キーマンインタビュー

在瀋陽日本国総領事館 在大連領事事務所
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在瀋陽日本国総領事館 在大連領事事務所

所長 丸山 浩一氏

経済、教育、地域、文化交流
大連から日本への特別な想い
温かな繋がりを強く感じて


日中関係の改善がみられた2017年


 2018年、新年明けましておめでとうございます。昨年6月に大連領事事務所の所長として着任し、早半年余りが経ちました。
 日中関係は、2012年秋以降より厳しい状況が続いていましたが、その後APEC等を通じた首脳同士の会談が行われ、徐々に関係も復興の兆しを見せています。それが顕著になったのは、日中国交正常化45周年を迎えた昨年春の二階幹事長の北京訪問、そして11月にはベトナム、フィリピンにて日本と中国の首脳による会談が行われました。さらには日中経済界のハイレベル代表団の訪中と、政治・経済レベルでの会談が多く執り行われた年となりました。その背景にはやはり日本、中国の双方が関係改善を望んでいるという事情があると思います。
 今年は平和友好条約締結40周年を迎えます。両国首脳の間では経済協力や民間レベルでの交流促進など、あらゆる分野で協力関係を強くする意向があります。こうした状況の中、中国と日本そして大連と日本の関係が今年も発展していくことを望みます。


各方面で感じる日本に対する熱意


 領事事務所として昨年は、毎年行われる大連アカシア祭り、日中観光フォーラム、サマーダボスなどをお手伝いさせていただき、私自身は着任後より、行政や議会など各機関の方々への表敬訪問を行いました。どこへ赴いても温かく歓迎していただき、大連と日本の関係がいかに深いものかということを改めて認識しました。
 現在大連の滞在邦人数は5千338名、日系企業は1千667社(平成29年度外務省海外在留邦人数調査統計)、うち約800社近くが大連日本商工会の会員企業となっています。こちらの商工会は非常にまとまりが良く、大連当局との良い関係を長年維持され、同時に当局からも日系企業に対する期待が非常に大きいと感じられます。
 大連外国語大学、大連大学、東軟信息学院などの教育機関へも訪問し、日本語を学ぶ学生らとも交流しました。聞くところによると、大連外国語大学だけで日本語専攻の学生は2千500名、東軟信息学院でも1千名近くが在籍するそうです。大連理工大学、大連大学など他の大学でも同様に日本語教育に力を入れています。昨年は初となる「日本語人材育成フォーラム」も行われ、日本語教育の観点で大変有意義な場であったと感じました。コンシェルジュ、FESCO共催の「日系企業合同面接会」など、日本語を学ぶ学生がそのスキルを活かし活躍できる場を提供するという、非常に素晴らしい試みといえます。
 大連市は日本の各地方との交流が盛んです。北九州市、舞鶴市、富山県、石川県、愛媛県、東京都大田区など、多くの街と交流を積み重ねていることに驚きましたし、敬意を表す次第です。
 さらには毎年秋に行われる大連市人民政府および中国国際貿易促進委員会主催の「日本商品展示会」、大連市人民対外友好協会および西崗区政府が行う「日本商品大連地区巡回展」など、日本をテーマにしたイベントを主催。巡回展と同時開催で大連領事事務所も協力する大連留学生社団主催の日本のお祭り文化イベント「MA-TSU-RI」も同様で、このように大きなプラットフォームを中国側で作っていただけることは、中国他地域ではあまり見られない事例だと思います。
 まさに、多方面において大連市の日本に対する特別感を感じた半年余りとなりました。   


新しい2018年へ向けて


 前任地ホノルルとは一転し、初めて迎える大連の冬の寒さをつらく感じるこの頃(笑)。しかしながら大連は綺麗な町で、海が近くて青い。金石灘も非常に美しく、(漁船がいなければ)ハワイ島やマウイ島を思い出させることも(笑)。個人の抱負として、過去にも香港で1回、ホノルルで2回のフルマラソン参加経験がありますので、今年とは言い切れませんが、在任中には大連マラソンへ参加しようと考えています。
 領事事務所として、既存のプラットフォームを活用し、日中関係が好転しているこのタイミングで、今年も引き続き大連の方々へ日本や日本文化をより知っていただける機会を企画したい。日本各自治体と大連の交流の場には積極的に参加し、「何ができるのか」を検討しながら、日中相互理解と交流の場づくりに率先して務めていく所存です。
 そして日本からも、より多くの方々に大連の街に来てもらいたいと思います。今年のアカシア祭りは日本側の大きなイベントとコラボする予定があるようで、日中交流の大きな舞台になると期待も大いに膨らみます。



大連へ来てから、日系企業や大学等を訪問。写真は大連外国語大学へ訪問したときのもの。日本と大連との結びつきの強さを日々実感しています。大連外国語大学では、学部生2,500名が日本語を熱心に勉強しています。


PROFILE
まるやま  こういち

1960年生まれ、東京都出身。1983年3月上智大学外国語学部卒業後、同年4月外務省入省。在中華人民共和国大使館に2度の駐在(1986年、1995年)ほか2007年香港、2011年上海など中国駐在歴は通算16年。ほか、1997年在米国大使館、2014年在ホノルル総領事館を経て、2017年6月より現職。趣味はスポーツ(ハイキング、テニス、ゴルフなど)。


<丸山さんを知るキーワード>


司馬遷『史記』


2000年以上前の歴史ドラマが活き活きと描かれた作品。ほか三国志など中国の歴史物語が好きです。作中の成語は今でも使われており、中国の歴史を身近に感じさせます。


海岸線を闊歩する休日


香港駐在時に始めた趣味のハイキング。写真はハワイ駐在時のココヘッドにて。大連にも海岸沿いに美しい景色のトレイルがあるので時間を見つけて行きたいと思っています。


舞鶴で歴代領事とご対面!


2017年夏に大連と友好都市提携35周年を迎えた舞鶴市を訪問。市からは当事務所開設以来、10名の方が領事として勤務されています。歴代所員の皆さんとお会いしてきました!



在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所
大連市西崗区中山路147号森茂大厦3階
℡(0411)8370-4077
www.dalian.cn.emb-japan.go.jp


在瀋陽日本国総領事館 在大連領事事務所

住所 辽宁省大连市西岗区中山路147号森茂大厦3楼 MAP
電話 0411-8370-4077

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