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中国個人所得税法の網羅的改定 その1

2019年税務総局公告34号通達、35号通達が公布され、中国において外国人(居住者および非居住者)に対する個人所得税法が網羅的に改定されました。


中国に住所のない居住者の中国居住年数の計算

 34号通達では中国に住所がない個人で、一納税年度(暦年)における中国居住日数が183日以上となる場合において、前6納税年度の中国居住日数が毎年183日以上であり、また当該6納税年度において一度も連続30日を超える出国(中国外での勤務/休暇を除く)がない場合においては、当該個人は当該納税年度において中国源泉所得(国内所得)と中国外源泉所得(国外所得)を合算して個人所得税を納税する必要があるとされました。もし、前6年度において一年でも183日未満の年度があるか、または連続30日を超える出国があれば、当該納税年度の国外所得で国外法人(個人)の支払い負担する所得については個人所得税が免除されます。

 ここで前6納税年度は2019年度から再計算となったので、満6年となるのは早くても2014年末であり、2019年から2024年の6年間において毎年183日以上中国に滞在し、この期間に連続30日を超える出国がない居住者であれば、2025年の国外所得、例えば日本の賃貸収入、配当収入、その他報酬などにつき、中国での個人所得税の申告義務が生じるということになります。

 これまでの満5年ルールから緩和され、居住年数のカウントが2019年からとなり、中国に派遣される外国人勤務者にとって朗報となります。また、累計年数のカウントも、ある年度に連続30日以上の出国があれば、翌年から再カウントとなるので、リセットがしやすくなっています。


国内所得の範囲、計算方法その他

 35号通達では、非居住者を含めた個人所得税の計算方法が規定されており、従来の計算方法から一部変更がみられる。以下順を追ってみてみましょう。
 中国源泉所得の定義としては、公休や有給休暇を含む中国国内勤務日数を基準として、当該期間に受け取る給与等所得を中国に源泉のある国内所得とし、当該所得に対し税率を適用して税額を計算することになりました。中国と日本の双方に役職を有し、日中を行ったり来たりで勤務する中国出張者(日本居住者)は、従来の計算方法では、給与全額に税率を適用して算出された税額を日数按分して、中国での納税税額を計算していましたが(結果として累進課税税率の高い区分が適用されることになっていました)、新規定では、まず給与を日数按分するので、比較的低い累進税率が適用され税負担が減ることになることが予想されます。
 次に賞与の課税計算ですが、給与と同じく賞与支給対象期間に占める中国勤務日数を基準に国内所得とします。これまでは月数按分とし、ある月に1日でも中国勤務があれば、その月は中国勤務月とし、つまり中国に有利な計算方法でしたが、新規定では、日数按分となり、より公平感が増しています。賞与には毎月固定で支給される報酬や、数カ月まとめて支払われる給与は含まないとされています。
 董事、監事、高級管理職人員の所得源泉地の確定については、中国外にいても意思決定という職務を遂行することに支障はないことから、中国国内法人が支給する董事報酬、監事報酬、総経理、部長職以上の役職を持つ職員等の高級管理職員の給与は日数按分せず全額を国内所得とします。
(つづく)

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