キーマンインタビュー

大連三島食品有限公司
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大連三島食品有限公司

総経理 韓 仲慶氏

高齢者向けレトルト食品生産
赤しそ農場の運営・自社栽培
大連三島の中国事業

2000年を機に増加した国内事業


 ふりかけ「ゆかり」でおなじみの三島食品初の海外製造拠点として1990年設立、1992年より日本向け業務用レトルト食品生産をスタートしました。
 好調に進む中、中国国内向けに調味料などの商品開発を行っていましたが、直接的なきっかけとなったのは機内食用の調味料です。2000年ごろより日本からの路線が増加し、日系航空会社より、機内食素材すべてを日本から往復分抱えるのは大変なので、現地調達したいとお話をいただいたことから始まります。現在も日系航空会社機内食のめんつゆを製造しています。
 さらには日本食を中心とした青泥窪橋・マイカル地下フードコート開設に当たり、輸入品はコストが高いので、調味料製造のオファーを受け生産を開始。吉野家、味千ラーメンなど日本の大手外食チェーンが進出し店舗数も増加した時期でもあり、まさに業務用調味料の生産にはずみをつけた頃でした。
 しかし、国内事業への道を見出すと同時に、2007年に日本で発覚した冷凍餃子事件を引き金に、中国生産食品への信頼が崩壊。日本向けの売上が下がる一方で、中国向けを本気でやらないとというターニングポイントになったといえます。2012年には、中国向けが日本を上回り、現在は中国国内60%、日本33%、アメリカ・東南アジア7%という売上割合となっています。


高齢者向けレトルト野菜の可能性


 大連三島では、当初より日本向け商品として栗(丹東産/栗ご飯用)、きのこ類、野菜(タケノコ、レンコンなど)の業務用レトルト食品を生産し、学校給食、病院、施設、レストランなどで使われています。10年ほど前よりスタートした高齢者向けレトルト野菜シリーズの生産・売上も好調です。ゴボウやレンコン、ダイコンなど繊維が多かったり歯ごたえがあったり、歯がないまたは歯が弱い高齢者にとって咀嚼に厳しい野菜ばかりですが、特殊処理を行うことで形もそのままにやわらかく、素材を楽しんでいただけるものとなっています。同様に高齢者社会に直面する中国からも引き合いがあり、国内事業に向け、さらに力が入ります。
 現在は、日系のみならず中国系の外食チェーンと協力し、照り焼きや鰻のタレといった複合調味料の商品開発・販売事業が大きな割合を占めています。チェーン店にとって、どの店で食べても味にブレがなく、クオリティを保ちつづけることが必要不可欠。日本品質、安心できる食品メーカーとして、頼ってお話をいただけることに、これまで築き上げてきた大連三島のブランド力を誇りに思います。
 そんな三島食品の看板商品である、赤しそふりかけ「ゆかり」は、中国で「優佳麗」という名称で販売しているものの、赤しその酸味が苦手な人が多く、受け入れには時間がかかりそうです。現在、丹東と浙江省にそれぞれ1500ムー(約100万平方メートル)のゆかり専用の赤しそ農場を有し、自社にて栽培、管理を行っています。日本で生産されるゆかりの原料の半分以上がここ中国で生産されています。


時代の波に乗り興る事業


 今後は業務用以外に、一般向け小売商品の生産・販売の拡大も視野に入れています。そのためには展示会やイベント出展に加え、広告宣伝活動なども課題になってきます。以前、小売商品のラベルを日本のロゴと同じように「mishima」と表記をリニューアルしたのですが、これが売れず、再び「三島」に戻したというエピソードも(笑)。改めて中国の漢字に対する親しみの重要さを再認識しました。その一方で、「mishima」という音や表記になじんでもらいたい意向もあり、カレールーにおいては「米西馬(mishima)咖哩」という表記をしています。
 かつては300、500平方メートルの大型店が多数存在しましたが、家賃、人件費の高騰により、飲食店の規模が小型化しています。加えてスマートフォンのデリバリーアプリの台頭により、店内で食べるのではなくデリバリースタイルが激増。一般的なチェーン店でも現在デリバリーが売上の30~40%を占めるといわれます。ゆえにここ数年で、醤油やドレッシングなどデリバリーに添える小袋タイプの調味料生産が増えており、時代の流れに応じた事業の変化のひとつといえます。
 大連三島において、初の中国人総経理として就任し一年半余り、創業時から従事し28年。身体や心の隅々にまで浸透した三島の経営理念を守り、さらに三島のブランド力を中国全土に浸透させることを念頭に、社員一丸となり、尽力していきたいです。


昨年の8月に大連三島食品設立25周年を記念して、社員旅行を行いました。設立時から働くベテラン社員から入社間もない若手まで、世代を超えた社員のほとんどが参加し、内モンゴルの豊かな自然、広大な草原に癒されました。


PROFILE
かん  ちゅうけい

1967年生まれ、山西省出身。1989年東北財経大学経営学部卒業後、大連三島食品入社。三島食品初の海外生産拠点となる中国・大連工場立ち上げのため、半年間広島本社にて研修。その後資材、営業、中国国内向け商品の研究・開発に携わる。これまでの日本人から初の中国人として、2016年総経理に就任。趣味はスポーツ、サッカー、卓球、ゴルフなど。


<韓さんを知るキーワード>


北京五輪の聖火をつなぐ

2008年の北京五輪開幕前、聖火リレーが大連に来たときに、大連の聖火ランナーと一緒にこの手で聖火をかかげました。一生忘れられない貴重な思い出です。


平和への想いを改めて知る

中国で赤しそ栽培をしている湖州と丹東の社長と一緒に広島本社を訪問。その際に平和公園を見学し、そこで見た光景が印象に残り、平和の大切さを改めて感じました。


週末ゴルフでリフレッシュ

趣味はゴルフ。コースへ出るのが楽しみな季節になり、週末時間があればでかけています。写真は丹東のコースにて。景色もきれいで、人も少なくとてもオススメです!



大連三島食品有限公司
大連市経済技術開発区金馬路4号
℡(0411)8761-1161


大連三島食品有限公司

住所 辽宁省大连市经济技术开发区金马路4号 MAP
電話 0411-8761-1161

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