キーマンインタビュー

大連国際商貿大厦有限公司
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大連国際商貿大厦有限公司

大商百貨副総監/大連麦凱楽総店 駐店総経理 折口 史明氏

販売チャネルの多様化と
サービスの改善に向けて邁進

百貨店事業の新たな取り組み

現地に根ざした小売業グループとして
 
 大商集団は、中国遼寧省を中心として15省80都市に店舗を展開する国営総合小売業グループです。20年前に大連の中心部である青泥街に、当時日本のマイカルとの合弁で一号店となる大連マイカルを出店して以来、多くのお客様にご愛顧をいただいてまいりました。私が担当するマイカルは百貨店としての位置づけであり高級路線ですが、我々のグループは他にもお客様が毎日食品や日常品を購入されるスーパーであるニューマート、若者向けのキングソンなど、ターゲット層の異なるさまざまな業態の店舗を多数展開しています。また今年は大連マイカル創業20周年という節目の年でもあります。地域のお客様やお世話になった方々をお招きし、大々的に記念式典を行わせていただきました。おかげさまで9月5日の初日にはなんと13万人のお客様のご来店がありました。

オムニチャネル戦略とホスピタリティ

 現在我々が最も力を入れているのが、最新のIT技術を駆使し、小売業の新しいビジネスモデルを構築することです。近年ECチャネルの台頭により、実店舗の苦戦が世界各国で起こっています。今や世界最大のEC市場となった中国ですが、EC大手が絶大な影響力を持っています。昨年11月11日の双十一(独身の日)には1日で2兆円を上回る取引がありました。そんな彼らが今、実体小売業へ参入しECと実店舗の融合を進める取り組みを始めています。たとえば食品スーパーの分野では、アリババが運営する盒馬鮮生(フーマシェンシェン)が1年間で100店舗の出店を果たしているほか、テンセントも小売業に参入しようとしています。また、先日大連では地球港という新業態の小売店がオープンしました。小売業界では、まさに業界の壁を超えた競争が始まっているのです。オムニチャネル戦略は我々にとって今後の最も重要なテーマとなるでしょう。
 一方で、実店舗でのサービスレベルの高さや商品の品質をさらに向上させることも大切です。サービスレベルという概念は「ホスピタリティ」あるいは「おもてなし」と言い換えることができます。相手に喜びを与えることに価値を見出すという点で、中国小売業には、まだまだ改善・進化できるサービスがあると考えています。おもてなしの基本は相手のことを考えること。顧客の期待を上回り、それを超えた感動があれば、感謝の気持ちが返ってくる。それが企業としてのブランドとなり、利益の源泉となります。顧客満足度が高いと言われる企業はそのようなホスピタリティを持っています。
 中国における消費市場が成熟し、成長が鈍化していると言われる中で、今後、お客様視点での「豊かさ」や「楽しさ」を実現できた小売業だけが生き残り成長できるのです。その意味において我々はさらに進化し、変化していく必要があります。

将来を見据えてのリニューアル


 ここ青泥洼橋エリアは大商集団のスタートの土地でもあります。開業当時と比べて街は大きく発展し、今では駐車場も狭いうえ近隣の交通渋滞も激しくなりました。そこで開業20周年の今年を一つの転換期と捉え、大連マイカル、ニューマート、大連商場の3つの商業施設を一体化したリニューアル計画を現在策定中です。真ん中を貫くストリートから街並みまでを統合的に整備し、大商集団の街として作り変えていきます。第一次として大連マイカルの改装を実施。まず今年の12月に食品売り場を、来年9月以降は上層階の百貨店ゾーンを順次改装予定です。20年の長きに渡りご愛顧いただいたお店ですが、中国小売業の進化のスピードに合わせ、もう一度、技術的な革新性を取り込み、同時にサービスレベル、商品の質という観点から刷新していく必要があると考えています。
 また大商集団としては、小売業を通じて中国を発展させていくという経営理念のもと、高いサービスレベルと商品管理レベルで業界のリーダーを目指します。中国の企業にはリスクを先取りした意思決定の速さがあります。自社の経営資源の中で「取りうるリスク」について熟考し、リスクマネジメントを徹底することで、チャレンジできる機会が生まれます。この中から取れるリスクには積極的にチャレンジしていくべきでしょう。
 私自身は小売業界に30年間身を置きました。私を企業人として育ててくれたのは前職のイオンという会社であり、今でも大変感謝しています。そして現在私は大商集団で、大連マイカルの経営を任される立場にあります。これまでの経験を活かし、グループが将来成長に導いていけるよう努力していきたいと思っています。

地下食品売り場にて。商品の品質に対するこだわりは、日本流をキープしたいと考えており、継続的に機能する品質管理システムの構築に取り組んでいます。


PROFILE

おりぐち ふみあき

1962年生まれ、大阪府出身。幼少の頃を大分で過ごす。関西大学卒業後1986年にイオン(当時のジャスコ)に入社、幕張本社商品本部および店長職を歴任する。2003年に自ら希望して深センに赴任、イオン華南有限公司で董事総経理として、2009年より青島イオンへ転勤し董事総経理として勤務。2015年に退社。現在、山梨県南アルプス市にてペンション「らんたん」経営。2018年7月より大商集団傘下の大連マイカル総経理に就任。


折口さんを知るキーワード


趣味の登山とペンション経営

田舎暮らしとアウトドアが大好きで、登山が趣味です。前職のイオンを退職後、山梨県の南アルプス市でペンション経営を始めました。現在は妻と娘に仕事を任せています。写真は2016年、長女と登った夜叉神峠。


DIYでログハウスを製作

ペンションの仕事はとても忙しく、オンシーズンは休みが取れないことも。冬の間はログハウスや薪小屋を作ったりしてゆっくり過ごしていました。薪ストーブをくべながらウイスキーのシングルモルトを飲むのが大好き。


地場で採れた素材で手作り料理

料理も趣味で、大連へ赴任する前はペンションでお出しする料理を妻と分担して作っていました。自家製ベーコンや、ニジマスに自家製の味噌を詰めたものなど、お客様に大好評です。


大連国際商貿大厦有限公司(MYKAL Corporation)

大連市中山区青泥街57号、友好街42号
8230-0666
www.dsjt.com/index.html

大連国際商貿大厦有限公司

住所 辽宁省大连市中山区青泥街57号,友好街42号 MAP
電話 0411-8230-0666

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