キーマンインタビュー
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佳能(中国)有限公司
副総裁 江原 大成 氏
笑顔で働ける空間づくりで
中国ビジネスをサポート
カメラ、ビデオをはじめとする映像機器、プリンター、複写機をはじめとする事務機器、デジタルマルチメディア機器や半導体・ディスプレイ製造装置などを製造する日本の大手精密機器メーカーである「CANON」。次なる分野としてスマートワークスペースITソリューションズを展開している「佳能(中国)有限公司」副総裁である江原氏に話を伺った。
積極的な事業拡大を展開
ここ中国において、キヤノンの歩みは70年代にまで遡ります。当初から技術提携、独自出資による工場の建設、販売会社の設立など、さまざまな試みを進めてまいりました。1997年3月にキヤノン(中国)有限公司を設立して以来、中国市場における販売サービス業務全般の運営管理を、現在は中心としております。進出から長い時を経て、華北、華東、華南の3大エリア本部を含む13拠点を置き、ショールーム、クリック・リペア・センター、クイック・サービス・ステーションなども含めた販売サービスネットワークを構築。現在の業務内容は、デジタルカメラなどイメージングシステムズ製品、オフィス製品、産業機器、スマートITソリューションのほか、中国のお客様のニーズにお応えできるような新しい製品、新しいビジネスをこれからも生み出していきたいと考えています。
次なる事業柱スマートワークスペースソリューション「佳創空間」
事務機器事業はすでに成熟した分野であり、次なる一手として推進している新規事業のなかでも特に、スマートワークスペースソリューション「佳創空間」には非常に重きを置いています。IoT、クラウドコンピューティング、デジタル化などの新技術の急速な展開に伴い、ポストコロナの人々の働き方は従来のオフィス勤務から在宅勤務へと変化。企業と企業、または企業内のコミュニケーション方法に加え、企業の運営モデルについても大きな変化が発生しており、小規模でもしっかりとしたコミュニケーションが求められるようになりました。この市場ニーズの変化に注目し、打ち出したスマートワークスペースソリューション「佳創空間」は企業オフィスをはじめ、製造業、学校教育、売り場、政府機関役所など、さまざまな場所やシーンで利用できること、応用できることから、「Smart Office」ではなく、「Smart Workspace」であるべきだと考えています。
従来のオフィス空間は、出入口管理が煩雑であったり、使いたい時に会議室が埋まっていたりして、多くの問題を抱えていました。IT技術を活用しハードとソフトを合わせたスマートワークスペースソリューション「佳創空間」によって、顔認証によるアクセル管理、来社のお客様のスムーズな対応、顔認証による印刷機の使用、会議室の予約、ビデオ会議、ホットデスクとロッカーの予約、空気除菌清浄、環境モニタリングなどの幅広いサービスが現実のものとなります。
コロナによる勤務スタイルの変化、急速な発展を遂げるIT技術によって、企業経営者やユーザーのなかには、現在のニーズに合うソリューションズ製品を選びたいという方もいらっしゃるかと思います。現在、スマートワークスペースソリューション「佳創空間」システムは金融、貿易、サービス、教育など、さまざまな業界で利用されています。例を挙げますと、ある日系金融企業様は弊社の「笑顔アクセスサービス」を導入し、多数の拠点に勤務している社員の出退勤を本部にありますサーバーを使って一元管理、出張者の入退出対応実現、社員はストレスなく毎日笑顔で働いておられます。また、ある日系大手電機メーカー様は会議予約システムを利用したことで有効的に会議室が使用できるようになったほか、毎月の管理データが可視化されて業務効率が大幅に向上したなど、弊社のスマートワークスペースソリューション「佳創空間」のサービス提供は着々と広がっています。
スマートワークスペースソリューション「佳創空間」バージョン1.0は昨年リリースされ、今年はバージョン2.0、お客様の課題解決、ニーズに応じて改善しており、アップデートを続けており、バージョン3.0、バージョン4.0がリリースされる予定ですので、乞うご期待ください。
DX時代に対応しつつコロナ禍で求められるサービスを提供
デジタル化の世のなか、ウイルスとの共存で、私たちのライフスタイル、ビジネススタイルは大きく変化しました。すでに2年が経過し、感染拡大を防止のための対処法やワクチン接種が進み、快方へ向かいつつあります。ここ中国でビジネスをされる方々に求められるソリューションズをしっかりと提供するとともに、スマートワークスペースソリューションやほかの新規事業が、弊社の重要な事業柱になるべく日々チームのスタッフと努力をしていきます。中国市場の変化を自分の身体と目で、触り、感じてきました。ビジネスにおいてもプライベートにおいても、そのことを大事に思いつつ楽しみ、そして、とても幸せに思っています。好奇心と洞察力の両者を持ちたいと願っています
PROFILE
プロフィールTaisei Ehara
1964年生まれ、埼玉県出身。1991年にキヤノンへ入社。1993年に香港に赴任、1996年北京に異動して以降、中国に駐在。BtoBのビジネスイメージングビジネスに長年携わり、キヤノンレーザビームプリンタ事業責任者を経て、2016年にキヤノン中国華北支社長、2022年に新規事業開拓の責任者。
蔵書が中国と日本で、合わせるとたぶん3,000冊あります。私小説もあれば、探偵ハードボイルド小説、歴史小説、ビジネス書籍もありますが、初版モノを買うようにしています。なかには、中古書市場に出せば、1万円以上する本があります。
2013年ノルウェーのトロムソにて。オーロラを見ると、幸運にめぐまれるらしいです。旅行が好きで、コロナ禍前は毎年のように出かけていました。これまでに、東南アジア、西欧、北米、北アフリカはほぼ回りました。
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