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著作権法(12)——著作権侵害行為の民事的救済

前回は、著作権の侵害行為について説明した。今回は、著作権侵害行為の民事的救済について説明する。侵害された権利者が行政機関へ訴えた場合、および人民法院への訴訟による紛争処理について以下のように述べる。。

①行政救済

中国の各地方政府行政部門にある文化市場取締部門は、「行政処罰法」、「著作権法」、「ソフトウェア保護条例」、「情報ネットワーク伝達権保護条例」などにより、海賊版および法律で禁じられた図書、刊行物、新聞、録音・映像作品、デジタル図書、ソフトウェアの出版や制作、販売、および違法なネットゲームやゲーム営業における行為、文化財の違法な購入販売、その他文化市場における違法行為について摘発や取締を行う。
  中国は「著作権法」第48条により、以下のような行為は状況に応じ侵害の停止、影響の解消、補償および謝罪、損害賠償などの民事責任を負う。また公共の利益を損ねた場合は、著作権の行政管理部門が侵害行為の停止、所得の没収、複製品の没収や廃棄を命じ、かつ罰金を科すことができる。悪質な場合はその複製品を制作した素材、道具、設備などを没収することができ、犯罪となる場合は刑事責任を追及する

②民事的救済
(1)専属管轄-知的財産権法院
  2014年11月6日、中国初めての知的財産権法院が北京に設立され、同年12月16日に稼働した。またこの日広州に、そして12月28日には上海にもそれぞれ知的財産権法院が設立された。これら3カ所で各所轄地域における知的財産に関する案件をすべて受理する。「北京、上海、広州の知的財産権法院における案件管轄に関する最高人民裁判所の規定」により、これらの法院は所轄地域で以下の第一審を行う。(一)特許、植物新品種、集積回路配置設計、ノウハウ、コンピューターソフトウェアに関わる民事および行政訴訟。(二)国務院部門もしくは県級以上の地方人民政府における著作権、商標、不正競争などに対する行政訴訟。(三)有名商標に関わる民事訴訟。
 2018年10月、中国政府は「知的財産法庭の設立に関する最高人民法院の案」を認可し、最高人民法院に知的財産の法庭を設立して全国範囲における専門性の高い特許権などの上訴を一括審議することに最高人民法院が同意した。
(2)訴訟管轄-審級管轄
  「最高人民法院における著作権民事訴訟審議の際の法適用に関する若干の問題の解釈」第2条により、「著作権民事訴訟は中級人民法院の管轄とする」とされている。つまり、知的財産権法院のない地方では、著作権民事訴訟における第一審はその地方の中級人民法院が行う。第二審は高級人民法院が行う。
(3)訴訟管轄-地域管轄
  上記「司法解釈」の第4条により、著作権侵害については、「侵害行為の行為発生地、複製品が保管もしくは差し止めされた場所、被告人の居住地における人民法院が行う」とされている。侵害行為の行為発生地ごとに複数の被告人が訴えられた場合は、原告はそれら行為発生地又は被告居住地のいずれかの人民法院を管轄法院として選ぶことができる。
(4)コンピューターネットワークの著作権侵害
  「最高人民法院におけるコンピューターネットワーク著作権訴訟審議の際の法適用に関する若干の問題の解釈」第1条により、「ネットワーク著作権の侵害については、侵害行為地もしくは被告人の居住地の人民法院が管轄するとされている。侵害行為地とは、侵害をしたネットワークサーバーや端末などの所在地である。侵害行為地や被告の所在地の特定が難しい場合は、原告がその内容を発見した端末などの所在地を侵害行為地とみなすことができる

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