キーマンインタビュー

久保洪潤科技発展(大連)有限責任公司
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久保洪潤科技発展(大連)有限責任公司

董事長 王 洪亮氏

センコン物流の技術を以って
中国の食の安全志向に報いる
無農薬水耕野菜生産販売


政府機関からのバックアップをも得て


 弊社は日本のセンコン物流㈱(宮城県・仙台市)との合弁で2016年7月に設立しました。センコン物流の事業多角化の一環として長年の実績を持つ水耕栽培事業のプラントを導入し、初の海外拠点として同年9月より生産、11月より試験的に販売をスタートしました。水耕栽培は中国語で「水耕」、「水培」、「无土」とも呼ばれ、本事業は日本の水耕栽培機器の設備力や新技術においても注目を浴びています。大連市は昨年、国のハイテク農業特区の指定を受け、会社をおく旅順口区においても本事業は重要プロジェクトの認定を受け、各機関より多大なる支援を受けています。
 私自身、かねてよりセンコン物流会長・久保田晴夫氏と懇意にさせていただき、同社が手がける水耕栽培の技術や設備に興味を持っていました。さらに中国で抱える食品不安の問題(野菜においては土壌汚染や農薬など)があり、食の安全を求める意識が高まりを見せていたことが今回の事業のきっかけといえます。
 まずは試験区として660平方メートルの小規模ビニールハウスを建築し、土壌汚染の心配がなく、太陽光、温度、水質等を徹底管理できるセンコン物流と同様の水耕栽培プラントを導入。同時に国内のニーズを調査し、どのような野菜を栽培するか検討を重ねました。これまでに葉物を中心に、グリーンレタス、ホウレンソウ、サンチュ、青梗菜、水菜など38種の野菜を栽培してきました。現在は需要の高いオクラ、シシトウ、トマト、インゲン豆を中心に栽培を行います。


会員制という特別感あるブランド野菜


 設営に当たり、冬は極寒となる旅順の地でプラント機器が正常運転するかどうか懸念されましたが無事にクリア。また水耕で栽培できるかできないか野菜の見極めを行いました。一年余りの試験期間を経て手応えを感じ、現在の小規模ハウスに加え、新しく2000平方メートル規模のビニールハウスを建設中で、来年1月に完成予定。今回のプラントは計12レーン(列)の栽培施設が整います。販売状況を見ながら、今後さらに栽培面積を拡大する予定です。
 試験的販売をスタートした当初は市場での販売を予定していましたが、現在は朝採れの新鮮水耕野菜を個別宅配する会員制販売に向け動くところです。水耕栽培の野菜は、葉物の中には種まきから収穫まで45~50日と育成スピードが速いものも。ハウス栽培ゆえ一年を通じ品質の変わらない安定した生産が可能。摘み取れば洗わずともすぐ食べられるほどで、見た目も美しく味も良く、市場の2~3倍(一般野菜の旬の時季による価格の変動を考慮した数字)の価格となりますが、お客様は富裕層のみならず、健康志向の強いアッパーミドル、中間層も多数いらっしゃいます。現在は生産に限りがありますが、今回の増築拡大により生産量を増やし、お客様みなさまへ十分に野菜が行きわたるような体制を整えることが目下の主要課題となります。年末に向けさらに会員を増やしていく予定で、個人向け以外では五つ星ホテルからの引き合いもいただき、さらなるビジネス展開を見込んでいます。   


市場拡大、生産野菜の種類増加へ向け


 中国でのビジネス展開に当たり、水耕野菜のクオリティとその技術・設備を知っていただくことを要とし、プロモーションの場として展示会や商談会の参加、試食会を行ってきました。昨年の大連での天皇誕生日レセプションにおいても日本領事館大連領事事務所、宮城県大連事務所のご協力をいただきブースを設置。今年9月に世界博覧広場で行われた大連日本商品展覧会に参加。瀋陽では世界45カ国が集結した展示商談会や遠くは新疆まで宣伝活動の場を拡げました。その甲斐あってか近場では盘錦、長春ほか河北省、新疆ウイグル自治区から水耕栽培に興味をもつ農業関連企業から設備導入の問い合わせをいただいています。
 設立からわずか一年余りという短期間でプラント増築と、順調に事業拡大できたのもパートナーであるセンコン物流、同社をおく宮城県、そして旅順口区からの大きな支援があったからこそ。心から感謝の意を述べると同時に、今後も栽培面積と市場拡大、さらには栽培野菜の種類増加に向け取り組んでいく所存です。
 「花のように野菜を作る」というコンセプトの下、水耕栽培ならではのみずみずしく、美しく、おいしい野菜の看板を掲げる野菜生産企業として名を馳せ、中国のさらなる農業発展の立役者となれば幸いです。



来年1月に完成予定の新ビニールハウス予定地にて。将来を見据え今後さらに規模を拡大する予定です。二度目の厳冬期を迎えますが、ハウス水耕栽培の特性を活かし、安定した生産に向け力が入ります。


PROFILE
おう  こうりょう

1954年生まれ、大連市庄河出身。日本・センコン物流㈱の海外初となる農産物の生産・販売事業の中国拠点として、現地合弁会社となる久保洪潤科技発展(大連)有限責任公司の董事長に2016年7月就任。


<王さんを知るキーワード>


センコン物流 久保田会長と


かねてより親しくさせていただいているセンコン物流 久保田晴夫会長(右)と共に。大連でこのような重要プロジェクトを手掛けられるのも、このご縁があったからこそです。


多くの機関より支援を得て


昨年12月大連外国語大学にて行われた開業式典にて。センコン物流㈱会長 久保田晴夫氏(前列左)、旅順口区人民政府代区長李軍氏(前列右)で合意書に署名を行いました。


この11月に宮城県庁を訪問


旅順口区政府の方と宮城県庁を訪問。元宮城県大連事務所所長の西村一慶氏(前列右から2人目)は、現在アジアプロモーション課課長として、今尚ご縁をいただいています。



久保洪潤科技発展(大連)有限責任公司
大連市旅順口区龍騰路589号
xinyigongsi1622@163.com

センコン物流株式会社
宮城県仙台市青葉区中央4-10-3
仙台キャピタルタワー3階
℡ +81(22)-217-6841


久保洪潤科技発展(大連)有限責任公司

住所 辽宁省大连市旅顺口区龙腾路589号 MAP

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