キーマンインタビュー

株式会社ロフト/楽瑚特商業管理(上海)有限公司
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株式会社ロフト/楽瑚特商業管理(上海)有限公司

  • エリア:静安寺

取締役 執行委員・ 海外事業部 部長/董事・総経理  庄野 桂一郎 氏

満を持して遂にオープン
初の海外直営店を起点に
日本の雑貨文化を中国へ


1996年の創業以来、こだわりのある生活雑貨を中心に販売を続け、現在は日本国内で132店舗を展開するまでに成長を遂げたLoft。このたび、同社初となる海外直営店を率いる庄野総経理にお話を伺った。



Loft初となる海外直営店

 当社の中国事業は約2年前から始まりました。私は当時から携わっていて、上海と日本を行き来しながらマーケティングを行い、昨年の春に成都に法人を設立しました。成都は、親会社であるセブン&アイホールディングスによるイトーヨーカドーが20年にわたって事業を展開している地で、地元の方に非常に愛されています。中国事業を行うのであれば、まずはグループ内の先達と一緒に始めていくのが良いであろうという判断のもとで成都に法人を設立した一方、仕入先の多くが上海に事務所を構えていますので、並行して上海にも法人を設立しました。法人の立ち上げに加え、サプライヤーを確保することが最重要事項でした。日本では約1,000社のサプライヤーと取引をしていますが、中国ではどれだけ開拓できるかということが課題でした。昨年の夏からは日本の商品部のメンバーが毎月出張で上海へやって来ては商談を重ね、何とか約130社のサプライヤーと取引ができるようになり、我々が求めている商品をほぼ揃えることができました。そして、7月24日に上海で1号店を開店することになりました。 
 店舗は約1000平米、300坪ほどで、日本で最も得意としている標準的なサイズです。このサイズであれば、日本では約1万8000~2万SKU(ストック・キーピング・ユニット:受発注、在庫管理時の最小管理単位)が一般的ですが、上海では現時点で約1万2000SKU程度と若干少なめになっています。日本のLoftでは化粧雑貨と文房具が2核を占め、商品全体の7~8割ほどのウエイトがありますが、中国では初めての展開ということもあり、探りを入れる意味でも、化粧品、文具、生活雑貨、食器から台所用品、洗濯用品まで幅広い品々に加え、傘やバック、キャラクター商品などバラエティ豊かな品々をほぼ均等なバランスで販売しています。また、ポップアップスペースを大きめに確保していることも特徴です。今回は喜茶(HEYTEA)さんや若手作家とのコラボ企画を前面に打ち出しましたが、中国のみなさんが何を求めていらっしゃるのかを探るためにも、今後も遊びの要素も残しつつ変化を加えながら継続していきたいと思っています。
 現時点での品揃えは日本のLoftとほぼ同じですが、中国のマーケットは早いテンポで変化していますので、日本のインバウンドで受けたものがそのまま中国でも受け入れられるとは思っていません。中国においても当社の基準に適合する商品が数多く存在すると思います。今後は中国メーカーの優れた商品の開拓を進め、品揃えを充実させると同時に、日本への逆輸入も視野に入れていきます。

