キーマンインタビュー

日本貨物航空株式会社
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日本貨物航空株式会社

香港支店長 水野 哲朗氏

豊富な実績とノウハウで高品質の航空輸送を展開する輸送戦略のスペシャリスト

1986年の香港就航をはじめ、世界各地で大型貨物や特殊貨物の航空機輸送をするNCA。同社の水野哲朗氏に香港進出の道のりや企業理念、今後の展望を伺った。


日本唯一の航空貨物専門会社

  日本貨物航空は、日本で唯一の貨物専門航空会社として1978年に設立しました。1985年に就航した、東京、サンフランシスコ、ニューヨークの貨物を輸送する運航便が始まりでした。現在はボーイング社のB747型貨物機11機で、アジア、中国、欧州、米国と日本を結ぶ、航空貨物輸送の大動脈となる路線を運航しています。事業内容は、世界16都市に就航する航空貨物の「定期便サービス」、年間170便以上を運航する「チャーター便サービス」をはじめ、航空機を他の会社にリースする「ドライリース事業」、航空機・乗員・メンテナンス・保険のオペレーション代行の「ACMI事業」、そして成田国際空港の航空貨物を取り扱う倉庫「上屋事業」の5つです。
 香港支店は、1986年にアジア初の就航拠点として、今年で就航32年目を迎えます。現在は香港ー日本(成田)間の定期便を週11便運航し、香港発日本・欧米向け貨物を成田を経由し輸送しています。香港から他の国へのお客様からの輸送依頼に迅速に対応できるよう、チャーター便での輸送も可能です。香港国際空港は、世界有数の空港インフラが整備された空港で、使いやすい設計がされています。これは、1997年の香港返還後に、空港を啓徳から現在の空港に移設した際に、香港政府が6大産業の一つとして官民一体で航空インフラ整備をしたからです。また、貨物を迅速かつ正確に、高品質な状態で運べるように、産業全体がお客様目線で努力し続けたことで、急激に貨物量が増える結果となりました。
 当社機材は航空貨物輸送に特化し、機内が貨物輸送用に作られているため、お客様の要望に合わせた温度調節や設定が可能です。そのため、半導体製造装置等の精密機器や競走馬、絵画などのデリケートな貨物や、25トン程度の重量貨物、および長尺貨物を安全に輸送することができます。
 現在、eコマース市場の拡大により、全世界的に航空貨物量が伸びています。その中でも、香港をはじめとする東アジアの貨物量の増加が著しく、これに合わせ、弊社はこの5年でキャパシティを150%拡大しました。香港は2010年より8年連続で航空貨物輸送量が世界一となり、2017年度も500万トンを越える見込みです。今後も更なる増加が見込まれるため、お客様のニーズに応えられるような体制を整えていきたいと考えています。
 
人材育成強化で結果を出せる組織に

 お客様のニーズにきちんと応えるため、人材育成にも力を入れています。企業方針、事業計画に基づき、キメ細やかな活動目標を立て、社員との信頼関係を土台に、業務を推進・実行していくことを大切にしています。人材育成は管理職をはじめ、中堅社員、若手社員まで幅広く行っています。そのときの、会社の体力やメンバー構成、事業計画達成のために必要なスキル等を考え、優先順位を決めて行います。その中で特に重要視しているのが、管理職の人材育成です。2ヵ月から3ヵ月かけ、外部研修やOJTを行います。業務においては、日系企業が得意とする、事業計画に合わせてキメ細かく達成プロセスを「見える化」し、管理職が中心となり事業推進を行い、結果を出せるよう、「計画的に実行する」大切さを伝えています。作成段階で、「結果をだす」とは具体的にどのようなことなのかを充分に話し合い、理解してもらう必要があります。ここが合わないまま進めてしまうと全て掛け違いになってしまいますので、最も重要なポイントと考えています。その後、アクションプランを大中小項目に細分・シート化し、「成功イメージ」を一緒に共有しながら計画通りに実行していきます。何かトラブルなどイレギュラーが起こり、困ったことがある場合は、すぐに相談するように指導し、組織で解決にあたっています。 

時代に合わせた事業拡大へ
   
 週61便の自社運航便のほか、他社と提携を結びコードシェア便も運航しています。コードシェア便では、搭載スペースを分け合うことで運航便数、就航先を増やすことができますので、より多くのお客様のニーズに対応することが可能です。現時点では、コードシェア便を含めた発着便ベースの国際貨物便は合計週183便となります。香港、上海を中心とした東アジアから日本・欧米向け航空貨物需要が急激に増加している現状を受け、今後は、運航便数の増便に努め、大型機の強みを活かし、航空物量の多い集積地での対応拡充を目指します。
 また、近年は規制緩和が進み、「オープンスカイ」と呼ばれる自由化が進むと予想されます。2020年の東京オリンピック需要も見据えて乗り遅れないように、戦略的に行動していくことが重要だと考えています。今後も自社便と他社との連帯輸送や戦略的業務提携を通じて、アジアおよび日本から欧米を結ぶ航空貨物輸送の大動脈のより一層の強化を目指していきます。

航空貨物専用機ならではの機体構造で、重力貨物や長尺貨物などの特殊貨物輸送が可能です。香港からの定期便には深夜発がありますので、同日内にお客様へに届けることができます。

PROFILE

みずの てつお

大阪出身東京育ち。関西学院大学卒業。1987年日本貨物航空株式会社に入社。数々の業務を経て、2010年に執行役員運航本部副部長に就任。2013年に香港支店長兼台北支店長、兼経理部担当部長として来港。2017年7月からは香港支店長兼台北支店長、兼アジア地区経理統括。

<水野さんを知るキーワード>
大切な社員との食事会

定期的に全社員、グループ、チーム単位で食事会を開催しています。クリスマス会やニューイヤーランチパーティーなどを通じてコミュニケーションを図り、社員同士の親睦を深められる機会をつくっています。

祖父から譲り受けた時計

祖父が愛用していた「インターナショナル」製の腕時計と年代物の銀製手巻き懐中時計を譲り受けました。腕時計は1959年製造で、カバーがプラスチック、文字盤は黒色のレアもので、もう一つは1961年製造のハンドメイドです。どれも気に入っています


年間100冊の読書を継続

15年前から、年間100冊の読書をし続けています。3年前に一度、80冊で達成できませんでしたが、それ以外は毎年達成しています。「ビジネス」、「小説」、「自己啓発」のジャンルから選んでいます。一番のお気に入りは、中村天風著の「成功の実現」です。




日本貨物航空株式会社

住所 Rm 530, 5/F, South Office Block, Super Terminal 1 , Hong Kong International Airport , HK
電話 852-2186-604

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