”(女の子)です。


大連大陽日酸気体有限公司

大連経済開発区鉄山西路3号
℡(0411)8762-2259

大連大陽日酸気体有限公司

住所 辽宁省大连经济开发区铁山西路3号 MAP
電話 0411-8762-2259

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