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権利保護から見る企業の営業秘密の保護

営業秘密権利化の条件、営業秘密漏洩の発見と対応措置


 社会的分業化と工業化に伴い、企業は内部的にも対外的にも異なる主体との協力が必要になった。例えば、取引先を営業担当者に、技術を研究開発者にまかせ、さらに製品の図面をサプライヤーに渡して関連製品の生産を委託することもある。この過程で、企業の営業担当者、研究開発者またはサプライヤーが企業の営業秘密に接触することは不可避であって、ここに漏洩のリスクが存在する。
 営業秘密漏洩の防止における最善の策は、漏洩を物理的に回避することであろう。一例をあげると、国家秘密にかかわる研究開発者はプロジェクトの現場から離れることを禁じられることがある。それでも事後的な秘密漏洩のリスクを根絶することは難しい。そのため、中国の法律は、営業秘密侵害行為に関する民事上、行政上、刑事上の結果を定めて、法律のレベルから営業秘密を保護し、他人の営業秘密に対する侵害行為を罰している。
 では、企業はどのように自身の営業秘密を保護するべきか? 企業の情報はそのすべてが営業秘密として保護されるわけではなく、営業秘密化にあたって次の3つの条件を満たす必要があり、これらを満たした場合に限り、法的に保護される営業秘密になる。
① 情報が商業的価値を有していること。
② 情報が公衆に知られていない秘密情報であること。
③秘密情報に対して相応の秘密保持措置が講じられていること。
 上記の①と②の条件は比較的理解しやすいだろう。では、③の「相応の秘密保持措置」とは何か? 関連する司法解釈の規定によれば、相応の秘密保持措置を講じたかどうか判定する際には、営業秘密とその媒体の性質、営業秘密の商業的価値、秘密保持措置の識別可能性、秘密保持措置と営業秘密との対応度、そして権利者の秘密保持の意思を総合的に考慮しなければならない。より具体的にいうと、まず、秘密保持措置がその対象となる媒体に対象性を有し、且つ通常の状況でも技術秘密が漏洩しないよう保護するのに十分なものでなければならない。例えば、技術情報の媒体が市場流通製品である場合、これに対応する秘密保持措置はリバースエンジニアリングの防止に足るものでなければならず、単純に技術図面の秘密保持措置について従業員と秘密保持契約を締結するだけでは不十分である。次に、秘密保持措置は、秘密保持に関する権利者の主観的願望を明確に反映したものでなければならない。例えば、単純な競業避止の約定だけでは秘密保持措置を構成しない。さらに、秘密保持措置は、該当情報が秘密情報であることを他人に知らしめるものでなければならない。例えば、図面に「機密」の文字を印刷することである。最後に、秘密保持措置は、秘密保持の対象となる情報の価値にふさわしい程度で行われるものでなければならない。
 企業の営業秘密の保護にあたって上記と同じく重要になるのは、いかに速やかに営業秘密の潜在的漏洩リスクを発見し、且つ実際に漏洩が発生したか確認すること、つまり、営業秘密漏洩インシデントをいかに監視し、調査するかである。以下、2つの頻出する営業秘密侵害者のケースについて考察する。1つ目は、退職従業員である。企業はまず従業員が接触した秘密情報の内容、そして秘密情報が複製または転送されていないかを確認しなければならない。かかるリスクがある場合には、さらに当該従業員の退職後の進路や新たな就職先の生産・販売の状況を監視しなければならない。2つ目は、競合他社、サプライヤー、取引先である。企業は競合品に関する情報を監視しなければならない。具体的には、競争相手の市場製品情報、入札情報、特許出願情報、著作権登記情報その他の公開情報を監視することによって、自社が占有しているはずの情報が接触・使用されていないか判断することができる。

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