Loftならではのトータル提案

 「何かある。きっとある。」をテーマに、日本の雑貨文化を中国に紹介していきます。当社の業態に近い企業は多数ありますが、当社の強みは、雑貨という広いくくりの中で、化粧雑貨から生活雑貨、そして文房具まで幅広い雑貨をご提案できることにあります。化粧品だけを取ってみれば、化粧品の専門店のほうが品揃えは充実していることでしょう。ですがそこには化粧雑貨しかありませんので、目的買いに来られた方には便利かもしれませんが、漠然と「何かあるかな」と探しに来られた方にとっては、幅広い商品群をご覧頂けることが強みであると思っています。したがって、「これ良いね」とお客様に思って頂ける見せ方がポイントです。そして、Loftでしか買えないもの、Loftでしか体験できないことにも注力していきます。自主開発によるPBは、日本においても商品全体の10%以下に留まっているなどまだまだこれからという状態ですが、当社オリジナルの商品を手がけたり、定番商品を安価にお届けしたりなど、得意とする仕入れ販売と合わせて差別化を図っていきます。
 開店からまだ間もないですが、想定以上の多くのお客様にお越し頂いています。売上額も日本の通常店舗の倍近くにまで上り、300坪クラスの店舗としては最高記録を打ち出しました。最も売れ行きが良いのはキャラクター商品です。これは日本でも人気ですので中国でも反響があるとは想定していましたが、まさかこれほどの人気とは思ってもみませんでした。Loftオリジナルのキャラクター商品も飛ぶように売れていまして、早くもネット上では定価の数倍で出回っている状態です。喜茶の売り場も瞬く間にスカスカになってしまいました。初めての取り組みでしたので不安を抱いてのスタートだったのですが、蓋を開けてみたら驚くほどの反響で、追加で発注しているのですがすぐには補充できませんので、申し訳ない思いです。

オン・オフラインにおける展開

 今後は2023年までに6店舗の出店を果たすことが最低目標です。上海で4店舗、成都で2店舗になるのではないかと予想していますが、良い場所が確保できれば随時出店していきます。それ以外の地域でいきなり店舗数を増やしていこうとしても商品調達が追いつかない恐れがありますので、まずは2つの地域で確実に数字を上げ、そこから拡大を図っていきます。
 リアル店舗に続いて、ネットにも早いタイミングで進出したいと考えてはいますが、当社はメーカーではありませんので価格勝負にはあまり強くありません。仕入れて販売するにあたっては当然ながら仕入れ値が発生します。ネットはどうしても価格を前面に押し出している要素がありますので、その点を危惧しています。私たちの強みは商品単体で発揮されるものではなく、あるテーマに基づいていくつかの商品を集めて販売していくという手法にあります。例えばお弁当箱であれば、お弁当箱だけを単体で売るのではなく、スープジャー、ポット、袋カバーなど周辺のグッズも合わせたトータルでのご提案を最も得意としています。ネット販売ではどうしても商品単体がクローズアップされがちですので、私たちのトータルでのご提案という強みをネット上でどのように実現していくかというのが大きな課題だと感じています。



私は、上海Loftの総経理を務めているとともに、日本本社における海外事業部を統括する立場として、中国の直営店と、タイのフランチャイズ店を管轄しています。ここ中国で直営店をどのように拡大していくかが最大の課題です


開店時には多くのお客様にお越し頂いて、感謝と驚きでいっぱいでした。コロナ禍でのオープンではありますが、メトロシティ側や行政の方々から多大なサポートを頂きました。その期待に少しでもお応えしていきたいです



PROFILE

プロフィール 
KEIICHIRO SYOUNO

1985年、西武百貨店入社。長らく同社にて勤務経験を重ねた後、2014年に子会社であるLOFTへ出向。現在は既に転籍。LOFTにおいては経営企画を担い、その一環として中国ビジネスに着手。自ら構想を練り、法人設立を経て、2020年7月24日に初の海外直営店となる徐家匯LOFTをオープン。



上海LOFTをさらに知る


中に何が入っているか分からないブラインドボックスのミニチュアフィギュアも大好評。日本に関連するデザインのものや、日本のキャラクターのものもご用意しています。



日本のかわいいデザインのシールは、種類も豊富に取り揃えており、大人気商品です。



7月の開店以降多くのお客様にご来店いただいております。今後も上海在住のお客様、日本人のお客様にも認められ、愛されるお店になるよう精進してまいります。

LOFT

株式会社ロフト/楽瑚特商業管理(上海)有限公司

住所 静安区余姚路66号(同楽坊10号楼)2~3階 MAP
電話 021-6256-6210

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