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著作権の事例2

情報ネットワーク伝達権侵害で中文在線がアップル、iTunesを提訴。

 1、案件事実

2012年、中文在線数字出版集団公司(以下「原告」または「中文在線」という)が北京で、苹果電子産品商貿(北京)有限公司(以下「北京アップル」という)、米国アップル(以下まとめて「アップル」という)、および艾通思有限責任公司(以下「iTunes」という)を提訴した。中文在線は、作家の海岩氏、二月河氏、周梅森氏の各氏及び巴金氏の相続人などから授権を得て、「五星大飯店」、「康熙大帝」、「権之欲」など16作品の小説について全世界で情報ネットワーク伝達権を有しているので、自社の名義で訴訟を提起することができると主張した。2011年に、原告は北京アップルのウェブサイトでアプリ・iTunesをダウンロードすれば、アップルによるオンラインストア(App Store)にアクセスし、上記の作品などを購入およびダウンロードして、アップルのiPadやiPhoneで閲覧できることを発見した。このため、「中文在線の許可なくネットワーク上で作品の伝達や使用をしたこれら2社の行為は、情報ネットワーク伝達権を著しく侵害し、また報酬権など著作権における合法的な権益を侵害するものだ」と主張し、アップル2社を提訴した。
 これに対してアップルは、「 1)ネットワークのプロバイダとして、内容的に、アプリの選択や編集をしていないので、統制することはできず、その作品の権限の有無に関して判断するのは困難で、図書関連アプリに侵害行為があるのかを察知できない。2)裁判所はアップル(アプリストア)に対し、事前にアプリ開発者が著作権証明を有しているか審査するよう求めているが、これは法的根拠がない。こうした審査業務による負担はストアにより得られる利益分をはるかに上回り、中文在線における損失分と釣り合わない。3)アプリ開発者より徴収する料金は一般的な広告料であり、直接的な利益にはあたらない。4)中文在線は、被害額や収益の証拠を提供していない」と主張し、訴えを退けるよう求めた

2、判決結果

総合的なネットワークプロバイダ(App Store)の運営者であるアップルは、App Storeに対して強い統制力や管理力があり、App Storeを通じて他のアプリ開発者がアップロードしたアプリをより分けて小売りし、かつダウンロードすることで客観的に直接の利益を得るので、App Storeにおけるダウンロードアプリに十分注意を払うべきである。また、ユーザーの行為が情報ネットワーク伝達権の侵害にあたることを知っていた、あるいは知るべきでありながら、削除、閉鎖、ネットワーク切断などといった策や、技術サポートなどを講じなかったことから、侵害行為の幇助にあたると見なす。よって、適切な注意を怠り、問題のアプリに対して侵害行為をしたアップルは、法的な責任を負う。判決:問題の作品における原告の情報ネットワーク伝達権の侵害を即時に停止し、かつ当判決の発効日から起算で15日以内に、原告に対し損害賠償金60万元及び原告が支払った合理的な費用を支払うよう命じる。

3、分析

本件における争議の焦点は、1)アップルには十分に注意する義務があったか、第三者の侵害行為を「知るべき」であったか、2)アップルは問題のアプリストアの運営者であるか。3)裁判所の下した賠償金額は妥当か、である。「情報ネットワーク伝達権民事トラブルにおける最高人民裁判所の法律適用に関する若干の問題の規定」の7条~11条などによると、ネットワークプロバイダの過失に応じて、侵害の教唆やほう助の責任を負うべきか定める、とされている。プロバイダの過失とは、ユーザーによる情報ネットワーク伝達権の侵害行為を「知っていた」もしくは「知るべきだ」ということである。裁判所は、侵害が事実であるか、プロバイダが情報管理力を備え、作品に対し選択や編集、推薦などができるかにより、プロバイダが「知るべき」という状況になるかを総合的に判断してよい。

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