キーマンインタビュー

日本と瀋陽を行き交うお客様
仕事に向き合うスタッフの
満足度向上に向けて

お客様の利便性向上を目指して

　ANA瀋陽支店は、1998年7月1日の関西－大連－瀋陽線就航を機に同年に開設、今年で20周年を迎えました。2004年3月に成田－瀋陽線の直行便が就航し、現在は同路線にて最新鋭機A320NEO型機によりデイリー運航しています。
　瀋陽線をご利用いただくお客様の内訳は、75％が中国人、20％が日本人、5％が他外国の方となっており、中国人利用比率の高さが瀋陽線の特徴となっています。これを受け瀋陽出発のお客様にスポットを当て、2015年度より瀋陽桃仙国際空港にて就航機材の夜間駐機を開始。これにより、瀋陽からの出発時刻を午前中の10時台、折り返し便の瀋陽到着時刻を夜の21時台に設定し、日本滞在時間をより長く確保することにより、瀋陽出発のお客様の利便性向上を実現しました。ANAは現在、国際便の運航便数ベースにおいて中国路線が3割を占め、13都市15空港に就航。中国線はANAとして非常に重視するエリアです。

おもてなしの心溢れるスタッフに感謝

　瀋陽支店は、現在日本からの駐在員が4名、現地ナショナルスタッフ27名で構成。支店開設時の一期生と翌年の二期生計4名が順調に成長し、現在は管理職として各部門を支え、大変頼もしい存在となっています。東北人の気質が多分に影響していると思いますが、非常にまじめで心優しく、おもてなしの心や助け合いの精神に溢れ、ANAがもっとも大切にする「チームスピリット」をよく理解、体現してくれており、非常に感謝しています。
　瀋陽線は、中国のお客様のご利用が大半ゆえ、その気持ちを十二分に理解するナショナルスタッフに新しいサービスの考案や組織運営などに積極的に関わってもらっています。ANAを選んでくださるお客様のために、日本の航空会社らしい「おもてなし」の心で、各部門が連携し、業務に取り組んでいます。

20周年スペシャルイヤーに向けて

　今年は日本－瀋陽線就航20周年イヤーということで、これまでご愛顧いただいているお客様、対外機関、空港関係など各方面の皆様、そして社員に向け「20年間の感謝」をコンセプトに、一年を通じ各種記念イベントを計画。準備に当たり「どんなことがやりたいか」を社員にアンケートした結果、200項目の提案が上げられました。実行委員を構成し、会議を重ね30項目に絞り込まれ、記念品配布、航空教室、感謝会、社員家族向けファミリーデーなど年間スケジュールに振り分け、現在順次実行中です。その一環として、就航記念日の7月1日には瀋陽桃仙国際空港にてセレモニーを開催。CS（お客様満足）はもちろんですが、プランニングからマネジメントまで、ナショナルスタッフらが「自分たちで手がけた」という達成感を共有し、さらに自らの成長を遂げるといったES（社員満足）に繋げることを目指しています。
　また20周年記念事業の一環として、社会貢献活動にも注力。瀋陽市内の大学から日本語専攻の学生をインターンとして受け入れ、職場体験いただく機会や、現役CAが講師となり、大学での公開講座として「おもてなし」をテーマとした講演を予定しています。
　ANA瀋陽支店は、ANA2代目社長の岡崎嘉平太氏の遺志を受け継ぎ、日中友好促進にもお役に立ちたいと考えています。昨年は阜新における蒙古族の学校で日本語を学ぶ学生の皆さんと日本語交流会を行いました。日頃日本人と接する機会が少ないエリアの学校で、日本に興味を持ち、日本語を学ぶ彼らに、多少なりとも励みになればと思い、今後も支店として継続したいと考えています。
　新しいトピックスとしては、ANAは日本の航空会社として初めて世界最大の旅客機A380型機を導入し、2019年春から東京－ホノルル線にて運航を予定しています。瀋陽や大連からも東京で当日乗り継ぎが可能です。多くのお客様に夏休みや冬休み、春節や国慶節などの長期休暇を利用し、常夏のハワイでバカンスを楽しんでいただきたいと考えています。
　20周年という節目にあたり、「スタッフが皆『わくわく』しながら働ける職場を創る」ことを今年度の瀋陽支店の基本方針とし、私自身も強くこだわってきました。社員が常に明るく元気に楽しく仕事をすれば、おのずとサービスやおもてなしとして形に表れ、お客様満足へつながる。それがひとつの理想だと考えています。20周年記念イベントも後半戦に突入しましたが、私を含めこの『わくわく感』を絶やすことなく仕事に向き合い、心に残る一年にしたいと思います。

社会貢献活動の一環として、毎年瀋陽市内の小学校の生徒さんと保護者の皆さんを対象にイベントを開催。瀋陽桃仙国際空港にお招きし、機体見学、航空教室や機内食の試食などを体験いただいています。

PROFILE
はしもと よしのり

1965年生まれ、北海道出身。1990年北海学園大学法学部卒業後、エアーニッポン㈱（現全日本空輸㈱）入社。国内空港支店を皮切りに企画部、財務部など間接部門を中心に従事。海外駐在は1997年より台北支店に4年。ANAホールディングス㈱グループ監査部に5年在籍後、経験のない営業部門を海外支店でチャレンジしたいという希望が叶い、2016年4月より瀋陽支店に赴任。

＜橋本さんを知るキーワード＞

座右の書ー心の処方箋

新入社員の頃手にした書が今でも座右の書となっています。ビジネスマンへの心の処方箋が詩の形式で綴られています。仕事で行き詰ったときに、何度もこの書で救われました。

32年前の中国留学時代、旅先で

大学時代に休学し、2年ほど中国に滞在。北京語言学院、北京大学で中国語を学んだ後、黒龍江省の大慶石油学院で1年日本語教師を務めました。（写真は雲崗の石窟）

家族4人で懐かしの北京旅行

長男も北京留学経験があり、北京は特別な地。二人の息子も社会人となり子育てから解放（笑）。瀋陽で共に暮らす家内（左端）は現在、中国語と中国料理の習得に夢中です。

全日本空輸株式会社　瀋陽支店

瀋陽市和平区南京北街206号
瀋陽城市広場第二座3-1203室
℡（024）2334-2392
www.ana.co.jp/cn/j/